メジャーチャンプ渋野日向子を育てた青木翔に“コーチング”のこだわりを語ってもらう本連載。ゴルフだけでなく、仕事や育児に頑張っている人に読んでもらいたい。今週の通勤GDは「笑顔のレシピVol.23」。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【青木翔】
あおきしょう。1983年3月28日生まれ、福岡県出身。大学を卒業後、プロを目指すも27歳のときに指導者の道を志す。2012年に自身のアカデミー「ASGA」を設立。渋野日向子をはじめ、数々のツアープロや全国トップレベルのアマチュアゴルファーの育成に努めている

前回のお話

スポーツでも勉強でもダイエットなんかでも、目標を立てるとスイッチが入る感じがするものです。でも、それを決めることで、逆に気張ってしまう人もいます。「よし、やるぞ!」という気持ちが強すぎて、これまでの自分を極端に変えようとしてしまうんです。

たとえばラウンド中の気持ちのコントロール。すぐにミスショットに怒ってしまうのが嫌で、「ミスしても、笑顔でいよう」と目標を決めたとします。でもミスショットになれば当然イラつく。

その感情をごまかして無理に笑顔を作ることはできますが、生まれてくる感情を無くせるわけではありません。

しぶこは、ラウンド中にいつも笑顔だと言われますが、ミスショットにはイラついていますし、そんな時、無理に笑おうとはしていません。

彼女はその怒りが自分に向くタイプなのです。ミスをしてまったことが悔しくて、それを取り返すためにどう攻めるかや、どんな練習を重ねればいいかという方向に怒りのエネルギーが向きます。

こんなふうに感情が動いたとき、その気持ちを持っていく場所をどうするか決めておくといいでしょう。ダイエット中に間食をしたくなったら、自分の意志の弱さを責めるのではなく、その空腹感を楽しんだり、「1日1つだけなら」などルールを設けて自分を過度に追い込まないようにする。

画像: 【通勤GD】メジャーチャンプコーチ青木翔の「笑顔のレシピ」気持ちをごまかしても自律はできない Vol.23 ゴルフダイジェストWEB

すると少しずつでも目標に対して前進するし、ストレスを感じることもなくなるでしょう。もう1つ感情と上手く付き合うためのポイントは、どんな時に自分の気持ちが動くのかを知っておくことです。

たとえばティショットのミスで気分が落ち込みやすいとします。でもそれを自分で認識できていれば、ミスした後でも「あ、いつもどおり落ち込んでる」と客観的にとらえることができます。そうな
れば、モヤモヤが増幅しにくくなるでしょう。

大事なのは、どうなったら自分の感情が動くか、そのときどんな対応をすればよいか知っておくことなのです。

TEXT/SHOTANOW

PHOTO/ARAKISHIN

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