石川遼
1991 年生まれ。埼玉県出身。2007年に15歳でツアー優勝を果たし、09年には18歳で史上最年少の賞金王に輝く。ここ数年は不振が続いたが、今シーズンは成績、飛距離ともに絶好調。
ヘッドを離して構えると体重移動がラクになる
石川選手のドライバーのアドレスを見ると、クラブヘッドをボールからかなり離して構えていることがわかります。これは、今季から取り入れたセットアップですが、最大のメリットは、右へのウェートシフトがしやすくなることにあります。
![画像: ドライバーのティショットはヘッドとボールがかなり離れている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/d5f0688c11a50e37134ee94568bb8250f49d7beb_xlarge.jpg)
ドライバーのティショットはヘッドとボールがかなり離れている
![画像: ヘッドを離して構えると体重移動がラクになる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/354001d76cc4cbdd8878a63c9cda5a0edfbbd5f2_xlarge.jpg)
テークバックでは、重心を右に移して右股関節に体重を乗せつつ、体をターンさせながらヘッドを引いていくという作業が必要になります。しかし、あらかじめヘッドを右にセットすることによって、右へウェートをシフトするという工程を省略することができるわけです。
実際、昨年に比べると、バックスウィングで右の股関節にしっかりと乗れていることがわかります。また、トップ・オブ・スウィングにおいても右の肩甲骨が正面から見えるほど、上体の捻転が深くなりました。
このバックスウィングの変化によって、ダウンで頭が左へ突っ込む度合いは抑えられ、ビハインド・ザ・ボールで右軸をキープしたまま、鋭く体を回転させることが可能になっています。
石川選手のように高速で体をスピンさせてボールをとらえるタイプは、スウィング中のわずかな軸のブレが大きなミスにつながります。そういう軸のブレを抑えるという意味で、このセットアップに大きな効果があったのではないでしょうか。
![画像: アイアンは、ノーマルなヘッドポジション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/d178032c4e362ab0de3c11374bdb3b9dc4fcd935_xlarge.jpg)
アイアンは、ノーマルなヘッドポジション
![画像: ボールとヘッドの間隔は、ドライバーより狭め](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/ae5b86b800313c06593c22c3f305ac5b1281754c_xlarge.jpg)
ボールとヘッドの間隔は、ドライバーより狭め
![画像: 同じドライバーでも直ドラのときは、ヘッドはボールの真後ろ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/92b7b60afaa0477264ff3d2688033dd63a4d3916_xlarge.jpg)
同じドライバーでも直ドラのときは、ヘッドはボールの真後ろ
![画像: 2019年のドライバー平均飛距離は306ヤード(9月27日時点)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/d541e9ce38e195a19cc241110ea195b2a2ea0c11_xlarge.jpg)
2019年のドライバー平均飛距離は306ヤード(9月27日時点)
今季の石川選手は、ものすごく飛んでいます。フジサンケイクラシックなどでは、ドライビングデ
ィスタンス1位のC・キム選手をアウトドライブする場面も見られたほどです。
攻撃的なゴルフを身上とする石川選手にとって、ドライバーはスコアの生命線。そのドライバーが好調な今季は、さらなる活躍が期待できそうです。
2019年の石川遼ドライバーショット
![画像1: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/df2cc44984f09e335c7b8de1c78f0fb00c0ec623_xlarge.jpg)
![画像2: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/c7c357287d0979e923e5351f8ff1dec9411638af_xlarge.jpg)
![画像: 昨年より右股関節のシワが深いのは、しっかりと右股関節に乗って捻転している証拠](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/a79fa3603c6e20b77ef114b20b4037c36c854b7b_xlarge.jpg)
昨年より右股関節のシワが深いのは、しっかりと右股関節に乗って捻転している証拠
![画像: 右軸をキープしたままダウンスウィングに入っている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/9e6c9220606d0c12328641ea72aed24175635d87_xlarge.jpg)
右軸をキープしたままダウンスウィングに入っている
![画像3: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/c53a64c3d73c853dc285c840461f2a06974d7397_xlarge.jpg)
![画像: 昨年に比べると、頭が右にあるところに注目、頭が左に突っ込んでいないので、クラブがスムーズに抜ける](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/0c680a08cf008e43182f8d8226a5daf8739a8122_xlarge.jpg)
昨年に比べると、頭が右にあるところに注目、頭が左に突っ込んでいないので、クラブがスムーズに抜ける
![画像4: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/95b034b3c85e521553a4da68b36a6b4bcf007d1e_xlarge.jpg)
2018年の石川遼ドライバーショット
![画像5: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/f3516cfca0d0008f3527e7dae31ae7eb56ab9dd8_xlarge.jpg)
