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世界中のツアーで、タイ出身プレーヤーの活躍が止まらない。日本ツアーでブレーク中のJ・ジェーンワタナノンドとG・チャルングンのスウィングに、プロコーチ・内藤雄士が迫る。
画像1: 【ジャズ・ジェーンワタナノンド・ガン・チャルングン】世界中で巻き起こるタイランド旋風に日本も飲み込まれた!

(左)ジャズ・ジェーンワタナノンド(メルセデスランキング1位)
23歳。今季、初戦のシンガポールオープンでツアー初優勝を遂げると、全米プロでは3日目を終わって2位につけるなど大活躍。アジアンツアーの韓国コロンオープンも制し、全英オープン出場を決めた(2019.7.3 現在)

(右)ガン・チャルングン(メルセデスランキング5位)
27歳。バンコク大学在学中の11年にプロ転向。12年から日本ツアーに参戦している。まだツアー優勝はないが、今季ベスト10フィニッシュ4回、16位以下はなしと、安定した成績を残す(2019.7.3 現在)

現代的なシャットフェーススウィング

後方から見ると、2人ともかなりフェースをシャットに(閉じて)使っていることがわかります。トップで左手首を手のひら側に折り、切り返した直後にフェースが見えているのがその証拠。

このシャットフェースのままハンドファーストにボールをとらえる点において、2人のスウィングタイプは「近い」と言えるでしょう。

昔は、このようなシャットフェースはNGとされていました。しかし、大型ヘッドのドライバーが
主流になった現在では、これが本流。D・ジョンソンやB・ケプカにも通じる最新のクラブの使い方
なのです。

チャルングンのほうが、ややフォローのフェースローテーションが大きいようですが、これは切り返しでシャフトを立ててしまうのが原因と思われます(シャフトを立てるとわずかにフェースが開くので、それを取り戻す動きが必要になる)。ここが修正されれば、さらなる精度が期待できるでしょう。

ジャズ・ジェーンワタナノンド

ガン・チャルングン

柔らさかのジャズ、剛のチャルングン、脚使いの違いに注目

ジャズとチャルングン。2人のスウィングタイプは似ているのに、そのフットワークには大きな違いが見られます。これは筋肉量、可動域、体重の違いによるものでしょう。

ジャズの場合は、年齢的に若く、軽く、体が非常に柔らかくて、可動域が大きい。そのために、肩甲骨周りを完全にパッキングした状態で、フットワークを積極的に使ったスウィングをしています。

ダウンで左太ももがアドレス時よりもかなり左にふくらみ、左股関節を支点に、大きくヒップターンしているところに注目してください。この左に強く踏み込むフットワークが彼のパワーの源です。

特筆すべきは、右わきを締め、右ひじを体につけたまま、体のねじれをほどかずに迎えるインパクトでしょう。これは体の柔らかい選手でなければ実現できない形です。

体の柔らかさは、ゆるみにつながりやすいのですが、肩甲骨周りを固定し、手を振る動作を排除しているため、パワーが逃げることがないのです。これに対して、チャルングンは体幹が太く、重量もあり、いかにも体が強い。

このような体の大きな選手は、脚を積極的に使うと球のバラつきが大きくなる危険があります。そのため、フットワークを抑え、トップからダウンにかけては、両ひざの間隔を変えずに、体のエネルギーを重くドスンとボールにぶつけていくような下半身の使い方になっています。

アジアの選手のなかに、これだけのパワーを感じさせる選手はなかなかいません。そういう意味では、将来が楽しみなプレーヤーと言えそうです。

現在、女子ではアリヤ・ジュタヌガーンをはじめとして、世界中でタイ出身の選手が数多く活躍し始めています。これは、何よりもタイには世界基準のゴルフコースがたくさんあること。そして、コーチのレベルが上がって、理論を正確に伝える指導が浸透してきていることが大きな理由でしょう。

近年、韓国の選手が世界を席巻してきたのと同じように、今後タイの選手がいま以上に注目されていくことは、ほぼ間違いないでしょう。

解説/内藤雄士 東京都杉並区ハイランドセンター代表 ティーチングプロ

PHOTO/Norio Tsuburaoka

週刊GD7月23日号より

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