ハンドダウン、ハンドダウン
どんなメリット、デメリット
GD 渋野日向子プロを見て、ハンドダウンに挑戦してみようと思うんですが……。
目澤 真似をするのはいいこと。ですが、まずは正しい姿勢を作ることが大事です。
目澤 ポイントとして首、背筋、ひざ、この3点に気をつけましょう。ひとつめの首ですが、首がつまるのはNG。肩が上がって力んでいる証拠です。次に背筋は、背中にシャフトを背骨に沿って当ててみます。背中の上部がシャウトから離れていなければOK。最後にひざの曲げ方。前傾角度を作ってからひざを曲げることをおすすめします。
GD それを踏まえた上でハンドダウン、ハンドアップ、それぞれの注意点はありますか?
目澤 ハンドダウンは、前傾が深くなるぶん、体重がつま先側にかかりやすくなるので、重心は足裏の真ん中を意識します。ハンドアップは、肩が上がりやすくなるので、グリップを短く握って自然と手元が高くなる形を作ります。詳しく解説していきましょう。
まずは正しい姿勢で立てるように
ポイント① 首をつまらせない
首元に力が入り、肩が上がるのはNG。正面から見て、首元がしっかり見えて力が抜けている状態がいい。
ポイント② 背筋は真っすぐ
腰の反りすぎや猫背になるとスウィングが崩れやすいので、背筋は真っすぐを意識する。背中にシャフトを当てると確認できる。
ポイント③ ひざを曲げすぎない
ひざは前傾角度を作ってから曲げる。股関節の曲げ度合いで前傾角度の深さが決まるという。
基本のアドレスができたうえでそれぞれの注意点!
ハンドダウン
重心が足裏の真ん中になるように
前傾角度を深くすると、自然なハンドダウンで構えられる。ひざを必要以上に曲げたり、体重をつま先にかけてハンドダウンにするのはNG。重心の位置が足裏の真ん中になるように構えることで、姿勢が前のめりにならない。
【ハンドダウン1】 前傾角度を深く
【ハンドダウン2】 重心は足裏の真ん中
ハンドアップ
グリップ短く、肩を下げ気味に
ハンドアップに構えるには、グリップを指2本ぶん程度短く握る。すると、自然に体とボールとの距離が近くなり手元が高くなる。その際、首元がつまりやすいので力を入れず、スッとアドレスすることを心がけよう。
【ハンドアップ1】 グリップは短く握る
【ハンドアップ2】 ボールとの距離が近くなる
「ライ角通りの構えが基本のアドレスです!」
目澤 ライ角通り構えられている人は意外と少ない。まず、ライ角通り構えられてから、ハンドダウンをするかハンドアップを試すか、考えるのが大事。正しいライ角の目安はアイアインのトウにコイン2枚ぶんです!
ハンドダウンのメリット
つかまった球が打ちやすい
GD ハンドダウンには、どのような特徴があるのか教えてください。
目澤 ハンドダウンの最大の特徴は、つかまった球が打ちやすいということです。
GD それは我々からしたら、うれしい特徴ですね!
目澤 ハンドダウンでアドレスすると、手首に角度がついた状態になります。そのため、ハンドアップに比べて手首が自由に動くのでフェースが返りやすくなります。さらに、アドレスの時点でトウが浮くので、フェースが左を向きます。これも球がつかまりやすくなる要因のひとつです。さらに、スウィング中に自然なフェースターンが生まれるため、無理にフェースを返す必要はありません。
GD なるほど。では、ハンドダウンでスウィングするときの注意点はありますか?
目澤 アドレスの時点でフェースの向きをしっかり確認しておくこと。さきほども言ったとおり、ハンドダウンで構えるとフェースは左を向くので、左に振ったり、自らフェースを閉じると引っかけやすくなります。アドレスでのフェースの向きにシビアになるべきですね。
ハンドダウンといえば渋野日向子プロ
3つの特徴を解説
【特徴①】手元と体の距離が近い
ハンドダウンで構えると、手首に角度がつくので、手元と体の距離が近い状態でテークバックできるようになる。
【特徴②】 軌道はフラットで横振りになりやすい
手元を低く構えているぶん、軌道がフラットになり横振りのイメージになりやすい。フェースの自然な開閉が行われ、球がつかまりやすい。
【特徴③】 ボールを上から叩ける
軌道はフラットだが、手首の角度がついているため、クラブは上から入りやすい。ダウンからインパクトにかけて手首の角度が適度にほどけ強く叩ける。
ハンドアップのメリット
ラインの出た直線的な球が出やすい
GD ではハンドアップには、どのような特徴がありますか。
目澤 クラブが直線的に動きやすくなります。要は、スウィングプレーンがブレにくく、ライン出しなどの直線的な球を打ちたいときに有効です。
GD 球が曲がりにくいということですね。
目澤 ハンドダウンに比べてフェースの開閉が少なくなり、インパクトでボールをスクェアにとらえやすいんです。さらに、手元が高く、手首の角度がほとんどついていない状態なので、ヘッドと手元がいつも同じ距離感で動くイメージがわきやすく、軌道も安定しやすい。インパクトでもともといた場所(アドレス)に戻りやすいので方向性が安定するんです。
GD たしかにライン出しをするときにハンドダウンにする感覚はありませんね。
目澤 スウィング中はノーコックの意識で振るのがおすすめ。スウィングの再現性がより高くなります。
【特徴①】 フェース開閉が少ない
腕とクラブが真っすぐな状態で動きやすいので、フェース面の開閉が少なくなる。余計な動きをしないため、フェース面の向きが変わりづらい。
【特徴②】 軌道が安定する
アップライトな軌道で直線的に動くので、手元とヘッドがいつも同じ距離感で動きやすい。そのため、軌道のブレが少なくなりプレーンがそろいやすい。
ハンドアップはライン出しのときに使うのが効果的
メリットを知っておけば
プレー中に応用できる
ハンドダウンはバンカーショット
ハンドアップはアプローチ
目澤 ハンドダウン、ハンドアップ、自分に合うほうを選択してもらえばいいと思います。でも実は、バンカーではハンドダウン、短いアプローチではハンドアップと、どちらかが適しているという状況はコースでは多く存在します。そんなとき、今回紹介したそれぞれの特徴を理解しておけば、イメージがわきやすくなって、きっとスウィングも上手くいくはずです。どちらを行うにしても‟知っている”ということがコースでは役に立つんですよ。
上から砂を叩くバンカーショットでは、手元を低くしてハンドダウンに構えると行いやすい。バンカーショットは、軌道や入射角などがハンドダウンの特徴に当たっていると目澤プロ。
短い距離のアプローチをする際、手元を高くハンドアップのほうが、再現性が高まる。
PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa
週刊GD2020年2月25日号より
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