【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回の話し
Q、ヒールを浮かして打つのに最適なクラブチューンは?
芝の薄いライから寄せるのに、ウェッジのヒ—ルを浮かせてパタ—のように打つ、というレッスンを読んだんですが、実際に試すと全然上手くいきません。クラブチューンで直りませんか? (41歳・HC15・会社員)
A、“当たり負け”を考えてみる
「冬のコースは地面がカチカチで芝もペタペタ。さらに霜がとけるとグズグズになるから、アプローチが難しいですよね。で、レッスン書に、ウェッジのヒールを浮かせてパターみたいに打つとザック
リしない、と書いてあったんで試してみたんですけど、全然上手くいかないんです」
常連さんの息子で、親子で打ち初めラウンドしたらしい。
「父はアプローチが得意で、その“ヒール浮かし”も上手にこなすんです。で、お前のはクラブが悪いんじゃないか、オヤジさんに診てもらえ、て言われて……」
ウェッジに限らず、アイアンでもヒールを浮かせるアプローチはプロが勧める安全策。ソールの接
地面積が少なくなるから、理にかなってるんだが、注意点もある。
「ひとつはフェースの向き。ヒールを浮かすとライ角のぶん、フェースが右を向く。そのぶん、フェ
ースを左に向けないとダメ」
「それ、レッスンにありました」
「もうひとつは、芯から外れたトウ寄りで打つこと。当然、当たり負けを想定して、そのぶん加減なり調整なり、しなきゃいけない」
「あ……それでポッコンみたいな弱い当たりでショートしたのか」
「パットのヒール打ちみたいなモンで、あえて出球を弱くできるメリットもあるんだが、それが“計
算外”だと寄せようもないよな。だから“当たり負け”の仕方や度合いをチューンするといいんだ」
セミグース仕様が合っている
「当たり負けを抑えるなら、鉛を貼るとかですか?」
「そのテもあるよ。その場合はトウ下じゃなくて、トウ上だけど」
「エッ? 打点のすぐ後ろじゃないんですか?」
奴さん、オイラとよくチューン談議しているせいか、この辺の理屈は結構わかってる。
「ウェッジは元々ヘッド重量があるから、当たり負けているといってもフェース面がブレてるだけ。だから打点の後ろより、そのブレを抑えるポイントに鉛を貼るといいんだよ」
トウ上なら“ヒール浮かし”でも、通常の打ち方でもフェース面のブレを抑える効果が高い。鉛の重さは1グラム前後で十分。
「フォーティーンの逆テーパーのブレードとか、結構いいんだよ。特に『Jスペック』のシリーズは、セミグース仕様だから、さらにやさしいんだ」
ヒール浮かしでヒールを吊り上げてフェースを適度に左向きに修正する点で、セミグースのほうがオートマチックにアドレスが決まりやすい。
「それに、パターのように振るときに、フェースがターンしにくく、ブレにくくなるメリットがある。ストレートネックがT字型パターなら、セミグースはクランクネックのピン型を振るような動きの安定感が出るんだ」
「てことは、そのセミグースのウェッジを買ったほうがいいんでしょうか」
「まあ、そうだけど“ヒール浮かし”のためだけにウェッジ、買い換える必要はないよ。まずは鉛を貼ってみる。他にも、PWで試す手もあるよ」
PWはアイアンセットの顔なので、リーディングエッジが出すぎることもなく、少し左に向けるとセミグースのウェッジと同様の動かしやすさが出てくる。
「ロフトも多すぎないからコロガシにはベター。ただ、バンカー越えとか、やわらかい球でポーンと運びたいなら、SWのチューンがオススメだけどね」
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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