「わかる人は少ないやろうけどこの話はむっちゃ濃いで」。今週の通勤GDは、名師弟・高松志門プロと奥田靖己プロによる「一行レッスン」です。その第二十二話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

奥田 「打ちたい弾道の絵を思う」、「思ったらそうなる」というのもそうやし、「打った後は誰もそこにいない」というのも志門流のゴルフ。

高松 打つ前もそうやけど、打った後もスッキリコッキリせんとな。

奥田 それはそうですけど、こないだ僕もさすがに先生の姿の消し方の早さにびっくりしました。僕らが先生の前の組で、ホールアウトして上がろうとしたら、うしろからパーンとボールを打つ音がしたんですわ。それでハッとフェアウェイを振り返ったら、もう誰もおらへんのですから。

高松 だってスウィングは終わっとるし、グリーンで球も止まりかけてんねん。そこで突っ立っとってもすることあらへんがな。そんな野球のバッターおらんやろ。バッターボックスでアウトになって間抜けやがな。

奥田 はい。審判とか次のバッターにも怒られそうです。

高松 まぁ、長いフィニッシュとって、ショットの余韻を楽しんどるとかいう奴もおるけど、少なくともプロのやる仕業じゃないわね。

奥田 僕も前にパー4のセカンドでパーン打って、僕の中ではええショットなんですわ。でも先生は「今のはあかん。お願いが入っとる」いわれて、「え、お願いですか?」「うん、お願いが入っとるから、その分風に持っていかれるはずや」言われたんですわ。

画像1: 【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.22「お願いを入れるな」ゴルフダイジェストWEB

高松 わずかなお願いやったけど、フィニッシュでちょっと止まって、球を見とったわけやな。「風に負けるな~」というお願いを心の中でしながらな。

奥田 ええ。ちなみにそのホールは打ち下ろしで、ピンは左手前、風が右からですわ。最初に打った先生の球はピンの少し右に打って、風にほとんど持っていかれずナイスオン。それで「よっしゃ、僕もいこう」思うて、パーン打ったんですわ。そしたら僕の中ではええヘッドの抜けをしたんですけど、ちょっとだけお願いを入れてもうたんですわ。

高松 オレはお願いが入ったから、もう飛んでるときにあかんと思うてたわ。

奥田 はい。それで先生の予想通り、風に持っていかれてグリーン左手前の窪みに落ちてしまいました。

高松 やっぱりお願いが入る言うことは、スウィングに残りカスがある言うことやからね。

奥田 先生なんか、どんな状況でも、例えばバンカーの嫌な場所に球が止まっても、普通の状況とリズムもしぐさも何一つ変わらんのです。ただそこへ行って、パンと打ってそれで終わりですわ。

高松 そうか。でもな、打った後に自分の思いの中に迷いがないと、“うわぁ!”言うような球でも助かるんよ。

奥田 僕のさっきの球も、お願いが入ってなかったら、風には持っていかれてないいうことですかね。

高松 これ結構濃い話ですね。

奥田 わかる人は少ないやろうけど。むっちゃ濃いエキスや。

【通勤GD・今日のことば】球にお願いを入れてはいかんよ

画像: お願いが入るということは、スウィングに残りカスがある状態。お願いが入った球は助からないのだ

お願いが入るということは、スウィングに残りカスがある状態。お願いが入った球は助からないのだ

画像2: 【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.22「お願いを入れるな」ゴルフダイジェストWEB

This article is a sponsored article by
''.