【解説】横田真一
大学ゴルフ部時代当時スターだった尾崎将司に憧れる。プロ転向後は共に練習し、 多くの時間を共に過ごした
1ヤードでも遠くへ。正にその追求の歴史
今回、ボクが尊敬してやまない ジャンボさんのプロデビュー当時と1996年のスウィング写真を見て、改めてその凄さを実感しました。
「ボールを遠くに飛ばせるスウィングが、最強のスウィングなんだ」
ジャンボさんのスウィングは、 まさにこの言葉に集約されています。
クラブとボールの飛躍的な進 化、そして年齢とともに変化して いく自身の体と真摯に向き合いな がら、いまもなお1ヤードでも遠くへ飛ばすスウィングを追求し続けているのです。
ジャンボさんのスウィングには、 ボールを遠くへ飛ばすためのエッセンスが詰まっています。そしてそれは時代が変わっても、けっして色褪せることはありません。
後世に残したい2つのスウィング
荒削りの69年
全盛期の96年
1969年のスウィング(22歳)
左足つま先に踏み込み 左足で地面を蹴る
ジャンボさんは70年のプロ入りなので、上の連続写真はその直前のスウィングになりますね。
超ワ イドなスタンスで、テークバックからクラブがトップに上がる直前まで、左足がアドレスの位置からまったく動いていません。
ここまで深く体をねじれるのは、22歳という若さと、野球で培った強靭な肉体のなせる業でしょう。
特筆すべきは、切り返しからダウンスウィング、そしてインパクトにおける、左への強烈な踏み込 みと左足の蹴りです。
写真をよく見ると、切り返しからダウンで左に踏み込んだとき、左かかとが少し浮いています。切り返しで左つま先側に踏み込むのは、パワーヒッター特有の動き。そこから左足で地面を強く蹴り、フォローでは左ひざがピンと伸びていきます。
GGスウィングなど、いま世界で主流の最新理論スウィングに近く、このときのジャンボさんに、 現代のドライバーとボールで打ってほしいぐらいです。おそらく、HSが60m/s近く出て、350ヤード以上は飛ぶでしょう。そのぐらいの迫力と躍動感があります。
そこから27年後の96年は、ジャンボさんが自己最多の年間8勝を挙げた年で、まさに黄金期のスウ ィングです。
1996年のスウィング(49歳)
50歳を目前にして、加齢とともに不足しがちなねん転を補うため、スタンスが狭くなり、右足のつま先を開いた逆ハの字のアドレスになっています。
右つま先を開くことで、バックスウィングで体を右に回しやすくなります。
切り返しからダウンスウィングの、左への踏み込みと左足の蹴りは健在ですが、右から左への体重移動はやや抑えられています。
69年のスウィングが体重移動と地面反力なら、 96年のスウィングは体の回転と地面反力で飛ばしていて明らかな変化が表れています。
週刊ゴルフダイジェスト2020年7月28日号より
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