【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話し
Q、ウェッジの替え時を教えて!
プロはウェッジの溝がすり減ってくると、すぐに新品に替えるそうですが、ラウンドが月イチベースのゴルファーなら、どのくらい傷んだら変えた方がいいのですか? 目安を教えてください。(39歳・HC12・会社員)
足を便うほうが
寄せはやさしい
「オヤジさん、ウェッジの買い替え時って、溝のダレ具合とか、ソールの傷み具合で決めればいいん
ですかね? で、どれぐらいでダメになったって判断すればいいんですかね?」
この常連さん、週末は練習場に通い、ラウンドは月イチ。これでハンデイ12を維持してるんだから、サラリーマンゴルファーとしてはリッパだと思うよ。
「ウェッジ、ねえ……。そんなに傷んでなくても、買い替えたいんだろ。毎年、替える必要はないけ
どね、年12ラウンドくらいで」
「でも、まあ新しいウェッジのほうがよく止まるから、いいかなぁ、と。それに、最近のウェッジはさらにスピンが利く、とか宜伝してるし……」
「別にスピンが利くから、寄せやすい、てこともないけどな。ウェッジのアプローチは、ファースト
バウンドの跳ね具合とそこからの“足”の長さが安定してるのが、一番やさしいんだよ」
「え? ピタッと止まればピンをデッドに狙えますよね? プロもそれで選んでいるんですよね、止まるウェッジ」
プロツアーのグリーンは硬く締まっていて、転がりも高速。止まりにくいから、止める要素を強める必要がある。
「でもアマチュアが回る普通のコースセッティングなら、溝のダレたウェッジでも止まるよな。それ
でショートして寄らない。もっとランを生かせるウェッジのほうが、寄るようになると思うんだよ」
バウンスの工夫で
ポーンと打ち出す
止める要素を強めたいプロのために、やれ角溝だ、大ロフトだローバウンスだと大騒ぎして各メーカーが開発してきた流れを長年見てきたけど、オイラはあんまり興味なかったんだ。
「8番とかPWのコロガシとは違うんだけどさ、SWでもトン、ツツーとランが数㍎、出てほしいんだ。5㍎から10㍎前後かな、加減して打てるといい。それにはスピンはそこそこで、出球の速度を落とせるのがいいと思うんだ」
月イチゴルファーのアプローチなんて1ピン以内に寄れば御の字のはず。その際のキャリーとランをアバウトにできるのが、確実にランが5㍎以上出ることなんだ。
「ナゼですか?」
「ピンより10㍎弱、手前に落とすのは狙うのもカンタン。で、その前後に落とし所がブレても、止まりすぎないように打った球ならランが適当に増減して、1ピンぐらいには寄るのさ」
「となると……溝の傷んだウェッジを使い続けたほうがいい?」
「そう。それよりバウンスとかをいじって、打ち出しをポーンとやわらかく出せるようにしたほうがいいよ」
加減して打つウェッジとパターは、コロコロ替えずに、手に馴染ませるほうがいいしな。
「出球をやわらかく、て、どうすればできるんですか?」
「それは企業秘密……てのは冗談だけど、具体的にソールをどういじるかは、説明が難しいんだな。大雑把にいうと、パウンスが跳ねすぎないようにするんだ。といっても、バウンス角を減らす、ていうわけでもないんだよ」
開いて構えたフェースを、起こしながら打つのが、ダルマ落としにならずに球を前にやわらかく運べるヘッドの動き。それを自然に促すのが、それぞれのプレーヤーの構え方、打ち方に合ったソール形状なんだ。
「その意味でも、打ち方のクセが見える使い古しのウェッジのほうがいいんだよ。どこをどう削ればいいか一目でわかるからね」
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)
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