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番手と番手の間の中途半端な距離が残ると、力んだりゆるんだりして、つまらないミスをしがち。そんな時こそたくさんの情報を仕入れ、それらを十分に考慮して番手を選ぶことが大事だと芹澤信雄プロ。ちなみに芹澤プロは、大きめの番手を抑えて振るほうが得意だそうだ。

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芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

距離を杓子定規に考えないことが大事

今回はちょっと番手間の飛距離の打ち分け方についてお話ししようかなと思います。

これって、プロアマなどでアマチュアの方からよく質問されるテーマで、たとえば130ヤードを9番アイアン、140ヤードを8番アイアンで打つとしたら、135ヤードのパー3は何番で打つかというような質問ですね。

僕はまず、この質問の仕方自体に問題を感じます。番手間の飛距離について聞いてくるアマチュアの多くは、距離をピンポイントの数字で杓子定規に考えすぎるんです。

ピンまでの距離が135ヤードピッタリだったとしても、打ち上げのホールなら8番でピッタリかもしれませんし、強いフォローなら9番でも大きすぎるかもしれない。

冬の寒い時期なら8番で130ヤード以下しか飛ばないでしょうし、優勝争いをしている時なら、アドレナリンが出て9番アイアンで150ヤード近く飛んでしまうこともある。

ですから、「残り何ヤードだと何番で打つ」というふうに決めつけがあると、打ち下ろしやフォローなのに「9番は130ヤードだから届かないかもしれない」という意識が働き、実際に打つ際に力んでミスをしやすくなります。

それを防ぐためにも、各番手の飛距離には幅があることをよく理解してほしいんです。またその距離も、基本的にはキャリーの距離で考えることが大事です。

仮に無風でボールのライが平らだとして、9番アイアンで130ヤードキャリーさせたとき、落ちたところが下り傾斜なのと登り傾斜なのでは、転がる距離がずいぶん違いますし、グリーンの場合とラフの場合でも大きく変わります。

このときキャリーの距離をまず考えて、そこからどのくらい転がるかでトータルの飛距離を考える癖をつけてください。

大きな番手で抑えて打つ

と、いろいろと細かいことを言いましたが(笑)、それでも中途半端な距離が残って、大小どちらの番手で打つか困る場合はよくあります。そんなとき僕は、どちらかというと大きい番手をもってコントロールショットする場合が多いです。

なぜなら、昔からハーフスウィングやコントロールショットの練習をたくさんしてきたので、距離を抑えて打つのが得意だからです。ただしこれはあくまでもどっちでもOKという場合の話で、実際はボールのライやピン位置を考慮して番手を選びます。

たとえばちょっと芝が薄かったりフェアウェイバンカーなど、ライが悪くてダフリたくないような状況では、強振したほうが安全なので、小さめの番手をもってしっかり振ります。

一方、強いアゲンストが吹いている時などは、強振するバックスピンが増えて球が吹きあがり、風の影響を受けすぎるので、大きめの番手を抑えて打つことが多いですね。また、優勝争いをしている時などは、アドレナリンが出て普段よりも1~2番手余計に飛ぶので、思い切って番手を下げます。

このように、番手間の中途半端な距離を打つときは、できるだけ多くの情報を仕入れて、状況を正確に判断することが大事です。アマチュアの場合、同伴競技者よりも小さな番手で打つことにより抵抗を感じる人も多いようですが、そういうプライドは百害あって一利なしです。

ぜひ、大きな番手で抑えて打つ勇気を持ってください。

【通勤GD・今日のポイント】意図をはっきり持って迷わずに打つことが大事

【大きな番手で抑えて打つ】クラブを体の正面に保ってシャープに回転

大きな番手を抑えて打つ場合は、「飛びすぎそう」と思ってゆるむミスが一番危険。軸をしっかり保ち、クラブを体の正面から外さずに小さな振り幅をシャープに振り切ろう。

画像1: 大きな番手で抑えて打つ

【小さな番手でしっかり打つ】フィニッシュまで止まらずに振り抜く

小さな番手をも持った場合は、「飛ばそう」と大振りしすぎて軸がぶれないように注意。フィニッシュの位置を決め、そこまで止まらずに一気に振り切るのがポイントだ。

画像2: 大きな番手で抑えて打つ
画像3: 大きな番手で抑えて打つ

月刊GDより

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