【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
前回のお話
Q、チューンの仕方が悪い
せっかくクラブをフルセットでチュ—ンしたのに、スコアがイマイチ。4ラウンドこなしているから、慣れの問題じゃないと思う。チューンの仕方が悪いんじゃないかな。もう一度、見直してよ。 (64歳・HC6・自営業)
チューンのせいで
スコアが悪化?
なんか、久々にチューンでクレームをもらったよ。
「梅雨時にドライバーからウェッジまでオタクでチューンしてもらったのに、スコアがイマイチなん
だよ。どこか、調整し損なったんじゃないの?」
ウチの常連さんで、下町で印刷所をやってるジジイ…イヤ、ベテランさんなんだけど、気が短くて口が悪い。
「毎年、ウチでチューンしてるんだから、間違いはねぇよ。アンタのクセは全部把握してるからさ」
「だから、手ぇ抜いたんじゃねえのかって言ってるんだ。昨年までは、チューンしたら夏場には必ず70台が出てたのに、今年は90近く叩いてばかりだ。オカシイだろ」
ヘンにゴルフの上手いヤツってのは、時々とんでもなく失礼になるよな(笑)。
「手なんか抜くわけねぇだろ!」
「じゃ、オレが歳食って、ヘタになったって言うのかよ!」
ウーン、これじゃラチが明かない。で、最近のプレーぶりを聞いてみたんだ。
「ドライバーは飛ぶよ。セカンドもそこそこなんだが、アプローチが寄らないんだな……。でも、ウ
ェッジが悪い感じはしないんだ。なんとなく寄せづらい場面が多いというか……うーん」
クラブの手ごたえや振り心地はいいのに、結果が出ない。そのイライラをぶつけにきた、てのが本音らしい。
「話を聞いて思ったんだが、最近、ボール替えなかったかい?」
「ああ、替えたよ」
ポールの変更は
プレーに大影響
原因が判明。ポール選びが悪かったのさ。元々、ウレタンカバーのアスリート向けボールを使い続けていたのに、最近流行りの軟らかくて飛ぶタイプのボールを試したらしいんだな。
「でも、同じウレタンカバーだし、アプローチとかパッティングはイイ感じだったんだけど……」
「問題はセカンドさ。ちょっとオーバーしたり、ショートしたりが多かったんじゃないかい? 得意
のレイアップも、思った所に止められなくて。それで、アプローチが難しくなったんだろ?」
奴さん、歳の割にはヘッドスピードも43m/sぐらい維持してるけど、研修会とかフルバックからプレーすると、セカンドで190㍎前後を打たされる機会が多い。それでいてHC6を維持できているのは、
寄せやすい場所に運ぶのが上手いから。
「飛距離性能を高めるボールってのは、スピン量を抑えるから、セカンドで持つ番手での打ち出し高
さやスピン量が適正になるかどうか、見極める必要があるんだ。」
飛び系ウレタンのボールは、ドライバーは低スピンで飛ぶし、アプローチはウレタンカバーでしっかりスピンがかかるんだけど、ちょうど180~190㍎打つ番手のヘッドスピードとロフトで、モデルによってスピン量の違いが大きく出る。アスリート向けモデルより軟らかくて潰れるぶん、スピン量のバラツキが出やすいって面もあるな。
「なるほど。じゃぁ、アスリート向けに戻せばいいのか」
「イヤ、飛び系ウレタンのボールはアンタのヘッドスピードなら飛距離性能は高いんだから、合うモ
デルをしっかりと探してみるのもいいんじゃないかな。クラブと合えば、バラつかずにコントロール
できると思うよ」
「どこで見極めればいい?」
「180㍎を打つ番手で実際に打ってみて、スピンがかかってランが10㍎以内に収まるもの。打感も
こだわったらいいかもね」
ボールに合わせるクラブチューン、てのはナシだな(笑)。
月刊GDより(2015)(イラスト/コーチはじめ)
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