フルショットでは大きすぎる、少しゆるめばダフリかねない「80ヤード」という距離。芹澤プロにとっても鬼門だという。その理由に迫った。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

「ちょっと弱め」は一番難しい

実は、僕自身にとっても「80ヤード」という距離は苦手意識のある距離なんです。というのは、サンドウェッジのフルショットの場合、キャリーは足りてもバックスピンが強く入りすぎるため、戻ってしまって寄らないリスクがあります。

かといって、52度のアプローチウェッジでは、普通に打つと大きいので、若干のコントロールが要求されます。この「若干の」というのが厄介で、抑えすぎてショートしたらアプローチウェッジを持つ意味がありませんし、ゆるむことを恐れて強く入るリスクも出てくる微妙なさじ加減です。

まして80ヤードなんて、プロにとってはべたピンが当たり前という距離ですから、余計なプレッシャーもかかります。こんなとき僕にとっては、得意のピッチングウェッジでコントロールするのが一番簡単なんです。

ハーフスウィングくらいの振り幅で打っているので、ゆるんだり力んだりしにくいですからね。ですが、実際のコースでは、そううまくいくとは限りません。

ピッチングウェッジで抑えて打つとランがでますから、手前にバンカーがあったり、グリーンウェッジからピンまでの距離が近かったりするとピンに寄せることができないからです。

ですから本来、この「イやな距離を残さない」マネジメントこそがいちばん大事ということになります。たとえばパー5の2打目が残り330ヤードなら、3Wで250ヤード打つと、ちょうど80ヤード残ってしまうわけです。

だったら、2打目を5Wかユーティリティで打って、アプローチウェッジやピッチングウェッジでしっかりフルショットできる距離を残すほうが確実なのです。

しかし、望むと望まざるとにかかわらず、中途半端な距離が残ることはあります。そんなときに忘れてほしくないのは、距離感を「足し算」で考えることです。

フルショット基準に、それを抑えて考えるのではなく、アプローチくらいの小さな振り幅の距離を基準にし、そこから「ちょっと強く」「もうちょっと強く」…と、距離を足すころで距離感を作るのです。

僕の場合は、サンドウェッジで腰から腰まで振って30ヤード。皆さんの「基準の距離」はどんなショットですか?

【通勤GD・今日のポイント】足し算で距離感を磨く

【ポイント】9時、10時、11時、3つの距離を知ろう

まずはSWで腰から腰、時計の文字盤に例えるとトップが9時の場合の距離を基準にする。ノーコックで、左肩を支点とした振り子のイメージでスウィングしよう。芹澤プロの場合、これで30ヤード。そこから10時、11時とトップを少しずつ大きくしたときの距離を知ろう。

画像1: 「ちょっと弱め」は一番難しい
画像2: 「ちょっと弱め」は一番難しい
画像3: 「ちょっと弱め」は一番難しい

月刊GDより

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