男女プロ&シニアの3人が新作ドライバー11本を試打、その性能を検証。2019年夏からのニューモデルは飛距離性能だけでなく、つかまえやすさ、球の上がりやすさ、強い球が打ちやすい、とそれぞれ個性が際立つ。すべてを打ったうえでカテゴリー別に紹介していく。初回は「やさしさと上がりやすさ」の4モデル。

試打者は男女プロ&シニアの3人

画像: 伊丹大介プロ【HS44m/sで試打】 高校からゴルフを始め、東北福祉大に進学。理論派で人気のレッスンだけでなくギアにも造詣が深い。

伊丹大介プロ【HS44m/sで試打】
高校からゴルフを始め、東北福祉大に進学。理論派で人気のレッスンだけでなくギアにも造詣が深い。

画像: 中村祐子プロ【HS36m/sで試打】 高校では同期の谷口徹らと研鑽を積む。91年プロテスト合格。都内で行うレッスンは分かりやすいと評判。

中村祐子プロ【HS36m/sで試打】
高校では同期の谷口徹らと研鑽を積む。91年プロテスト合格。都内で行うレッスンは分かりやすいと評判。

画像: 高橋健二さん【HS40m/sで試打】 68歳でエージシュートを達成したノンフィクション作家。腕前はシングルクラス。フェースコントロールの達人と呼ばれる

高橋健二さん【HS40m/sで試打】
68歳でエージシュートを達成したノンフィクション作家。腕前はシングルクラス。フェースコントロールの達人と呼ばれる

今回試打した新作11モデル

とにかくやさしい
TS1(タイトリスト)
eggインパクト(プロギア)

楽にボールが上がる
ツアーB JGR(ブリヂストン)
ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)

上級者好みの強い球
G410 LST(ピン)
TS4(タイトリスト)
オノフKURO(グローブライド)
RMX120(ヤマハ)

つかまりやすさ抜群
RMX220(ヤマハ)
egg5500(プロギア)
マジェスティロイヤル(マジェスティ)

計測器はフライトスコープ、ボールは本間ゴルフのTW-Xを使用

画像: フライトスコープで計測

フライトスコープで計測

やさしさの答え。タイトTS1は軽量、プロギアeggは短尺

今春のドライバーは開発にAIを駆使するなど、話題性の高いギアが多かった。それから半年…。この夏に登場する新作にはどんな特徴があるのだろうか。

画像: テスター伊丹プロ

テスター伊丹プロ

伊丹 全部に共通しますが、打感が進化していて柔らかく、心地よい金属音。出球が高く、スピン量が適正。回転数が低すぎず、かかりすぎず、球が伸びて高く飛びます。いずれもドライバーとしての水準が非常に高く、やさしく飛ばせます。そのうえで「ドローが打ちやすい」など違いを出しています。

TS1(タイトリスト)
「誰にでも強いドローが打てる」(高橋)

クラブ重量を抑えたことで、しっかり振り切れる。タイトリストにしてはシャローフェースで簡単に球が上がるのも特徴。

伊丹 スピンが適度に入るので、HSの遅い人が安定した弾道になりやすい。

中村 シャフトとのバランスがよく、先が走ってくるので振り遅れません。

高橋 上級者向けの印象のタイトリストだが、これは誰でも中弾道の強いドローが打てる。難しそうであきらめていた人に勧めたい。

画像1: TS1(タイトリスト) 「誰にでも強いドローが打てる」(高橋)
画像2: TS1(タイトリスト) 「誰にでも強いドローが打てる」(高橋)

ヘッド体積:460cc
ロフト:9.5度、10.5度
ライ角:59度
クラブ長さ:45.75インチ
クラブ重さ:275g
※Titleist Diamana 50(S)
試打クラブ:ロフト9.5度・Titleist Diamana 50(S)

画像: 「バランスがよくふりやすい」(伊丹)

「バランスがよくふりやすい」(伊丹)

画像3: TS1(タイトリスト) 「誰にでも強いドローが打てる」(高橋)
画像4: TS1(タイトリスト) 「誰にでも強いドローが打てる」(高橋)

eggインパクト(プロギア)
「しなりが少なく真っすぐ飛ぶ」(中村)

近年、PGAツアーではドライバーのシャフトを短くして使うプレーヤーが増えている。このeggインパクトも44.25インチ。振りやすさと曲がらないのが特徴だ。つかまりをよくするセミグース風フェースの見た目も印象的。

