夏でも涼しい!別天地での快適プレー
今回調査隊が訪れたのは箱根湯の花ゴルフ場(神奈川県)だ。開場は1952年。設計者は大谷光明と朝香鳩彦。大谷は川奈ホテルGC大島Cや名古屋GC和合C、東京GCなどを設計し、日本ゴルフの父といわれた。朝香は元皇族の朝香宮鳩彦王で、ともに日本ゴルフ界の草創期を牽引したことで知られている。
コースは、箱根のゴルフ場のなかでは一番高い標高935メートルにあり、夏でも爽やかな風が吹き抜ける。駒ケ岳を背景にして、眼下に相模湾や江ノ島の絶景を眺めながら、快適な18ホールを満喫できる。

山々だけでなく相模湾や江の島を望めるロケーション。ただアップダウンもあるため、飛ぶだけではスコアを作れない
アウトスタートのワンウェイスループレーで18ホールを一気にラウンド。途中8番ホール脇のコース売店で15分間の休憩時間があり、名物「しょうが蕎麦」などの軽食が取れるようになっている。
調査隊が訪れたときは梅雨に晴れ間で都心は32度の真夏日、太平洋に梅雨前線が居座り、暑くてじめじめした日だったが、ゴルフ場は半袖では肌寒さを感じたほど。今夏も相当な猛暑が予想されるが、リーズナブルに避暑ゴルフを楽しみたいなら、ぜひお勧めしたい。
〝上空のハザード〞をどこまで克服できるか
上空から吹き下ろす風では、「六甲颪(おろし)」や「赤城颪」が有名だが、箱根湯の花の「駒ケ岳颪」も負けず劣らず相当なもの。コースの総距離はレギュラーティーで5493ヤードと短めだが、ゴルフの難しさ、面白さは距離だけではないことを痛感させられる。駒ケ岳颪の特徴は、上空から球を押し潰すように吹き下ろすうえ、上空で風が巻くので予測できない飛び方をする、まさに〝上空のハザード〞。その代わり風を読んで決まったときの快感は、これぞゴルフの醍醐味!

18ホールすべてに愛称が付けられている。9番の「湯の香り」はホールに硫黄の香りが漂う
とがし隊長 いや~、小田原では蒸し暑くて、今日は熱中症にならないかと心配したけど、半袖に半ズボンじゃ寒いくらいだったね。
T橋隊長 箱根はもともと涼しいけど、駒ケ岳颪のせいで体感温度は、下のほうより10度以上は低かったですね。
Tみな隊員 私、長袖の上着を羽織っていて、ちょうどよかったです。
とがし にしても風が強かったです。16番のパー3は距離が85ヤードしかないのに、全員ショートして乗せられなかったもんね。
T橋 本来、自分の思い通りにならないのがゴルフ。それを上空の風がアップグレードしてくれる。全英オープンを体験したい人には、ぜひプレーをお勧めします。
手軽に楽しめるけどコースはハード!
とがし ワンウェイのスループレーで、朝食はコース売店でお蕎麦と、リゾートコースをお手軽に楽しめる運営だけど、よかったね。
T橋 いや、全然OKですよ。風呂・シャワーはないけど、入浴料500円で湯の花プリンスホテルの露天風呂のお温泉に入れますしね。
Tみな コース売店のお蕎麦も美味しかった。ゴルフ場のランチってあれで十分だと思います。いつもお昼食べすぎちゃって、苦しいんですよ(笑)
とがし 今年も暑そうだから、この夏はここでまたラウンドしたいものだね!

売店でサクッと食べられる!かき揚げそば(1250円)
【箱根湯の花ゴルフ場】
〒250-0523
神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯93
☎0460-83-5112
18H・5493Y・PAR71
開場/1952年10月10日
設計/大谷光明、朝香鳩彦
車/東名高速道路「御殿場IC」より40分
【ターフコンディション】
グリーン/ペンクロス(3.8mm)
フェアウェイ/ライグラス(10.5mm)
ラフ/野芝(45mm)
バンカー/長野産(川砂)
月刊ゴルフダイジェスト 2024年9月号より