水戸ICから約10分で到着、明るいクラブハウスがお出迎え
調査したのは2019年4月初旬。クラブハウスで準備と朝食を済ませ、ドライビングレンジへ行くと、そろいのポロシャツを着た学生ゴルファーで並んで練習中。サザンヤードCCは毎年、大学ゴルフ部の対抗戦などが行われるため、練習ラウンドや合宿で訪れる大学ゴルフ部もこともあるのだそうです。
インの10番からスタート。ティショットは伸び伸び打てる
フルバックティのみ、ハンディ申請が必要ですが、それ以外のティは自由に選ぶことが可能で、競技志向派からエンジョイ派まで距離に応じて楽しめる設定です。調査隊は6615ヤードのブルーティを選択(競技派の隊長補佐はブラックティ/7017ヤードからプレー)し、インの10番ホールからスタートしました。
10番~14番ホール ハザード機能とアイコン役のバンカー配置が絶妙
隊員 インからスタートして数ホール進みました。フェアウェイは広めで、ティショットはドライバーを気持ちよく振っていけるホールが多いですね。
隊長 とはいえ、グリーンに近づくにつれて難度がアップするので、ポジショニングを考えて攻めないと、スコアメークに苦労しますね。インの前半はバンカーがショットの目標になったり、大小のバンカーがグリーン周りをガードしたり、バンカーがポイントです。それが高い戦略性の理由ですね。
隊員 確かに隊長の言うとおりです。10番から14番までは設計家・小林光昭の代名詞である、池が絡むホールはありませんでしたが、バンカーがとても効いているなと感じました。
隊長補佐 各ホールのグリーンは大きく乗せやすいですが、常時10フィート前後(調査当日は11フィート)に刈られたペンクロスのベント芝は速く、微妙な傾斜があります。ポテトチップグリーンというほど急激なアンジュレーションはありませんが、やっぱりピンの立っているエリアに乗せないと、2パットで収めるのが難しいですね。
隊長 ベント芝ですが、芝目に流れがあって、カップまで下りの順目とかだと、かなり慎重なタッチが要求されます。グリーンが速いから、アプローチがゆるみがちになってしまいました。距離があるだけでなく、ショートゲームも磨かれるコースですね。
隊長 11番パー3は5つのバンカーがグリーンをガードしていて、プレッシャーがかかりました。
隊長補佐 14番パー4のフェアウェイバンカーも効いていましたね。左サイドにグリーン手前まで長いバンカーが続いていて、それを嫌がると、右サイドにもバンカーが待ち構えています。距離は短いですが、とても戦略性の高いホールだなと思いました。
インの後半、小林光昭の真骨頂「美しい池」のホールが登場
隊員 イン後半、いよいよ池が出てきました。15番のパー3は、「水の魔術師」と呼ばれる小林光昭らしい、戦略性と景観美を兼ね備えたホールですね。
隊長 右が遠くて左が近い斜めの形状で、奥行きのないグリーンは、マスターズのアーメンコーナーのパー3、オーガスタナショナルの12番にちょっと似ている?