![画像6: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/b9c293e4aba004a1f89880cfb812fb3c119bbff4_xlarge.jpg)
![画像: 今年に比べると、捻転量が少ないので背中があまり見えない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/7fd5c2a8374bef131d7678eb9fd5505d08732873_xlarge.jpg)
今年に比べると、捻転量が少ないので背中があまり見えない
![画像: 下の写真と比べると、わずかに頭が左に移動している](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/f7ec4b45a1e2594a33f555c43de9f0bb3bc04fc5_xlarge.jpg)
下の写真と比べると、わずかに頭が左に移動している
![画像: 左への移動量が大きいと、インパクトに詰まりが出やすい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/f25dcdf0b38228dc418061474acdaa7c566c65b8_xlarge.jpg)
左への移動量が大きいと、インパクトに詰まりが出やすい
![画像7: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/dda1f2e2ff746f33b47360cef8c4fe9f795d122b_xlarge.jpg)
![画像8: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/22abf9b18ecf58362a0e98c8cf3cc38dead5d117_xlarge.jpg)
腕のロールが抑えられた
今季、ドライバー以上に素晴らしいのがアイアンショットです。石川選手が米ツアーから撤退する直前は、ナイスショットをしているのにスコアにならないという試合を目にすることがありました。
それは、インパクト以降のフェースローテーションがやや大きかったために、自分がイメージしているより少し強い球になっていたことが原因だったと思います。セッティングの厳しい米ツアーでは、そのわずかな狂いが許されなかったのです。
しかし、今季は腕と体の同調性が素晴らしいために、腕のロールが抑えられ、フェースローテーションが適正になっています。その結果、スピンコントロール力、ショットの精度が各段にアップしているのです。
たとえば、インパクト直前、フェース面がボールに向き、あとは体を回すだけという体勢ができているところ。あたかも胸の前にボールをはさんでいるかのように、腕が体の正面にキープされていると
ころ。
![画像9: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/dc81f643cedcbffe78d75fe6ecd46c385360c73a_xlarge.jpg)
![画像10: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/6238a202521f90a7214b8731a72e0dad28e3bf1b_xlarge.jpg)
![画像11: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/d0a207f6666d889d612ae5874c61b431feae23e1_xlarge.jpg)
![画像12: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/42d4db44e0a7202c070844d9b57191423cc1eb23_xlarge.jpg)
クロスバンカーからのコントロールショット
![画像13: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/eeda49748d7ba181ebbd9d318b26d992504ce942_xlarge.jpg)
![画像14: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/0bd7675da42dd59c2a6304704c0ee73be1a947f1_xlarge.jpg)
![画像15: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/c993052d488c3f09127f3cb5fb4e8f38411ac233_xlarge.jpg)
![画像16: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/355220fba19e794e9a0cb466883b0669375b319f_xlarge.jpg)
![画像17: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/493139c8a22ac55e2256197bc83acfb07b88fbb2_xlarge.jpg)
![画像18: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/00aa9d8c69c83a45f1dd503f37eb2e7210caff32_xlarge.jpg)
![画像19: 【石川遼】右軸キープで高速回転。飛距離と方向性が格段にアップしたドライバー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/03ccb0e805c71e05f4a90e7eb5bc6087207fabde_xlarge.jpg)
![画像: 左ひじを曲げたままフォローを取り、フェースを一切返さずにラインを出していく動きに注目](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783386/rc/2019/09/26/0b82d0f579fd285456f3014a63d8af05fe9908d0_xlarge.jpg)
左ひじを曲げたままフォローを取り、フェースを一切返さずにラインを出していく動きに注目
そして、フォローで腕が走りすぎず、フェースローテーションを抑えてボールをコントロールしているところなどを感じ取ってもらえたらと思います。
【解説】内藤雄士
ないとうゆうじ。プロコーチ。日大ゴルフ部時代、米国にゴルフ留学し、最新の理論を学ぶ。その後、丸山茂樹、平塚哲二、矢野東らのコーチを務める。ラーニングゴルフクラブ代表。
PHOTO/Tadashi Anezaki
週刊GD2019年10月8日号より
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