今週の通勤GDは「みんなの桜美式」Vol.39。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

画像: ゴルフ向学者 たけひさ先生 篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信

前回のお話し

篠塚 最近、選手たちのスウィングを見ていると、旧時代の体をねじってインパクトの一瞬にフェースをスクェアに合わせる瞬間芸が多いと感じる面もありました。

GD 世界のトッププロたちでも、曖昧で難しい「アナログスウィング」をしていると?

篠塚 ねじり打ちの証拠に、選手たちに腰やひざや指など故障が多いでしょ。人間の体はねじりに弱い。ねじって打つスウィングは、難しくて曖昧なだけでなく長持ちしない。とくに未来あるジュニアには、より安全な打ち方をしてほしい。というわけで今週も、体のどこもねじることなく、簡単で明確で、安全に飛ばせる「デジタルスウィング」の、具体的な練習法についてお話ししていきます。まずは改めて私が描いた図を見ていただきます。

GD 「桜美式」らしく、イメージ先行で図を用いての説明ですね。

「大きな円と小さな円をイメージしよう」

画像: 「これがデジタルスウィングのシンプルなイメージ。クラブで大きな半円を描けば、ヘッドが自然と回転して球 を拾ってくれるものと想像しましょう」

「これがデジタルスウィングのシンプルなイメージ。クラブで大きな半円を描けば、ヘッドが自然と回転して球
を拾ってくれるものと想像しましょう」

篠塚 そう、「桜美式」はいつでも、言葉よりも図、体よりも道具、耳よりも目。そうして習ったジュニアは、3カ月もあれば100が切れるほど成長が早いですから。 さて図は、スウィングしているところを、人間を排除し、クラブの動きだけを図解したもの。注目してほしいのは、大きな半円と、小さな円とがあるというところ。

GD 大きな半円が、テークバックからフォローへと向かう矢印ですね。そして小さな円が、先生考案の「くるくるヘッド」の動き。

篠塚 ゴルフのレッスンのほとんどは、体の動きから入る。指を複雑にどう絡ませて握り、手をどこに上げ、肩をどう入れ、ひざをどう我慢し、腰をどう切るか……。本来は、球をどこへ運ぶかがスウィングの「目的」であるはずなのに、これまでのゴルフ界は、体をどう動かすかという「手段」をメインに教えてしまった。「桜美式」ではそれを逆にして、まずは道具の仕組みを理解してもらい、生かし方を覚え、先に球を思ったところへ運べるようになってしまおうと。

GD 先生の描かれたクラブの動きだけを見てみると、スウィングって、実にシンプルなんですね。

篠塚 たとえば掃除をするとき、ホウキやモップでゴミを掃いたり、床を磨いたりする「目的」があったら、ホウキの柄を指でどう握るか、肩やひざや腰をどう動かしてモップを操るか、そんなことは考えもしない。ゴルフも、100を切る程度なら掃除をするほどに簡単にしなければならない。しかも健康にいいスポーツをしてケガをさせるなんてもってのほか。だから「桜美式」は「目的」がメーン。まず、大きな半円から見てください。ほとんどのゴルファーは、このクラブが描く半円がないまま、先に手をどこへ上げるか考えてしまう。だからトップの位置も軌道も定まらない。アナログは曖昧で再現性が低く、ミスを多発する。

「“コロコロ”を振ってみよう!」

画像: 「ローラーを回しながら振ると、回っているローラーに体がつられてクラブが上がる感覚が味わえる。この、ローラーを開閉させない動きこそが、体をねじらない動きにつながります」

「ローラーを回しながら振ると、回っているローラーに体がつられてクラブが上がる感覚が味わえる。この、ローラーを開閉させない動きこそが、体をねじらない動きにつながります」

GD デジタルは、自分を中心にした半円を、道具で描くイメージから始まるんですね。

篠塚 ホウキでもモップでも、動かし方を自然とラインでイメーそして次は、「くるくるヘッド」の円を見てください。固定された動かない実際のヘッドだと、体をねじってフェースを開いて閉じる罠に陥りやすい。ヘッドはこうして、クラブで大きな半円を描けば、自然と回転して球を拾ってくれるものと想像してみるんです。

GD でも先生、クラブのラインで半円をイメージはできても、実物の「くるくるヘッド」を手にしたことがない読者は、小さな円のほうは想像が難しいかなと……。

篠塚 そこで、こんなものを用意しました。クラブのシャフトに、カーペットを掃除するコロコロクリーナーを装着。もちろん、皆さんはシャフトにしなくても大丈夫。家にあるものをちょっと拝借してやってみましょう。コロコロのローラー部分をまず、勢いよく回す。それが回っているうちに、シャフトを握って素振りをするだけ。ローラーで床を掃除するような感じがいい。するとどうなるか、いままでやってきたスウィングとは、まった別種の、体をねじらない打ち方が自然とできてしまうんです。

GD おっ、これだと手をどこへ上げようかと考える以前に、回っているローラーに体がつられて上がるような、とても不思議な感覚ですね。

篠塚 そしてほら、ローラーが回っているのを見るだけで、人間の脳は、それで上手く床を擦ろうとイメージできる。ローラーを扇状に開閉させると上手く床を擦れないことが一目瞭然でしょ。この、ローラーを開閉させない動きこそが、体をねじらない動きにつながり、毎回同じカタチが生まれる。再現性が高くミスが少なく、飛んで曲がらない「デジタルスウィング」へと導いてくれます。つまり、道具が先で人間が後。身近なものだとイメージも湧きやすいので、コロコロクリーナーでの素振り、やってみてください。

週刊GDより

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