カップを狭めるとラインがくっきり見えてくる
練習着グリーンに向かう石川遼プロを直撃したところ、複数枚の円盤を手にしていた。
石川 (ブラッド)ケネディが考案した練習器具です。カップの入り口を意識できる点がすごくいいんです。
時間の限られているスタート直前の練習グリーンでは、5メートル前後の曲がるラインと、真っすぐの1.5メートルを重点的にやるそう。
石川 5メートルはラインをイメージし、そこにタッチを合わせる練習。1.5メートルでは出球やストロークを見ます。僕もティを差して練習していましたが、カップを狭めることで明確にラインをイメージでき、タッチに集中できるのがいいですね。
グリーン上は考えることだらけ。ぼやけたイメージのまま打つと、なぜ外れたのか分からず混乱してしまう。まずはラインを明確にイメージすることが大事だと石川遼プロ。
そのために入り口を限定する練習は非常に効果的なのだと話す。
石川 5メートルが連続して入ったら、そのグリーンに合っているということです。優勝も期待できますね。(笑)
予想通り!? パット絶好調で2戦連勝(日本プロ、セガサミー)を果たした。恐るべし…
石川遼の集中3段階
「入り口を意識してラインを決定」
↓
「ラインが決まるとタッチに集中」
↓
「タッチが決まるとストロークに集中」
この練習のメリット1
入り口を意識することでラインを明確にイメージできる
単に入ったか入ったかではなく、カップインする入り口を意識することが重要。「それまでぼんやりしていたラインが見えてくるはずです」(石川)
この練習のメリット2
ラインのミスかストロークのミスか一目瞭然
ラインが明確にイメージできることで、距離感に問題があるのか、ストロークの調子が悪いのか、そもそもラインが合っていないのかなど、ミスの原因が見えるため失敗を引きずらずにすむ。
この練習のメリット3
ラインが決まるからタッチに集中できる
どこへ打ち出し、どこから曲がるかを明確にイメージできるので、その分タッチに集中できる。「パットが苦手なアマチュアの方でも、目標物がはっきりしているだけで距離感を合わせやすいと思います。効果は高いですよ」(石川)
1.5mの上りのパット
真ん中か、端から入るか
それだけでも大違い
上り真っすぐのショートパットでは入り口を限定するとしないとでは大違いだと石川プロ。
石川 僕らプロでも1.5メートルの距離が思ったところへ打てないことは結構あります。仮に端から入った場合、これが1メートル長いとしたら外れてしまうわけで、そういった意味で次に不安を残します。スタート前の練習でこの距離が思ったところへ打てているなと感じられると大きな自信につながりますよ
単に入ればいいだけでなく、入口を狭めることで、より正確なストロークやタッチが求められるようになる。
さらに効果はメンタルに及び、実はこれが大きい。調子のバロメーターを測り、グリーン上の不安を消した状態でスタートに臨むための大切な練習というわけだ。
低いサイドにフタをして
曲がりの頂点にしっかりヒット
最後に1.5メートルからカップの半分ほどを消す練習を教えてくれた。
石川 例えばフックラインなら、カップの左を消し、スライスなら右を消します。低いサイドにフタをすることで「ここから入れる」という意識を強く持って打てますよ
低いサイドからボールが進入すると、カップに蹴られたり、なめて外れてしまうケースが多い。カップを4割ほど消し、フックなら右、スライスなら左側から入れるイメージを持つことで、いわゆるアマラインへ外すミスが激減するという。
石川 苦手なラインを重点的にやると良いですよ。ポイントとしては曲がりの頂点に対し、真っすぐヘッドを出して直線的に狙うことです。最初は1メートル前後からでも良いので、ぜひやってみてください
月刊GD2019年11月号より
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