アプローチとパットで守れないと好スコアは望めません
温泉街の箱根湯本駅からクルマでわずか5分という好立地だけに、前泊して温泉にのんびり浸かり、旨い酒と肴に舌鼓、といきたいところだったが調査隊メンバー全員が日帰りを希望し、う~ん、残念。
早朝の温泉街を抜けてコースに到着。しとしとと小雨が降り続くなか調査ラウンドはスタート。あいにくの天候で相模湾を拝むことはできなかったが、箱根連山を背景にしたコースの景観は美しいの一言。余計な手を加えず自然の地形がそのまま生かされているため、背景との違和感が不思議なほどない。
フェアウェイ、ラフ、グリーンに至るまでコースメンテナンスは良好。グリーンキーパーから設計家へ転身した富沢誠造のコース管理に対するこだわりがしっかりと受け継がれているのを感じます。
バックティでも6521ヤードと距離は短いが、名匠が仕掛けた巧みな視覚の罠が思い通りのショットを打たせてくれない。グリーンは小さめで、バンカーが効いているため、アプローチとパットでしっかり守れないと好スコアは望めません。
景色もゴルフも存分に楽しめて、すぐそばには関東でも有数の温泉街がある。ゴルフコースに興味のある方は、絶対に抑えておきたいコースのひとつと言えます。
【ここにも注目!プレーヤーを惑わせる名匠の巧妙な罠】
井上誠一は林を巧みに利用した空中ハザード。上田治は砲台グリーンとアリソンバンカーでグリーンへの進入を難しくした。富沢誠造はというと「見えるバンカー」に特徴がある。ただ単に見せることでプレッシャーを与えるだけでなく、その見せ方によって、目標までの距離を錯覚させる手法を取り入れている。
届きそうに見えないフェアウェイバンカーが実際に近かったり、その逆もしかり。ガードバンカーのすぐ先にグリーンがあるように見えるのに、行ってみると距離が離れていてピンまで打ったつもりが手前にショート。そういう錯覚の罠が巧妙に仕掛けられている。
小田原湯本CCもまた、そんな富沢誠造の設計の妙が存分に味わえるコースになっていた。ゴルフというスポーツは設計家とプレーヤーの知恵比べだと、このコースは教えてくれる。
5番から6番の流れが小田原湯本CCの見せ所
隊員 富沢誠造のコースは今回が初めてでした。
隊長補佐 富沢誠造はフラットな林間や丘陵コースの設計が得意という印象が強かったので、小田原湯本CCのような山岳コースは新鮮でした。
隊長 自然の地形を活かした手造り感があって、歴史を感じさせるいいコースだよね。
隊員 距離は短いですが、その分正確にショットを運べないとスコアがまとまりません。
隊長補佐 ミスを誘う視覚的なトラップに翻弄されまくり。左への警戒心を増幅させる5番から6番ホールの流れは深く印象に残りました。
隊長 バンカーも憎らしいぐらい効いているし、グリーンも山の傾斜が絡んでライン読みが難しい。
隊員 リゾートのゴルフ場だと思っていると痛い目にあいます。
隊長 こんな近くに温泉があるんだから日帰りじゃもったいない。次は泊りで来たいなぁ。
それでは採点! 景色もコースも高水準。ビギナーにも意外とおすすめ
隊員 都心からそう遠くないし、箱根湯本駅からクルマでわすか5分。立地は抜群ですね。
隊長補佐 周囲を山に囲まれていて建物や民家などの人工物が見えないのがいい。天気がいい日は景色も存分に楽しめます。
隊長 コースは名匠の富沢誠造の設計とくれば文句のつけようがありません。
隊長補佐 安全なサイドと危険なサイドがはっきり分かれているし、ビギナーやアベレージには安全ルートが用意されている。
隊長 ビギナーから上級者まで幅広いレベルの人が楽しめるコースだと思います。
隊員 芝付きがよくてメンテナンスも行き届いているので、気持ちよくラウンドできました。
【小田原湯本CC・コースデータ】
神奈川県足柄下郡箱根町湯本390‐37
TEL.0460-85-5743
コース/18ホール/6542ヤード/パー71
コースレート/70.0
設計/富沢誠造
開場/1961年7月12日
練習場/あり
アクセス最寄りIC/小田原厚木道路・小田原西ICを進む
最寄り駅/箱根登山鉄道・箱根湯本駅
公式ホームページはこちら
駅からタクシー、クラブバスで5分の好立地。
山間に造られたコースだがフェアウェイは左右に広い一方で、起伏と相まってグリーンを狙うショットは戦略性が高い。
【ターフコンディション】
グリーン芝種/ペンクロス/4.2ミリ
フェアウェイ/コーライ/15ミリ
ラフ/野芝/40ミリ
バンカー/山砂しっとり
月刊GD2016年12月号より
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