隊長補佐 (15番は)いわゆる“リバースレダン”のデザインですよね。今日はピン位置が左サイドなので、まだやさしいですが……。
ひと口メモ「レダン」グリーン
スコットランドのノースベリック西コースの15番ホール。「世界で最も参考にされているグリーン配置」と言われるパー3で、このホールの別名が「レダン」。ティに対してグリーンが45度左に傾き、グリーンの手前から奥に、さらに右から左へ傾斜がある。普通に打つとほとんどが左奥へ流されてしまうため、フェードで傾斜にぶつけるか、右手前から傾斜を活かさないとどのピン位置に対しても寄りにくい設計。またピン位置が右と左で距離感も大きく変わる。オーガスタの12番は、それを逆に配置した「リバースレダン」タイプなどと言われる。
隊長 もし、右奥にピンが切られていたら、難易度がまったく変わります。(プレー後の撮影時は、ピンが右奥のシビアな位置に移動/上写真)
隊長補佐 インの最終、18番です。2打目地点からグリーンまで、左サイドに池が続く番パー4は、ティグラウンドからの見た目が最高ですね。打ち下ろしだから全体が見渡せて、フィニッシングホールに相応しい景観と戦略性の高さ、と言いたくなります。
「ホールに水を取り入れ、戦略性と景観美を共存」小林光昭の設計思想
「サザンヤードカントリークラブ」を設計した小林光昭は、昭和29年に、日本緑化土木設立メンバーとなってコース設計を始め、井上誠一、三好徳行、さらに叔父の小林英年の影響を受けたと言われます。
彼が「水の小林」、「水の魔術師」と呼ばれるようになったのは、昭和45年に開場した神奈川県のレイクウッドゴルフクラブの造成時にアメリカ人設計家で、滝やクリーク、池といった水のデザインに長けていたテッド・ロビンソンと出会ったのがきっかけです。その後、ホールに「水」を取り入れ、戦略性と景観美を両立させるコース造りが特徴のひとつとなりました。
インの15番と18番は、「水」の美しさによるメモラビリティを高める象徴的ホールと言えます。
アウトはドッグレッグが印象的「S字の1番」「U字の5番」
隊員 1番ホールはフェアウェイが広いですがS字状。蛇行しながら打ち上げていくパー5です。レギュラーティから497ヤードと距離自体は短いですが……。
隊長 ティからグリーンまで、ずっと上り、そして右に曲がり、左に曲がるので、実質550ヤード以上の長いパー5をプレーしている感覚でした。
2番(376Y・P4)、3番(322Y・P4)、4番(177Y・P3)をプレーして中盤の5番ホール。
隊長補佐 ほぼ直角に左へドッグレッグしている5番ホール。ホール全体がU字型の面白いホールでした。低くなっている左サイドにティショットを落とすと、パーをセーブするのが難しいし、グリーンも左が遠くて右が近い「レダン」デザインの2段グリーンです。
隊長 池越えの8番パー3もスリリングで面白かったです。インの15番と似ていて、グリーンは右が遠い横長で奥行きがなく、奥にはバンカーもあるから、正確な距離の打ち分けが要求されます。
9番パー5 2打目地点から先は両サイドが池
隊員 そして、アウト最終ホールの9番は565ヤード(レギュラーティ)と距離のあるパー5です。ただ、2打目地点からは豪快な打ち下ろしなので、そこまで長く感じなかったですね。
隊長 前組のゴルフ部学生はティショットを300ヤードぐらい飛ばして、2オン狙いでグリーンが空くのを待っていましたね。
隊長補佐 2打目は手前と奥の池に挟まれた、斜めのフェアウェイを直線的に狙っていく「ダイアゴナル(対角線)」のルートです。隊員は手前の池に入れてしまいましたね。
隊員 ナイスショットだったんですが、距離と風の読みを間違えました。でも、インの18番ホール同様、9番も景観の素晴らしいホールです。
隊長 芝生と水面のコントラストが印象的でした。池がホールに絡むのは、8番、9番、15番、18番、と決して多くないのですが、そのぶん強く心に残りました。
隊長補佐 「水」だけでなく、随所に登場する様々な形をした大小のバンカーが各ホールをギュッと絞る印象で、それも特徴のひとつだと言えますね。総合力が要求されるコースなので、腕前も確実にレベルアップできますね。雨天時などを除き、フェアウェイにカートが乗り入れ可なので、疲れず快適にラウンドできます。
隊長 食事も美味しかったし、宿泊施設もあるので、1泊2日でコンペや合宿で利用するのもいいですね。
サザンヤードカントリークラブ
茨城県東茨城郡城里町下古内776(☎029-288-6000)
コース/18H・7017Y・P72
設計/小林光昭
開場/平成3年10月10日
練習場/250ヤード
最寄りIC/常磐道・水戸ICより10.5km
最寄り駅/JR友部駅よりタクシー約25分
公式ホームページはこちら
【ターフ・データ】
グリーン/ベント1グリーン(ペンクロス)
刈り高/4.2mm
フェアウェイ/高麗芝10mm
ラフ/野芝30~50mm
バンカー/山砂(サラサラ質)
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