「ゴルフ力」が試される鬼才の仕掛けた罠
日本でも栃木のニューセントアンドリュースGCジャパン(ニクラスと共作)を筆頭に富士クラシック、オークヴィレッジGCなど10コースを設計。今回、調査隊が訪れたブリック&ウッドクラブもそのひとつである。
「ゴルフ場経営を研究するため米国に在住していたときミュアヘッドが近所に住んでいたんです。
ミュアヘッドは脳梗塞を患って療養中だったんですが、100回来ても飽きないコースを俺が造ってやる、と言ってくれたんですよ」とは同クラブ顧問の板征郎さん。
その言葉通りブリック&ウッドは「のるかそるか」のスリリングなホールがこれでもかと展開される。フェアウェイはうねり、平らなライから打たせてくれない。
硬く締まったグリーンは傾斜もきつく、左右のミスは容赦なくバンカーに吸い込まれるように設計されている。調査隊の面々もあえなく沈没。
1回のラウンドで普通のコース10ラウンド分ぐらいの経験値がここでは得られそうです。
ここにも注目! ゲストにもやさしいプライベートコース
ブリック&ウッドクラブは本来、メンバーによる完全自主運営のプライベートコース。
基本的にプレーはメンバーとその同伴者に限られているが、ネットの予約サイトなどを利用すればビジターだけでのラウンドも可能になっている。
キャディバッグは自分で積み下ろし、プレーも18ホールスルーが基本。プレーヤーにはディボット跡の目土とグリーンに出来たピッチマークの修復が義務づけられている。
ゴルフをこよなく愛するメンバーたちが、積極的に参加してコースを管理。だからいつ来てもメンテナンスが行き届いていて気持ちがいい。
クラブハウスは米国から輸入した木材を使用したカントリー風のログハウス。温かみがあって、たとえ難度の高いコースで叩いた後でも、傷ついた心を癒してくれる。
高滝湖からの爽やかな風を感じながら夕暮れのテラスでくつろぐひととき。まるで海外のコースに来たような趣があった。
ゴルフの実力が丸裸になる! 年間100ラウンドしても飽きないコース
隊長補佐 知人にメンバーさんがいて何度かラウンドしていますが、いつ来ても波瀾万丈なスコアなっちゃうんです(苦笑)
隊長 100回ラウンドしてもいいスコアがでないかも(笑)。フェアウェイは狭くて、うねりもすごい。点で狙えるショットの精度がないと太刀打ちできません。
隊員 ティショットも飛距離より正確性が大事。ゴルフの実力が丸裸になります。
隊長補佐 グリーンまわりの難易度もハンパない。アプローチのバリエーションがないと行ったり来たりの繰り返しになります。
隊長 難しいけどけして意地悪じゃなく、腕試しで何度も挑戦したくなるコースだね。
それでは採点! 和の心が行き届いたアメリカンなスタイル
隊長 コースのクオリティが高い。ドライビングレンジは広くないけど、本グリーン並みに整備されたアプローチ練習場があるのが嬉しい。
隊長補佐 いつきてもグリーンのコンディションが最高。会員制だけど運営するメンバーさんたちのゲストに対する「おもてなし」の心を感じます。
隊員 クラブハウスも質素で温かみがあって居心地がいいです。
隊長補佐 ビジター集客にやっきになっている会員制コースや、権利ばかり主張するメンバーたちが多いなか、ここは、メンバーシップの理想郷という感じがします。
隊長 知人に誰かメンバーがいないか探してみようっと(笑)
【ブリック&ウッドクラブ・コースデータ】
千葉県市原市山口
TEL:0436-98-1330
設計/デスモンド・ミュアヘッド
開場/2000年
コース/18ホール/7002ヤード/パー72
練習場/60ヤード/8打席
アクセス最寄りIC/圏央道・木更津東IC、市原鶴舞IC
最寄り駅/小湊鉄道・高滝駅
公式ホームページはこちら
【ターフコンディション】
グリーン/SR1020/4ミリ
フェアウェイ/姫高麗/15ミリ
ラフ/野芝/50ミリ
バンカー/愛知産山砂しっとり
「ゴルフ場調査隊」の調査を希望されるゴルフ場施設様は当サイト問い合わせバナーからご連絡ください。
月刊GD2015年6月号より