アイアンだって飛ばしたいけど、ストロングロフトの飛び系アイアンは打感がイマイチなのでは? いえいえ、いまどきの飛び系はそのあたりもグンと進化しているようですよ。今回は最新飛び系アイアン9モデルをキング・オブ・試打、堀越良和プロが試打テスト!

これまで飛び系は、打感が悪いと言われていたが…

画像: 【試打・解説】堀越良和プロ ドライバーからパターまで、あらゆるギアを試打する、まさにキング・オブ・試打。最新クラブにも造詣が深い

【試打・解説】堀越良和プロ
ドライバーからパターまで、あらゆるギアを試打する、まさにキング・オブ・試打。最新クラブにも造詣が深い

複合素材の大型ヘッド、深いキャビティ、分厚いソールといった特徴を持ついわゆる飛び系アイアン。「確かに飛ぶけど、見た目や打感がイマイチだから…」というのはもう過去の話。最新の飛び系は、とくに打感の面で格段の向上が見られる。

画像: 試打したのは最新飛び系アイアン9モデル。発売直前の準飛び系、テーラーメイド「P790」、「ミズノプロ920」の2モデルも参考試打

試打したのは最新飛び系アイアン9モデル。発売直前の準飛び系、テーラーメイド「P790」、「ミズノプロ920」の2モデルも参考試打

週刊ゴルフダイジェスト誌で長年試打を担当し、飛び系アイアンの変遷に詳しい堀越良和プロは、「製造技術の向上でひとつひとつのヘッドパーツが以前よりも精密にデザイン、製造されているだけでなく、組み立ての精度も上がっているため、極端に打感に問題があるモデルは皆無といっていいでしょう」と語る。

打感を確かめながら、フライトスコープで飛距離も計測

画像: 打感を確かめながら、フライトスコープで飛距離も計測

試打はすべてプロボールを使用。弾道計測器「フライトスコープ」で飛距離やスピン量、打ち出し角なども計測。ドライバー換算のヘッドスピード41m/s前後で5球打った3球の平均値をとった

7番ロフト26度
エッグフォージド(プロギア)

画像1: 7番ロフト26度 エッグフォージド(プロギア)
画像2: 7番ロフト26度 エッグフォージド(プロギア)
画像3: 7番ロフト26度 エッグフォージド(プロギア)

打感がよくシャフトも含めたクラブのクオリティが高い

フェース裏を偏肉設計にすることで、反発力を高め、反発エリアをフェース下部まで拡大。「芯で打ったときの音が心地よく、それより下で打っても打感が変わらない。何も小細工せず普通に打てば結果がいい。完成度の高いアイアン。ロフトの割に球は上がりやすい」(堀越)

7番ロフト25度
エッグ(プロギア)

画像1: 7番ロフト25度 エッグ(プロギア)
画像2: 7番ロフト25度 エッグ(プロギア)
画像3: 7番ロフト25度 エッグ(プロギア)

弾き感が強く距離も出ている

キャビティ底部の深いスリットにより、インパクトでフェースがたわみ、初速がアップする設計。「弾き感が強い打音で、それに見合った初速が出るので使っていて気持ちがいい。内蔵ウェートの効果で重心深度が深く、球が簡単に上がる」(堀越)

7番ロフト26度
エピック フォージド スター(キャロウェイ)

画像1: 7番ロフト26度 エピック フォージド スター(キャロウェイ)
画像2: 7番ロフト26度 エピック フォージド スター(キャロウェイ)
画像3: 7番ロフト26度 エピック フォージド スター(キャロウェイ)

打感は少し硬め。強い球で直進性抜群

反発力の高いカップフェース+軟鉄鍛造製ボディ。内部にウレタン素材を使ってウェートを分配し、重心を最適化している。

「フェースの硬さを感じる、やや硬質な打感。球はそれに見合うだけの強弾道でユーティリティ並みの飛距離性能と直進性がある」

7番ロフト27度
マジェスティ ロイヤル(マジェスティ)

画像1: 7番ロフト27度 マジェスティ ロイヤル(マジェスティ)
画像2: 7番ロフト27度 マジェスティ ロイヤル(マジェスティ)
画像3: 7番ロフト27度 マジェスティ ロイヤル(マジェスティ)

軽やかな打感で音がよく響く

高強度素材を極限まで薄肉化したフェースを採用。高初速エリアを上下左右に拡大。

「打音が良く響く、軽やかな打感が印象的。林に囲まれたパー3で最高に気持ちよく反響しそう。グースで重心距離が長いため、つかまりがよく、打点のブレにも強い」(堀越)

7番ロフト28度
ツアーB JGR HF3(ブリヂストン)

画像1: 7番ロフト28度 ツアーB JGR HF3(ブリヂストン)
画像2: 7番ロフト28度 ツアーB JGR HF3(ブリヂストン)
画像3: 7番ロフト28度 ツアーB JGR HF3(ブリヂストン)

