穴井詩といえば飛距離が注目されがちだが、強さの要因は安定感にある。7年連続でシード権獲得、今季も6月現在、賞金ランキング8位。クラブ契約をフリーにした穴井のクラブセッティングを見てみよう。
本当に求めているのは飛びではなく精度
昨年からクラブ契約フリーとなった穴井は「とにかく自身のスウィングを崩さないこと」をクラブ選びの大前提にしている。
「クラブを替えるときに大事にしているのは、構えたときの顔です。ドライバーのM5などウッド系はすんなり移行できました。ただ、アイアンは、どうしても替えられないんです。たくさんのクラブを試したのですが、どうしてもこれ(トライフィット)に戻ってしまう。でも、いい加減フェースの溝が寿命なので、新しいクラブにチェンジしないとダメですね」
アイアンに求めているものは「飛距離が出つつ止まること」だという。
次のエースが見つかるまで、アイアンは「トライフィット」
「やっぱり、飛ぶだけじゃなく、しっかりとグリーンに止まるかは大事ですし、感覚的な要素もあります。だから、アイアンはなかなか新しいものに替えられないんです」
飛距離ではなく、つねに頭のなかで描いているのは「グリーンに止めるショット」。新たな信頼できるアイアンが見つかれば、穴井の代名詞はこれまでの「飛ばし屋」ではなく、アイアンの距離感やグリーン周りの技術が光る「ショットメーカー」へと、さらに移行していくはずだ。
パー5の2オン狙いに欠かせない「ローグ サブゼロ」
アイアン感覚で狙い打てる「M4レスキュー」
グリーン周りは「グラインドスタジオ」の58度。52度は「MD2」
パターはグリーンの状況次第で使い分け
“フリー”ならではの自由なセッティング
PHOTO/Shinji Osawa
週刊GD2019年7月2日号より