長さはドライバーの約半分22インチ。先端はヘッド形状ではなく、かなり大きな金づち形状。素材はシリコン状で鮮やかなオレンジとブルーのストライプ配色。最初は半信半疑でスウィング10を振り出した今野プロだったが……。
今野 見た目ではどのような効果があるのかわからない『SWING10』。しかし、さすがクラブ設計家の山代谷さんが考案しただけのことはあります。ただ振るだけの練習器具でありませんでした。順を追って、気づいた点を説明していきましょう。
【気づき①】実際のクラブと同じオフセット設計
今野 一見すると、左右対称に見えますが、構えるとオフセットが付いていて、わずかなハンドファーストに正しく構えられるように作られています。しかも、実際のクラブと同じような重心距離と重心深度の設定になっていますね。だから、構えたときに違和感がなく、振ると本物のクラブと変わらない感覚です。
重心設定が絶妙で、目を閉じて振ると普通のクラブと変わらない感覚
【気づき②】フェースターンができているか目視しやすい
今野 ハーフスウィングのイメージで振ってみると、ヘッド部分が開いて閉じるフェースローテーションの動きと、そこにつながるテークバックのフェース面の管理がよく分かります。
今野 ハーフスウィングのトップ(右腰の高さ)とフォロー(左腰の高さ)で、ヘッド部分のストライプ柄が地面や床と平行になっていれば正しいフェースの動きができている証拠。大きくて見やすいストライプなので簡単に分かりますね。短い素振り用クラブよりも、明らかに目に飛び込んできます。
ハーフスウィングのトップでチェック「ストライプが水平に見えればOK」
フォロースルーでもチェック「ストライプが水平になっているか?」
【気づき③】ロフト通りに飛ぶハンドファーストのインパクトと、手だけが先行した偽物ハンドファーストの違いがわかる
今野 ドライバーもアイアンも、ロフト通りの飛距離を出すには、わずかなハンドファーストでインパクトするのが正しい動き。そのインパクトイメージを把握する上でも、「スウィング10」のストライプ効果がサポートしてくれます。SWING10をゆっくり振って、インパクト付近で「ストライプがどう見えるか」、確認してみましょう。
今野 インパクトで✖例のように見えた人は、ハーフスウィングでトップとフォローをチェック(気づきポイント②)しながら体の動きを整えていくと、いいインパクトに近づきますよ。
3つのポイントを確認しながら‟ゆっくり素振り”しよう
今野 3つの気づきポイントを意識しながら、ゆっくり素振りをしてみましょう。「SWING10」は長さが短いので、ゆっくり振るのにも最適です。短いから部屋で使えることに加え‟ゆっくり素振り”がしやすい点も、気づきポイントですね。スウィング作りの素振りは、速く振るよりもゆっくり行ったほうが効果が高いからです。
今野 最後に、ひと言。先端部分が金属ではなく、緩衝材のような素材でできています。部屋で誤って壁などを擦ってしまってもキズになりにくい。設計家・山代谷さんの気配りが伝わってきました。フェースの向きやフェースローテションが目視できる「SWING10」。使うほどにショットが良くなること間違いなしです!
PHOTO/Hiroaki Arihara、THANKS/東名カントリークラブ