【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話し
体を固まらせる
パッティングはダメ
篠塚 30年間研究してきた成果を、連載でご紹介できたことはとても嬉しく思っています。ただ、古い常識の不自然で難しい理論にとらわれて上達できずに悩んでいるゴルファーが、まだまだたくさんいますよね。ゴルフ歴が長い人ほど、なかなか「桜美式」の新常識を採り入れようとせず、壁を越えられずにいる。これからはぜひ、スウィングを変えるのではなく、よりシンプルに進化させると思っていただきたい。向上心を忘れたとき、人生の後退が始まり老います。ゴルフはそんな自分を常に励ましてくれる素晴らしいスポーツですから!
GD 先生のゴルフ愛が爆発です(笑)。さて、昨日に続きパッティングのお話を。
篠塚 これまでパッティングというと、とにかく体を「固まらせる」構えばかりをさせられてきました。たとえば、スタンスを広めにし、打つときに下半身が動いてしまわないようにどっしり構える。また、両肩を結んだ一辺と、両腕を伸ばした二辺とで形成する「三角形」を崩すことなく、ブレないように両わきをしっかり締めて振り子のように打つ。どちらも、体を「固まらせる」パッティングですよね。
GD 体を「固まらせる」パッティング、いけないのでしょうか?
篠塚 まず、体を「固まらせる」ことで、人間が生まれながらに持っている感性という能力が殺されてしまうことを知ってほしい。感性とは、外からの情報を直観的に感じ、受けとめる能力。それを発揮するときには、人間の体は自然体でいなければならない。ゴミ箱に向かってゴミを投げ入れようとするとき、ワイドスタンスも、両腕を伸ばして「三角形」を作って振り子のように投げることもしないはず。私から見ると、そうした体を「固まらせる」パッティングはとても不自然で、まるで機械の真似をして打たされているように見える。
GD 機械の真似、ですか。
篠塚 いくら機械のようになりたいと願っても、人間にはパットを入れたい、という欲望もあれば、入れなければ、という緊張もある。体が硬直しがちなのがパッティングなのに、アドレスからなおさら体を「固まらせる」ことで、感性を完全に殺してしまっている。機械のように動けば再現性が高まると思うのは大間違い。人間はまず、関節を伸ばしてしまわず、いかようにも動いて感性に対応できるように、自然体で柔軟に構えることが何よりも大切です。
関節を柔軟に使う
GD 脚も腕も、関節を伸ばさない構えがいいと?
篠塚 最近、松山英樹プロのパッティングが好調です。以前はワイドスタンスで、いかにも機械的で苦しげな立ち方だった。最近は立ち幅も狭めで下半身に余裕があり、とても自然な動きで楽に動いてい感じが見ている側に伝わってくるし、力みがないからイメージどおりに球を転がせる。古い常識は、関節を動かさないことに焦点を当てていた。「桜美式」は、関節を自在に動かすこと、関節で誤差を吸収することを大切にする。まったく逆です。
GD 関節で誤差を吸収する?
篠塚 氷の上で立っているとき、関節をすべて伸ばして動かないようにしようと固まれば、すぐに転倒してしまうでしょう。さまざまなアンジュレーションがあるグリーン上で、感性を生かして球を転がすには、足首、ひざ、股関節を固めてしまわず、各関節に余裕を持たせ、微妙な誤差を感じてそれを吸収し、柔軟なパッティングができる姿勢を作ること。そしてひじも、伸ばして「三角形」を作るのではなく、適度に曲げた「五角形」がいい。「五角形」にすることで、肩、ひじ、そして手首までが曲がり、目から得た情報を脳が処理した微妙なタッチが、その関節を動かすことで生かせる。
GD 下半身も上半身も、固めずに柔軟に、ですね。
篠塚 両ひじに余裕を持たせて「五角形」を、というと、カタチだけそのようにして、両肩をすくめることで、やはりガチガチに固めて打つ人がいる。それだと、身も蓋もない(笑)。両腕でせっかく「五角形」を作っても、両ひじと手首で、「とても小さな三角形」を作って打つようなもの。もちろん、感性は生かせない。生き物にはなぜ関節があるのか。それは、固めて感性を殺すためではなく、柔軟にして感性を生かすため。これからは不自然なガチガチの機械的パッティングではなく、自然体で柔軟なパッティングでベストスコアを狙いましょう。
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