ゴルフ史に燦然と輝くジャンボ全盛期のパター
マグレガー
トミー・アーマーIMG5
バブル期には数十万円で売買
オリジナルは1935~40年に発売され、軟鉄ヘッドのソフトな打感がゴルファーを魅了。ジャンボの全盛期のパターと言われれば大半が「IMG5」と答えるだろう。当時はプロゴルファーでさえ、50万円以上出して買い求めたといわれる。
レジェンドの名を冠したパーソナルモデル
ウイルソン
デザインド・バイ・アーノルド・パーマー
1962年の1年間のみ発売された
「キング」と称されたアーノルド・パーマーがデザインしたパターの名器。ウイルソン社とクラブ契約が終了する1961年に翌年1年間だけ彼の名を冠したパターの販売契約を結んだことに由来する。
軟鉄素材とシャフトの硬さ、皮製グリップがいい打感を生み、丸いフランジと適度に入ったグースのバランスが絶妙。転がりの良さで人気を博した。
「デザイン・ド・バイ」の流れを汲む名器
ウイルソン
8802
全米一のパット巧者が愛したパター
「デザイン・ド・バイ・アーノルド・パーマー」の販売終了直後の1963年にウイルソン社が発売したのがこの「8802」。丸みを帯びたフランジ形状がその後のL字パターに大きな影響を与えた。
世界一と言われたパットの名手ベン・クレンショー。マスターズ2勝、PGAツアー19勝を挙げた際に必ずといっていいほど手にしていたのが、15歳のときに父親から贈られたのが「8802」。「リトル・ベン」というニックネームがついたほど。
「帝王の右腕」と称された幻のパター
スポーツマン
ジョージ・ロー ウィザード600
オリジナルは世界で数本!? 100万円以上で取引
L字パターには名器と呼ばれるクラブが何本もあるが、なかでも世界中のゴルファーから「最高峰」といわれているのがこのモデル。その理由は帝王ジャック・二クラスの愛器であること以外に、世界に数本しか現存しないという希少性が挙げられる。まさに幻の逸品といっていいパターだ。
メジャー18勝のうち16勝に貢献し、「帝王の右腕」と称されたウィザード600。実は二クラスが来日した際、このパターが盗難に遭うという事件が発生。学生バイトが翌日自首し事なきを得たが、世界中で話題となった。
名手たちはL字でポンポン決めていた
プロの試合では昔よりグリーンが速くなり、重いマレット型がいいと言われているが、我々アマチュアがプレーするグリーンは昔とほとんど変わっていない。
L字はブレード型よりも慣性モーメントが小さく、操作性がいいのでヘッドを動かしやすく、微妙なラインでも狙って打てる。パターでもほかのクラブと同じように、ヘッドをコントロールして弾道を生み出すイメージが重要で、それが出来るのがL字の最大のメリット。ジャンボ尾崎が全盛期に愛用していたL字は今でも十分使えるのだ。
第2話につづく
週刊GD2019年7月23日号より