伊丹 曲がらないし、芯に当たるから結果的に平均飛距離を伸ばしてくれる。上級者よりは初心者~中級者にいい。

伊丹 イメージはユーティリティのデカヘッド版。左右OBや池、フェアウェイが狭いホールでも安心です。

中村 ヘッド、シャフトともに弾くというよりも押す印象が強い。ボールを飛ばすよりも運ぶイメージ。

高橋 シャフトのしなりが少なく、どう打っても真っすぐ飛ぶ。

画像1: eggインパクト(プロギア) 「しなりが少なく真っすぐ飛ぶ」(中村)
画像2: eggインパクト(プロギア) 「しなりが少なく真っすぐ飛ぶ」(中村)

ヘッド体積:460cc
ロフト:10.5度、11.5度
ライ角:59.5度
クラブ長さ:44.25インチ
クラブ重さ:295g
※M-43(S)
試打クラブ:10.5度・M-43(S)

画像3: eggインパクト(プロギア) 「しなりが少なく真っすぐ飛ぶ」(中村)
画像4: eggインパクト(プロギア) 「しなりが少なく真っすぐ飛ぶ」(中村)
画像: 「球を飛ばすより運ぶ印象」(中村)

「球を飛ばすより運ぶ印象」(中村)

楽にボールが上がるツアーB「JGR」とツアーワールド「XP-1」

画像: テスター中村プロ

テスター中村プロ

ヘッドスピードが速くない人ほど球の高さが重要になる。今回試打したなかで「高打ち出し」で「高弾道」だったのが初代から高弾道の評判が高い「JGR」と、深い溝が特徴の「XP-1」だ。

ツアーB JGR(ブリヂストン)
「打感がかなり柔らかい」(伊丹)

飛距離性能はもちろん、球の高さにも定評のある歴代JGR。新モデルは、フェース裏に配置された溝とその中にあるネジ状の突起が目を引く。

伊丹 ネジでフェースのたわみをコントロールし、打感・打音が良くなっているのだと思います。

伊丹 トップラインの仕上げが素晴らしく、フェースをストレートに見せるデザインがいい。また前作に比べて打感がかなり柔らかくなった。

中村 クラウン部の溝がインパクトの衝撃を吸収するのか打感が柔らかいです。

高橋 やさしく構えられ、簡単に高いドローボールが打てる。逆にフェードは打ちにくい。

画像1: ツアーB JGR(ブリヂストン) 「打感がかなり柔らかい」(伊丹)
画像2: ツアーB JGR(ブリヂストン) 「打感がかなり柔らかい」(伊丹)

ヘッド体積:460cc
ロフト:9.5度、10.5度
ライ角:59度
クラブ長さ:45.5インチ
クラブ重さ:294g
※ツアーAD For JGR TG2-5
試打クラブ:9.5度・ツアーAD For JGR TG2-5

画像3: ツアーB JGR(ブリヂストン) 「打感がかなり柔らかい」(伊丹)
画像4: ツアーB JGR(ブリヂストン) 「打感がかなり柔らかい」(伊丹)
画像: 「アップライトでウェートがネックに近い部分にあるので、ネック軸回り慣性モーメントが小さく、ヘッドが返りやすく球がしっかりつかまります」(伊丹)

「アップライトでウェートがネックに近い部分にあるので、ネック軸回り慣性モーメントが小さく、ヘッドが返りやすく球がしっかりつかまります」(伊丹)

ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)
「上に弾くインパクトで安定したハイドロー」(高橋)

「TW747」で培った飛びのテクノロジーをアベレージゴルファー向けに改良。短尺&軽硬シャフトとソールの深い溝で飛距離を伸ばす。

伊丹 弾き系ではないのに球が高く上がるのはソールの深い溝の効果もありそうです。

画像1: ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ) 「上に弾くインパクトで安定したハイドロー」(高橋)
画像2: ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ) 「上に弾くインパクトで安定したハイドロー」(高橋)

ヘッド体積:460cc
ロフト:9.5度、10.5度、12度
ライ角:59.5度
クラブ長さ:45.25インチ
クラブ重さ:292g
※VIZARD43Wood(S)
試打クラブ:10.5度・VIZARD43Wood(S)

画像3: ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ) 「上に弾くインパクトで安定したハイドロー」(高橋)
画像4: ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ) 「上に弾くインパクトで安定したハイドロー」(高橋)
画像: 「インパクトで上に弾く感じ。キャリーとランのバランスがよくトータル飛距離が出ます」(高橋)

「インパクトで上に弾く感じ。キャリーとランのバランスがよくトータル飛距離が出ます」(高橋)

伊丹 ソールのウェート位置はスライサーが鉛を張るお手本となる場所。つかまりを良くしています。

中村 低スピンモデルというより適正スピンでHSが遅めの人でもハイドローの球が安定して打てる。

高橋 少しアッパーめに振ったら一番飛んだ。ドロー系のストレートボールが打ちやすいです。

週刊GD2019年8月20日・27日号より

2019新作ドライバー試打②につづきます

画像: golfdigest-play.jp
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