やや下から空に向かって打つ
高柳 フライヤーしそうなときは番手を下げるのが基本ですが、もうワンランク上の対処法を教えちゃいましょう。特別な技術はいらないので意外とカンタンです。フライヤーするとスピン量が減り、弾道が低くなって、前にいく力が強くなります。それで普段よりも飛んでしまう現象が起きる。そんなときボクたちプロは、前ではなく上、空に向かってフライヤーさせるんですよ。
── 空にフライヤーさせる?
高柳 ボールをいつもより少し左に置き、目線を高く構えるんです。アドレスでボールをややアッパーに、下からとらえる準備をしたら、あとはフォローとフィニッシュを高く振り抜いていくだけ。カンタンでしょ。
── それならできそうですね。
高柳 前にいく力を、上方向に逃がしてあげるんです。飛びすぎるミスも防げるし、上からボールを落とせるから、グリーンに止められるんです。
空に打ち上げる3つのポイント
【ポイント①】ボール1個分左足に置く
高柳 ボール位置を通常よりもボール1個ぶん、左にセットする。ダウンブローではなく、ヘッドの最下点でボールをとらえます。
【ポイント②】目線は水平より高く
高柳 アドレスしたら弾道の最高点をイメージして目線を上げる。少し右肩の下がった構えになって、球を高く上げる準備が完了です。
【ポイント③】フォローとフィニッシュは高く取る
高柳 フォローを低く出すと打ち出しを高くできません。空に向かって振り抜くイメージでフォローを出し、高いフィニッシュを取ります。
【CHECK!】「距離が計算しやすい!」
高柳 普段、7番アイアンで150Y飛ぶ人だと、普通に打ってフライヤーすると180Yぐらい飛んでしまうこともあります。空にフライヤーさせる打ち方なら飛びすぎを防げて、高さで球も止められます。
バランスを整えて体幹を締めて構える
── 抵抗の強い夏ラフに負けないように振るには、どんな点に注意したらいいですか。
高柳 多くの人は芝の抵抗に負けまいとして、手や腕が力んでしまいがち。でもそれは逆効果です。力を入れる必要があるのは、手や腕ではなくて体幹です。
── 手や腕の小さい筋肉ではなく、大きな筋肉を使ってスウィングするんですね。
高柳 それにはまず、バランスよくアドレスすることが大事。軽くジャンプして着地すると、前後左右のバランスが整います。その状態から重心を落として構え、土台を安定させます。
── グリップは強く握ったほうがいいのでしょうか。
高柳 強く握るのではなく、少し締める程度でOK。あとはお腹をへこませるように力を入れれば、体幹が締まります。
【ポイント①】ジャンプして着地でアドレス
高柳 ボールの近くで軽くジャンプをしてみよう。自然と上体の力みが抜けるだけでなく、倒れないように脳がバランスを取ろうとして、着地したときに前後左右の体重配分が均等になります。
【ポイント②】重心を落とす
高柳 上体に力が入ると、重心が高くなり、バランスが崩れやすい。ただし重心を下げようとしてお尻が引けるのはNG。意識を下に持っていくだけで重心は下がる。
【ポイント③】グリップはキュッと握る
高柳 グリップがゆるまないようにしっかり握ることは大事だが、ギュッと強く握ると上体が力んでしまいます。左右ともに小指側から3本をキュッと締めるぐらいの感じでホールドします。
入射角が安定し、緩まず振れる
【アプローチ編】ノーコックでハーフロブ!
夏はグリーン周りでも長いラフにボールがすっぽり埋まってしまうことがある。こんな状況からはどうやって打てばいいのだろう。
高柳 ボクならハーフロブで寄せますね。オープンスタンスでフェースを少し開き、ノーコックで横から払うように打つんです。手でボールを放るようなやわらかい球になるので、距離感も出しやすいですよ。
【ポイント①】オープンに構えて少しフェースを開く
高柳 ボールを右に置きロフト立てると、打ち出しが強くなり、ヘッドが下をくぐるミスも出ます。振り抜きやすいようにオープンに構え、フェースを開きます。
【ポイント②】手首の角度をキープ
高柳 横から払うようにレベルに振りたいので、手首のコックは使いません。ボールの手前からソールをすべらせるイメージ。ダウンで加速させずに等速で振ります。
ハーフロブだからミスが少ない
PHOTO/Yasuo Masuda
TEXT/Toshiyuki Funayama
週刊GD2019年9月3日号より
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