日増しに暑くなり、ラフもどんどんキツくなってくるこの時期こそ、抜けが良くてスピンがかかり、ミスにも強いウェッジが欲しくなる。その実力をフェアウェイとラフで試打キングこと堀越良和プロが総点検していく企画。ウェッジと言えばボーケイ、その「SM7」と「フォージド」には、ソール形状に多くのバリエーションがラインナップされている。
画像: 【試打・解説】堀越良和プロ 週刊ゴルフダイジェストで20年以上にわたりクラブ試打を担当しているキング・オブ・試打。わかりやすいレッスンにも定評がある

【試打・解説】堀越良和プロ
週刊ゴルフダイジェストで20年以上にわたりクラブ試打を担当しているキング・オブ・試打。わかりやすいレッスンにも定評がある

試打方法:細かなデータをGC2で計測。ボールはプロV1x
58度のウェッジで50Yのアプローチを5回実施し、いちばん上と下を除く3球の平均を取った。スピン量が多ければボールは止まりやすく、打ち出し角が高ければ高さで止められる。また、特殊マットでも試打することで、どこがバウンスが効く部分かを可視化した。

画像: 弾道解析機はスピン量測定に定評がある「GC2」、ボールはタイトリスト「プロV1x」を使用

弾道解析機はスピン量測定に定評がある「GC2」、ボールはタイトリスト「プロV1x」を使用

ツアー使用率ナンバー1のタイトリスト「 ボーケイ ウェッジ」。ボーケイには「SM7」「フォージド」2つのラインがあり、なかでも58度はソール形状の違いを含めると8タイプある。試打結果をもとに自分に合ったソール形状をチョイスすることが重要だ。

画像: 同じボーケイの58度でもソール形状はさまざま

同じボーケイの58度でもソール形状はさまざま

「ボーケイSM7」の58度、5タイプのソール形状

ツアー使用率モデル別ナンバー1の「ボーケイSM7」。店頭での売り上げもナンバー1、まさに‟ザ・ウェッジ”。

画像: 写真はロフト58度の「Lソール」

写真はロフト58度の「Lソール」

【SM7 Lソール】ソール後方が削られ、幅が広く、開いて使いやすい

画像: ヒール側フェース寄りバランスで硬いライに合う

ヒール側フェース寄りバランスで硬いライに合う

バウンス角:4度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7707rpm)
打ち出し角:やや低い(33.6度)

ソール後方が大きく削られ、ソール幅も狭いので開いて使いやすい。ただラフでは開いて使うとダルマ落としの可能性もあるので。スクェアに打ってほしいですね。(堀越)

【SM7 Dソール】フェアウェイでもラフでも滑る三日月型ソール

画像: 幅広バウンスで鋭角に入っても刺さらない

幅広バウンスで鋭角に入っても刺さらない

バウンス角:12度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7950rpm)
打ち出し角:やや高い(35.2度)

三日月型のソールがラフでもフェアウェイでもうまく滑ってくれる。12度と大き目のバウンスで上から鋭角に入りやすい人でも地面に刺さらずしっかり抜けてくれます。(堀越)

【SM7 Sソール】スクェアでもオープンでも使いやすい

画像: ソール後方が削られ、どんなライでも振り抜ける

ソール後方が削られ、どんなライでも振り抜ける

バウンス角:10度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7677rpm)
打ち出し角:やや高い(35.3度)

一般的なウェッジは開くと実効バウンスが増えるのですが、このタイプはスクェアに構えたときと差が少ないですね。計算がしやすいので使い勝手がいいです(堀越)

【SM7 Mソール】硬い地面で使いたくなる8度バウンス

画像: 幅広ソールでバウンス少なめ。硬いライに強い

幅広ソールでバウンス少なめ。硬いライに強い

バウンス角:8度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7838rpm)
打ち出し角:やや高い(35.2度)

8度という少なめのバウンスは薄くて硬い花道のようなライからがいちばん実力を発揮できると思います。どちらかといえば開いて使いたいクラブです。(堀越)

【SM7 Kソール】あらゆるライでやさしく打てるワイドソール

画像: ほぼソール中央にバウンスで、どう入っても抜ける

ほぼソール中央にバウンスで、どう入っても抜ける

ワイドソールでバウンス角も大きいので、深いラフでもスクェアに構えてしっかり抜けてくれます。悪いライでの抜けは抜群にいいと思います。(堀越)

バウンス角:14度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7834rpm)
打ち出し角:高い(37.1度)

「ボーケイ フォージド」は、日本人向けの"ややグース"

ボブ・ボーケイが日本人ゴルファーと日本の芝生を研究して製作した「ボーケイ フォージド」。ロフト別「重心高」設計で、普通に振れば芯に当たりやすいのが特徴だ。

画像: ウェッジの顔を意識する日本人に合わせ、エッジを際立たせ、丸みのあるふところとゆるやかなグースネックで構えやすさを演出

ウェッジの顔を意識する日本人に合わせ、エッジを際立たせ、丸みのあるふところとゆるやかなグースネックで構えやすさを演出

【フォージド Sソール】夏ラフではハンドダウンに構えるとSソールの威力倍増

画像1: 【フォージド Sソール】夏ラフではハンドダウンに構えるとSソールの威力倍増

バウンス角:4度
ライ角:64度
クラブ重さ:477g(DGS200)
50Yスピン量:多い(7504rpm)
打ち出し角:高い(38.5度)

画像2: 【フォージド Sソール】夏ラフではハンドダウンに構えるとSソールの威力倍増

グースなのに開いて使いやすい顔をしています。ラフではハンドダウンに構えるとクラブの性能が生かせるでしょう。(堀越)

【フォージド Mソール】開いてもスクェアでもどっちもやさしい

画像: 【フォージド Mソール】開いてもスクェアでもどっちもやさしい

バウンス角:10度
ライ角:64度
クラブ重さ:446g(NSプロ950GH)
50Yスピン量:多い(7530rpm)
打ち出し角:やや高い(35.2度)

ラフでもフェアウェイでも距離感と方向性が一番安定していました。開いてもスクェアでもどちらもでも大丈夫です(堀越)

【フォージド Kソール】刺さりづらく抜けのいいワイドソール

画像1: 【フォージド Kソール】刺さりづらく抜けのいいワイドソール

バウンス角:12度
ライ角:64度
クラブ重さ:446g(NSプロ950GH)
50Yスピン量:多い(7779rpm)
打ち出し角:やや低い(34.2度)

幅広のKソールでリーディングエッジが少し削られていることもあり、もっとも刺さりづらく、抜けのいいウェッジです(堀越)

【試打の感想/50Yでどれもバックスピン7500回転以上!】
同じ58度でありながら、実に8本ものクラブを試打した堀越プロ。その理由を「アプローチが苦手な人の主な原因はバウンスを使えていないこと。バウンスが使えればソールが地面をうまく滑るので、ダフリやトップというミスは起きにくい。ボーケイの58度にソール形状が多数用意されているのは、どんなスウィングタイプのゴルファーでもバウンスが使えるようにするため。自分で操作したいなら『L』、やさしさならば『K』ですね」と分析。

操作性なら「L」、やさしさなら「K」

「実際に試打すると、8本すべてのスピン量が7000回転後半で安定していて、スピン性能に差はありません。いずれも、ソールの"抜け"を重視した結果だからです」

画像2: 【フォージド Kソール】刺さりづらく抜けのいいワイドソール

ボーケイ フォージドの記事をチェック↓

ウェッジ分析試打パート2につづく

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