ゴルフのスウィング研究の第一人者として知られるクォン教授だが、そもそもなぜゴルフを研究するようになったのか。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

【語り手/クォン教授】
ヤン・フー・クォン。テキサス女子大学教授。専門はバイオメカニクス。生体力学的に理に適ったスウィングを研究。教え子にタイガーの元コーチ、クリス・コモらがいる
【聞き手/吉田洋一郎プロ】
よしだ・ひろいちろう。D・レッドベターをはじめ、世界の名だたるコーチのもとを訪れ、最新理論を直接吸収。日々探究・研鑽に余念がないゴルフスウィング研究家

前回のお話し

吉田 ありがたいことに、先日発売した私たちの共著『驚異の反力打法』が、多くの方に読まれているようです。

クォン これをきっかけに、ゴルフスウィングの正しいメカニズムが、日本のゴルファーに広まってくれるとうれしいね。

吉田 ところでつかぬことをお聞きしますが、先生は研究者として最初からゴルフスウィングを研究していたんですか?

クォン いや、最初はランニングだったね。

吉田 そうなんですね!

クォン 80年代に出した修士論文のテーマは、「疲労によるランニングメカニクスの変化」だった。それからいろんなスポーツや動作を研究したよ。歩行と走行、跳躍、体操、水泳、クロスカントリースキー、スキージャンプ、バレエ……。

吉田 そんなにいろんなジャンルの動きを研究されていたんですね。

クォン そのおかげで、人間の動作とその根底にある原理原則を探究する、動作解析のスペシャリストになることができた。

吉田 そんな先生がゴルフを研究するようになったきっかけはなんですか?

クォン 学生の1人が、ゴルフを修士論文のテーマに選んだんだ。指導するためには、私もゴルフについて知識を深めなければならない。そこで世に出ている研究論文やインターネットに出ている情報をひととおり調べたわけだ。

画像: 書店のスポーツコーナーに行くと、ゴルフだけでも実にさまざまな理論書が置かれているが、クォン教授によると、どの理論も生体力学的な視点が欠如しているという

書店のスポーツコーナーに行くと、ゴルフだけでも実にさまざまな理論書が置かれているが、クォン教授によると、どの理論も生体力学的な視点が欠如しているという

吉田 なるほど。

クォン そのとき、ゴルフがあまりにもしっかりと研究されていないことに愕然とした覚えがある。

吉田 それはいつごろの話ですか?

クォン 2007年だったかな。有名なゴルフインストラクターの理論でも、バイオメカニクスの観点からすると、まったく的外れなことを言っていたりした。要は、生体力学的な視点が、ティーチングにおいて完全に欠如していたんだね。だったら、自分で研究することにしよう、と決意したんだ。

吉田 そんななかで出会ったのがクリス・コモというわけですね。

クォン 彼をチームに迎え入れられたのは非常に大きかった。さらに、本格的なモーションキャプチャーシステムを導入できたことも、研究の追い風になったね。

吉田 ゴルフ界の常識に縛られず、バイオメカニクスという視点から科学的・客観的にスウィングを分析してきたからこそ、先生の理論には説得力があるわけですね。

週刊GDより

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