「“××しないように”とか”××しよう”と思っているから失敗する」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第四十八話。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

前回のお話し

ぜ~んぶが
緩むといい

奥田 ゴルフは全員が理屈を持っているからタチが悪い。

高松  うん。しかも、しょうもない理屈にすがってゴルフしとるのに、それが正解やと全員が思うとるからな。

奥田 そのくせ新しい理屈を発見したら、「前の理屈は一体なんやったんや?」いうて、それすらわからなくなる程度の理屈。

高松  その理屈のほとんどは、「××をしたからあかん」いうやつやろ。頭が動いたらあかんとか、それが次の段階になると、「なんかええことしよう」になる。

奥田 体重移動しようとか、ダウンブローに打とうとかですね。そんなんで上手いこと行くわけがない。

高松  「何かをしたあかん」とか「何かをせないかん」でゴルフしても無意味やね。一番ええのは何もせんこと。

奥田 何にもしないのがうちの流儀ですからね。ただ、一般の人にはこれが一番難しいらしい。なんせ「何もしないためにどうすればええんですか?」と聞かれても、答えようがない。

高松  何もせんのやから、何も考えるなっちゅうことくらいしか言えんな。

奥田 でも、何もしないでスウィングできたら、頭の中も緩むし、体もグリップも緩む。そして、緩んでいる限りは、クラブは軌道から外れようがない。ボールなんか見てなくてもちゃんと当たるし、オンプレーンのトップだってできる。

画像: 何もしなければクラブは軌道から外れようがない。だからボールをみなくてもアプローチできるのだ

何もしなければクラブは軌道から外れようがない。だからボールをみなくてもアプローチできるのだ

高松  「もう嫌やわ。頼むから外れてくれ」と思うても外れんね(笑)。最近はゴルフも完全に科学の世界に入って来とるから、この話を非科学的で信じられんいう人折るやろ。でもさらに、科学に対抗する話をすれば、緩んだままテークバックできたら、フェースをどこ向けて構えとったって球は曲がらへん。科学では大間違いとされてるトップができても、構えたままのフェースの向きになっとったらどうっちゅことないのよ。

奥田 緩んでいれば1回(一つの動き)でテークバックできますからね。

高松  1回でテークバックできれば1回でダウンスウィングもできる。そしたらしっかり振れるし、振れたらフェースの向きにかかわらず球は曲がらん。逆に2回で上げたら、2回で下ろさなあかん。はめるという動作が必要になるから。そしたら、科学で言う正しいトップができても球は曲がる。いくら正しいトップでも作り物やから。

奥田 1回と2回の違いを説明すれば、目で見て明らかに2段モーションで上がるのは当然として、途中でちょっとでも力の変化があったり、クラブの動きによどみが出たらそれはもう2回とか3回で上げているということ。1回で上げると、感覚的やけど“スッ”とよどみなくクラブが上がって、“ピタッ”とトップが収まる。どこにも力が入ってないですしね。

月刊GDより

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