打感がソフトで球筋の打ち分けもしやすい

フェース下部を薄肉化し、フェース裏にディンプル状のくぼみを設け、高初速エリアを拡大。振動吸収材を内蔵し、打感も向上。

「ヘッドの中が詰まった感じで軟鉄鍛造に近いソフトな打感。球がつぶれる感覚がはっきり分かる。球の高低や曲げ球もある程度操れる」(堀越)

7番ロフト28.5度
ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)

画像1: 7番ロフト28.5度 ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)
画像2: 7番ロフト28.5度 ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)
画像3: 7番ロフト28.5度 ツアーワールドXP-1(本間ゴルフ)

本間らしい顔の良さ。打音も心地いい

精密鍛造ボディにタングステンを内蔵して重さを最適化。「打感がソフトで飛びが軽やか。厚いトップブレードでソールの厚みを隠して、見た目をボテッとさせない工夫も秀逸。球の高さも適度」

7番ロフト29度
Xフォージド スター(キャロウェイ)

画像1: 7番ロフト29度 Xフォージド スター(キャロウェイ)
画像2: 7番ロフト29度 Xフォージド スター(キャロウェイ)
画像3: 7番ロフト29度 Xフォージド スター(キャロウェイ)

上級者好みの打感で球がムニュッとつぶれる

軟鉄鍛造による、一体成型のキャビティアイアン。ストロングロフトであること以外は、プロモデルとそん色ない仕上がりになっている。

「ボールのつぶれる感じや、ミスヒット時のフィードバックなど、一般的な軟鉄鍛造アイアンとまったく同じフィーリング。上級者好みの打感でヘッドもミッドサイズなので操作性も悪くない」(堀越)

7番ロフト29度
T300(タイトリスト)

画像1: 7番ロフト29度 T300(タイトリスト)
画像2: 7番ロフト29度 T300(タイトリスト)
画像3: 7番ロフト29度 T300(タイトリスト)

弾道の高さが魅力。打感は柔らかく静か

フェース裏の特殊ポリマーが、打感と弾きを向上する設計。「打感が軟らかく、落ち着いた音。最高到達点が高く、落下する感じがきちんと7番アイアンなのが好印象。トウ側のウェート効果で芯も広い」(堀越)

7番ロフト29度
RMX220(ヤマハ)

画像1: 7番ロフト29度 RMX220(ヤマハ)
画像2: 7番ロフト29度 RMX220(ヤマハ)
画像3: 7番ロフト29度 RMX220(ヤマハ)

打感はやや硬めだがミスしても曲がらない

フェースからソールに連なる部分を薄肉化して反発力をアップ。

「フェースの薄さが感じられる甲高い打音で初速が速い。タテの打点のズレに強い。深重心でロフト29度を感じさせない球の高さ」(堀越)

打感評価分布図

画像: 打感評価分布図

反発性能が高いアイアンは、打音が高く(硬く)、インパクト感が軽くなる傾向がある。フェースとの接触時間が長くなるほど、もっちりとして(軟らかく)、ボールがフェースに乗って重い感じがする。

ロフト30度台の準飛び系アイアンも打感テスト

7番ロフト30.5度
P790(テーラーメイド)

画像1: 7番ロフト30.5度 P790(テーラーメイド)
画像2: 7番ロフト30.5度 P790(テーラーメイド)

中空構造なのに打感はどっしり

極薄フェースの中空構造で、反発力を落とさず打音を向上させる充填剤を注入。ウェート内蔵で低重心化。「中空っぽい音の軽さがなく、詰まった打感。打点がよく計算され、スピンが最適化される」(堀越)

7番ロフト30度
ミズノプロ920(ミズノ)

画像1: 7番ロフト30度 ミズノプロ920(ミズノ)
画像2: 7番ロフト30度 ミズノプロ920(ミズノ)

やさしいプロモデル。さすがのミズノ打感

キャビティのアンダーカット部を二重にして、除去した重量を周辺配分することで、慣性モーメントを高めている。「ミズノプロらしい打感と操作性のポケキャビです。上級者が使うという前提に立つとかなりやさしい」

堀越プロの総評

堀越 今回試打した全モデルを総評すると、最も打感が軟らかいのは「T300」ですが、ボールがつぶれるような重さも加味すると「Xフォージドスター」が軟鉄プロモデルに近い打感。

堀越 反対に硬質で弾きのいい打感は「マジェスティロイヤル」と「RMX220」です。「RMX220」のほうが初速を感じやすく、より軽やかな打ち味でした。

どのモデルも飛び性能に関しては看板に偽りなし。打感もいいとなれば、使わない理由はない。

週刊GD2019年9月17日号より

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画像: golfdigest-play.jp
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