2019年のトーナメントで、何人かの女子プロがドライバーで可変ウェートの重りを外し、重量調整して飛ばしているという噂が上がったことがあった。この「重り外し」の恩恵はアマチュアにもあるのか、飛距離を追い求める3人が試打テストを行った。

「オモリ外し」は大切なコンペ前の魔法のチューニング?

画像: 可変調整ウェートの「オモリ外し」は魔法のチューニングとなるか…

可変調整ウェートの「オモリ外し」は魔法のチューニングとなるか…

試打したのは、この3人

画像: フィッティングスタジオ「PGST」店長 ノリー堀口さん HS47m/s 持ち球はドロー

フィッティングスタジオ「PGST」店長
ノリー堀口さん
HS47m/s 持ち球はドロー

画像: お好み焼き「てまり」店長 深井希彦さん HS43m/s HC20 持ち球はフェード

お好み焼き「てまり」店長
深井希彦さん
HS43m/s HC20 持ち球はフェード

画像: BAR「sine」店長 大平輝生さん HS45m/s HC13 持ち球はフェード

BAR「sine」店長
大平輝生さん
HS45m/s HC13 持ち球はフェード

重りを外すだけで。1日限定の飛ばし屋に!?

可変調整ウェートのついたドライバー6モデルを、ノーマルの状態(重りの付いた状態)と、オモリを取り外した状態で試打比較。

さらに、重りを外したドライバーはノリー堀口氏が鉛を貼ってチューニングした状態でもテスト。それぞれの試打者がもっとも飛ばせる仕様を探った。

試打ドライバーの重量&バランス確認
オモリを外すと、どう変わる?

画像: 試打ドライバーの重量&バランス確認 オモリを外すと、どう変わる?

オモリを外した6モデルを試打開始!

画像: オモリを外した6モデルを試打開始!

その結果、M5のオモリ(20グラム)を外し、ソール後方に6グラムの鉛をつけた大平さんが、ノーマルの状態からプラス12ヤードと最も飛距離アップを果たす結果に。

ノリー オモリを外すことで、ヘッドの重さを感じなくなり、ヘッド速度がグンと上がり、ソール後方に鉛を貼ることでつかまって飛距離が伸びたんです。このチューニングを使えば1日間は飛ばし屋に変身できます。

なぜ1日間?

ノリー 重さに慣れてしまうので効果は一時的です。ここぞ!の時以外はもとに戻しましょう。

時松隆光プロのテンフィンガーを学んでミート率アップ↓

それぞれの一番飛んだチューニング方法を公開

お好み焼き屋・深井さんが一番飛んだのは
G410 LSTのオモリ外し

画像: トップでタメが少なく、上半身と下半身が一緒に動いていた。そのためフェースが開いてインパクトを迎え距離が出ていなかったが…

トップでタメが少なく、上半身と下半身が一緒に動いていた。そのためフェースが開いてインパクトを迎え距離が出ていなかったが…

G410 LST(通常時)→オモリ外し時

HS:43.1m/s → 44.1m/s
初速:65.3m/s → 66.9m/s
スピン量:3639rpm → 3240rpm
打ち出し角:12.3度 → 10.3度
キャリー:240ヤード → 245ヤード
総飛距離:251ヤード → 258ヤード

3グラムの鉛をつけてプラス9ヤード

画像: ソール後方に3グラムの鉛を貼ってさらにチューニング

ソール後方に3グラムの鉛を貼ってさらにチューニング

ソールヒール後方に鉛を貼ることでよりつかまり、理想的な高さが出た。(倍の6gの鉛だとつかまりすぎる結果に)

バーテン大平さんが一番とんだのは
M5のオモリ外し

画像: トップがオーバースウィング気味でインパクトがヘッドが遅れてきてスライス傾向が強かったが…

トップがオーバースウィング気味でインパクトがヘッドが遅れてきてスライス傾向が強かったが…

M5(通常時)→オモリ外し時

HS:44.2m/s → 45.7m/s
初速:66.1m/s → 66.9m/s
スピン量:3520rpm → 3298rpm
打ち出し角:12.8度 → 11.1度
キャリー:244ヤード → 247ヤード
総飛距離:260ヤード → 269ヤード

さらに6グラムの鉛でプラス12ヤード達成

画像: M5(通常時)→オモリ外し時

球が低かった分、ソールヒール後方に鉛を貼り重心を深くチューニング。スライス系から理想的なドローになった。

%%フィッターのノリー氏が一番飛んだのは%%oragne
「G410 LST」のオモリ外し

画像: ねん転で作ったタメを解放することで、ヘッド速度が上がり、インパクト後の速度が落ちない今どきのスウィング

ねん転で作ったタメを解放することで、ヘッド速度が上がり、インパクト後の速度が落ちない今どきのスウィング

G410 LST(通常時)→オモリ外し時

HS:46.2m/s → 48m/s
初速:69.6m/s → 71.5m/s
スピン量:2404rpm → 2281rpm
打ち出し角:12.2度 → 10.9度
キャリー:270ヤード → 272ヤード
総飛距離:283ヤード → 293ヤード

ノリーさんに限っては、鉛貼りは逆効果という結果に。鉛を前方と後方に貼ったが、前方では打ち出しが低すぎ、後方はつかまり過ぎてしまった。

オモリを外すと、初速も上がり、打ち出しが低くなったため、強弾道で飛ばせた。

なんでオモリ外しは飛ぶの?

あくまで一時的にではあるが、重りを外すことでヘッドが軽くなり、ヘッド速度がグンと上がることが理由のひとつ。

ほかには、重量が軽くなることで、トップでクラブが垂れにくくなり、コンパクトなトップがつくりやすくなる。

ヘッドが軽くなった分、シャフトのしなりが抑えられて、シャフトが硬く感じ、振りに行けるようになる。

ヘッドの深重心効果がなくなることで、打ち出しが低くなり初速がUPするなどのメリットが考えられる。

ただし、軽く感じるのは一時的なものなので、ラウンド後は元に戻すべき。軽い状態のクラブを振っていると慣れが出てきてしまい効果が薄れてしまう。

月刊GD2020年1月号より

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画像: golfdigest-play.jp
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