「苦手意識」を持つことは、「百害あって一利なし」と伊澤利光プロ。通勤GD「イザワの法則」Vol.19は「現代のクラブはどう打つのが正解か」です。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日（土曜日）までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回～6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
伊澤利光プロ
1968年生まれ。プロも憧れる美しいスウィングの持ち主。2001年、03と2度賞金王に輝き、2001年マスターズで4位入賞。都内の大崎と碑文谷に「伊澤ゴルフアカデミー東京」を開校。
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アマ向けアイアンは払い打ちを想定して作られている
GD ヘッドの「入射角」について、教えてほしいのですが。アイアンは「ダウンブロー」か「スウィープ」か、ドライバーは「アッパー」か「レベル」かという議論が、ずっと結論が出ないまま続いているような気がするので、ここで伊澤プロの「答え」を聞きたいなと。
伊澤 答えというと、急に責任が重くなっちゃいますけど、例えば、アマチュアのアイアンは完全に「スウィープ」に打つようになってきていますよね。というより、今の道具だとそもそもダウンブローに打ち込むことが難しい。
GD 「ゼクシオ」アイアンのような、ソールが分厚い、アベレージ向けアイアンは、ダウンブローに打つことを想定していないということですか。
伊澤 ええ。私も試しましたけど、7番アイアンくらいだと、一生懸命打ち込んでも、全然ターフなんか取れないですよ(笑)。多少、入射角が変わっても、インパクトからフォローにかけては、似たような軌道で抜けていくという感じですかね。
GD 確かに、普通のアマチュアがプレーしていると、ターフが取れるシーンというのは減っている気はします。
伊澤 だって、今の7番アイアンって、昔の6番とか5番とかのロフトですよね? それに、シャフトが長くなってライ角もフラットになってるから、ますますターフなんか取れないですよ。ピッチングウェッジで昔の8番～9番の感じだから、やっと少しターフが取れるくらい。
GD なるほど。
伊澤 だから、最近、コースがきれいでしょ?(笑) 午後のスタートでも、「今日、お客さんいないの?」っていうくらい、ターフ跡がないことがありますからね。
GD それは、普通のアマチュアにとっては「いいこと」なんでしょうか。
伊澤 もちろん、いいことでしょう。打ちやすいというのは間違いないわけですから。
GD 一方で、プロの打ち方はあまり変わっていないですか?
伊澤 プロのアイアンは、ヘッドはあまり変わってないですが、やっぱりシャフトが長くなっているので、その分、入射角は少しシャロ―になってきてはいると思います。ただ、ショートアイアンではターフが取れるくらい、ダウンブローに打つということには変わりはないですね。
GD ドライバーはどうでしょうか? 「ドライバーはアッパー」と信じているアマチュアが多いですが、最近、弾道計測器を使ってプロとアマチュアのインパクトを解析すると、実はアマチュアのほうがアッパーの度合いが強いケースが多いことがわかってきました。プロは、ほんのわずかにアッパーになっているだけで、実質「レベルブロー」に打っている人が多い。
伊澤 これも、道具の変化によるところが大きいと思います。メタル時代には、自分で打ち出し角を確保する必要があったんですが、今は、それをヘッドがやってくれる。だから、レベルに振る人が増えているんです。
【通勤GD・今日のポイント】ドライバーのヘッド軌道は「少しアッパー」
イザワの法則／ボール位置は左足かかと線上より内側
ドライバーのボール位置はスウィング中、ヘッドが最下点を通過した先にある。したがって、本人がまったくレベルに振る意識だとしても、結果的にはわずかにアッパーになる。アマチュアはやりすぎのケースが多い。
また、メタルヘッド初期に比べ、現代のヘッドはボールが上がりやすく、スピンも適正にコントロールされる構造。アッパーに打つこと自体は変わらないが、その度合いは昔に比べて、はるかに緩やかだ。
イザワの法則／当てるのはフェースの真ん中
最もスピンが減って飛距離が出るのは、スウィートスポットより少しだけ上の打点だが、最近のクラブはスウィートエリアが広く、普通に真ん中で打つ意識を持つほうが、効率よく飛ばせる。
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