「1種類の球だけで回るもんはここまで思わんと変われんよ」今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第六十一話。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

前回のお話し

フックかスライスだけで
ラウンドする

奥田 さっきもいいましたけど、ゴルフは一本調子でやっていたら絶対無理が出てきます。グリーンの速さとか風とかいろんな要素が関わってきますからね。

高松 端的に挙げるだけでも、高い、低い、フック、スライスの4つがいるやろ。その組み合わせもあるし、止まる球、転がる球に、フルショットも中間距離もある。もう挙げたらきりがないくらい実はスウィングの種類はある。

奥田 はい。ところがそういう多様性を持って、その場面ごとに対処が必要だということを思いもしないアマチュアの人がほんま多いです。

高松 そうやね。普通は1種類まともに打てたら大満足やろうし、その1種類を無理やりコースに当てはめて、それ一辺倒で回るのがほとんどや。

奥田 まあ、それはそれでいいんですけど、それやのに「もっと上手くなりたいんです」って平気でいうから訳が分からなくなる。そこに手を付けようとしないで、上手くなるってどういうことやろと、僕はいつも不思議で仕方がないんです。

高松 向かってる方向が違ってるのにな。そういうもんの意識が変わるとしたら、もうとにかく真っすぐ飛ばすことにある程度飽きてこんと無理やろ。

奥田 真っすぐに飽きろ、ですか。いやぁ、それは難しそうですね。

高松 そら難しいよ。でもそうじゃなければ、普段から曲げる練習しかせんとか、今日のラウンドは真っすぐを1発も打たんと決めるとか、そういう変化は永遠に現れんやろ。

画像: 球を曲げるには、その球を頭で思い描く。そしてそういう目つきで仕切りに入れば構えもスウィングも自然にそうなるもの

球を曲げるには、その球を頭で思い描く。そしてそういう目つきで仕切りに入れば構えもスウィングも自然にそうなるもの

奥田 全部フックかスライスだけで回るですか。それはええですね。そこまでやり切れたら、曲げるに関しては手の内に人ってきそうですね。止まらないグリーンで風が左から吹いてたら、フックで風にぶつける球を打ったら止まるとか、そういうことも机上の空論みたいな世界から、現実の世界になってくる。ほんまのゴルフの楽しみが分かってきますね。

高松 そういうこっちゃ。それに風に逆らう球が覚えられたら、狭いコースでドライバー打つんでも楽やしな。左がOBやったら、左にだけはいかせない打ち方するとか、発展性のない思考にはならなくなる。

奥田 左を怖がってインパクトで逃がす打ち方して、結局右の林に入ったみたいなパターンはよう見ますね。

高松 まあ曲げる曲げない以前に、OBの方を見て打ったら絶対OBには行かへんのやけどな。思い切りOB叩き込むくらいの根性を持ってほしいよ。だいたいが野球の盗塁でごっついリードとってるわりに、盗塁する気はまったくないみたいになってるから。

奥田 1塁に戻ることばかり考えてるから、体重が左足に思い切りかかってるランナーですわね。話を戻しますけど、ほんまに上達したいいうんやったら、まずは曲げることに挑んでいかないとしやあないんです。ところで読者のみなさん、うち流の球の曲げ方はさすがにもう覚えてくれてますか。その球を思えばいいんです。そしたら全部勝手に曲げる構え、曲げるスウィングになってくれます。

2015年月刊GDより

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