デビュー直後にいきなり連勝、圧倒的な強さを誇る笹生優花。まだ19歳、あどけなさの残る顔からは想像もできないほどの強い球を打つ。そのスウィングの秘密はなんとマキロイにあった。いったいどういうこと?
かれこれ5年以上の
マキロイウォッチャー
14、15歳のころですかね、そのころ調子が悪くて、インターネットで海外の選手のプレーを見るようになって、そこでマキロイにハマりました。
もうぜんぶがカッコよく見えて(笑)、彼のスウィング動画とかインタビュー受けている動画とか練習している動画とか、暇さえあれば見るようになりました。
彼のスウィング動画は携帯に保存しておいて飽きるまで見ます。飽きたら消して、また新しいのを見つけて保存しての繰り返しです。
そこからですよね、もうマキロイの動きをぜんぶ真似したくて。アドレス、グリップ、トップの位置、「マキロイがこんな感じだからこれでいいかな」という具合に、スウィングを作ってきました。
彼のスウィングの体全体で球を打っている感じが好きで、私も子供のときから手打ちでなく体全体で打つのが得意だったので、スウィングイメージがハマりました。
特に何度も見返して意識して作ったのが、バックスウィングの動き出しです。マキロイは両腕がクッと上がるんですけど、左腕のあのピンと張った上げ方はよく練習しました。
【真似ポイント】「動き出しの腕の上がる感じ意識しています」
あとトップの位置もそうで、私はクラブがどうしてもフラットに上がっちゃうんですが、マキロイもフラットになりやすいというコメントを聞いて、「一緒一緒!」って思いました。ですから後方からのスウィング動画を見て、彼のトップの位置を参考にしています。
【真似ポイント】「トップのクラブ位置がフラットにならないよう注意しています」
同じように振っているつもりでも、やっぱり彼のほうが軸がしっかりしていて……、私はまだ軸がズレちゃいます。特にフィニッシュでブレやすい。そこが今後の課題ですね。
ヘッドスピードが
上がるように力む
飛ぶようになったのは、マキロイのリズムとか沈み込んで上がるタイミングの取り方を研究して、自分なりのヘッドスピードを上げる感覚を見つけたのが大きいです。
PGAツアーの選手はみんな飛ばすコツを持っていますよね。マキロイも身長は高くないのに飛ばせるし、キャメロン・チャンプだって筋肉ついてないのに飛ぶ。ジャスティン・トーマスの足の使い方も凄いですよね。
「飛ばすときほど“力まない”よう注意してます」(笹生)
いちばん大事なのは、彼らのようにスピードを出せる感覚をつかむということだと思っています。それは誰しもが持っていて、素振りでビュンと振ってみたときの感覚に近い。その感覚をボールを打つときに出せたら、ヘッドスピードが出て、飛距離は伸びてくると思っています。
そのためには“力まないこと”が最優先。飛ばしたいから力むのだと思いますが、力むと必ずヘッドスピードは落ちる。本来はスウィングしているときにヘッドスピードが上がるように力まなければいけない。
下の力を使おうともしていますが、伸び上がりすぎるのもよくないので、ボールを打つときにはできるだけ何も考えずに振っています。試合前などは特に気持ちよくバーンと振ることしか考えていませんよ。
PHOTO/ JGMA(笹生)、Tadashi Anezak(マキロイ)
週刊GD9月22日号より
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