【傾斜を考える】上りのパットも注意が必要
GD 大きく切れるラインってとても難しいです。
米田 大きく切れるラインは、“守る”ことを第一に考える必要があります。われわれでも攻めの考えよりも『寄せて2パットでおさめたい』という気持ちで打っています。そのなかでも、下りのスライスと上りのフックにはとくに注意が必要です。
【難易度★★★】下りのスライス…ボールをなでやすい
「苦手な人の多くが、打つときに怖がってなでるようにヒットしてます。すると、スライス回転がかかるので、自分が思っている以上に右に転がってしまいます」(米田)
【難易度★★★】上りのフック…引っかけやすい
「パッティングは弧を描く軌道になるので、フェースが閉じて左に打ち出しやすいんです。上りで打ちたくなる場面では、その動きが強くなるのでより注意が必要です」
下りのフックと上りのスライスは比較的やさしい
もちろんどのラインも難しい。だが、パッティングの性質上、下りはなでて打ちやすいので多少のスライス回転がかかってもフックラインでは大幅に右に転がることはあまりない。上りは引っかけやすいので、フックラインに比べると、スライスラインは比較的ミスの幅が狭くなる。「ミスの幅」で考えた場合、下りのスライスと上りのフックに注意が必要となる
GD なぜですか?
米田 下りのパットは無意識のうちにゆるんだりするので、ボールをなでる打ち方になることが多い。すると、フェースが開きスライス回転になるので、いつもより右に転がり、大幅に右にそれるミスになります。
GD 下りはわかりますが、上りのフックはなぜでしょうか。
米田 パッティングは弧を描く軌道になりやすいので、もともと左に引っかけやすいんです。上りのラインだと、力が入るので、よりその動きが強くなり、さらに左に曲がるミスになりかねません。今回は、とくに注意が必要な「下りのスライス」と「上りのフック」をじっくり解説していきますね。
攻めると「返しのパットも危険になる」
寄せるイメージで手前に止める気持ちで打つ。これが“守り”のパット。“攻め”のパットとは、ラインを浅く読み強気に入れにいくこと。すると、カップを大オーバーして難しい横のラインが残りやすい。
大事なのは守りの気持ち
5メートルで50センチ以上切れるラインであれば、“寄せる”に気持ちをシフトしたい。プロでも入れようと思わないので、アマチュアは入ったらラッキーと思う気持ちもなくすべき。少しでもその気持ちがあると、攻めのパットになりミスをまねく。
【狙い方】ショートでいいから“厚め・弱め”で読む
米田 大きく曲がりそうなとき、まず何を考えていますか?
GD まずは、どれくらい切れるか、ラインを考えます。
米田 実は、それがいけないんです。もちろんラインを確認することは大切ですが、まずタッチを合わせることを考えてください。
米田 カップに止める強さから考えると、自然と切れ幅は大きくなり、厚く読めるんです。これが“守り”のパットをするためのラインどり。苦手な人の多くは、切れるラインだとしても読みが薄くなり、そこから強く打つことでカップに届かせようとするので、大オーバーするんです。
【ポイント①】自分の読みより倍厚く狙う
切れるラインが苦手な人は、厚く読めてないことが多い。そのため、薄め強めになる。結果、大オーバーのミスをまねく。自分が読んだ幅の倍を目標にするくらいでちょうどいい。
【ポイント②】目標とボールを結んで考える
目標とボールを結ぶと出球を意識できるので「この打ち出しでは読みが足りない」と気づきやすい。カップに意識がいくと、読みが薄くなり入れることを考えやすい。
【構え方】下りスライスは転がらない構えにする
GD タッチは弱め、ラインは厚めに読むことが“守りのラインどり”だと教えてもらっいました。では、“厚め”“弱め”に打つには、どうすればいいのか。まずは、一番難しい下りのスライスラインから教えてください。
足を開き重心を低くする
米田 グリップを短く持ち、足を開いて重心を下げることでボールとの距離が近くなり、ボールが飛ばないアドレスになります。下半身が安定するので、ミスヒットも減りますよ。
PHOTO/Hiroyuki Arihara,Tsukasa Kobayashi
週刊GD2019年11月5日号より
大きく切れるライン「打ち方編」に続く
ゴルフ旅行の一覧はこちら↓
特選レッスン集「こんどこの技」↓
短期で上達、GDツアーセンターのゴルフ合宿はこちら↓