自らクラブメーカー「グランディスタ」を手掛けている吉田一尊プロ。ドライバー製作でも知られる彼が、なにやら凄いパターを作ってしまったという。さっそく詳しく聞いてみると……キーワードは「タイガー・ウッズ」と「ジャーマンステンレス」!
画像: タイガーを始め、松山英樹、R・ファウラー…多くのPGAツアープレーヤーが使うパターと同素材。ジャーマンステンレス製パター「グランディスタ・マックイーン」

タイガーを始め、松山英樹、R・ファウラー…多くのPGAツアープレーヤーが使うパターと同素材。ジャーマンステンレス製パター「グランディスタ・マックイーン」

誰よりも打感にこだわるタイガー・ウッズ。
「実際、どんな打感なの?」がパター製作のきっかけ

── なにやら凄いパターを作ってしまったと聞きましたが…

吉田 はい。凄いパターを作ってしまいました。こちらです。グランディスタのピン型パター「マックイーン」です。

画像: グランディスタ「マックイーン」は、1本1本ジャーマンステンレスの塊から削り出される

グランディスタ「マックイーン」は、1本1本ジャーマンステンレスの塊から削り出される

── 名前はあの役者さんからですね。オーソドックスなピンタイプに見えます…

吉田 そうです。ただ "打感" がひじょーーーにいいんです。私自身がタイガー・ウッズの大ファンだからというのもありますが、タイガーが愛用している「ニューポート2 GSS」と同じ、ジャーマンステンレススチール製です。

画像: タイガー・ウッズが長年愛用する「ニューポート2 GSS」。GSSはジャーマンステンレススチールを意味し、スコッティ・キャメロンが商標を持っているそう

タイガー・ウッズが長年愛用する「ニューポート2 GSS」。GSSはジャーマンステンレススチールを意味し、スコッティ・キャメロンが商標を持っているそう

── ジャーマンステンレスといえば、非常に高価な金属だと聞きます。

吉田 そうです。本当に高価ですし、なかなか手に入らないんですが、今回とあるルートから特別に仕入れることができたんです。

── そもそもジャーマンステンレスにはどんな魅力があるのですか?

吉田 その名の通りドイツ製のステンレスなんですが、パターに使うと非常に打感がいいんです。というかよかったんです。ただ値段が高すぎてどのゴルフメーカーでもポンポン作るわけにはいかないんですね。だからタイガー・ウッズなど一部のプロしか使えない素材だったんです。

── ジャーマンステンレスへの憧れが叶ったというわけですね。

吉田 こんな機会は、クラブを作っているものとしては見逃せないな、と。それにプレーヤーとしてもタイガーが使っているジャーマンステンレスってどんなものだという興味もありました。試打できる機会もほとんどありませんし、それなら作ってみるしかない、と思ったのです。

実際、打感はそんなに素晴らしいの?

画像: タイガーのニューポート2のフェース面。長年使用の打痕やキズすら恰好いい

タイガーのニューポート2のフェース面。長年使用の打痕やキズすら恰好いい

画像: グランディスタ「マックイーン」。その形状にはニューポート2へのリスペクトが感じられる

グランディスタ「マックイーン」。その形状にはニューポート2へのリスペクトが感じられる

吉田 ジャーマンステンレスは打感がいいと言われてきたのですが、実際に打ってみると柔らかいわけではないんです。どちらかというとちょっと硬いんです。

── 硬い?

吉田 打感は音と連動するので、柔らかい打感になるほど音が消えますよね。私の経験からも、打感からタッチが生まれると思いますが、柔らかい打感のパターは音が小さいので、タッチが生まれにくいんですね。硬いということは音もしっかりするのでパットのタッチ(距離感)が合いやすくなります。

── パッティングが上手くなりますか?

吉田 パッティングには、タッチ、ストローク、ラインが重要ですが、タッチによる距離感がラインにも、ストロークにも影響してきますから、タッチを磨けるということは上達のためにとても大事なポイントだと言えます。

ジャーマンステンレスは、
普通のステンレスのパターとどう違う?

吉田 普通のステンレスSUS303のパターは、打感を柔らかくする傾向のパターが多いんですね。ミーリングを深くしたりして、打った瞬間に食いついて「あっ柔らかい」というのを、いい打感ということが多いんです。

画像: フェース面には打感の硬さを損なわない浅めのミーリングが施されている

フェース面には打感の硬さを損なわない浅めのミーリングが施されている

吉田 ジャーマンステンレスのパターはそれとは逆で、しっかりした打感です。打ったときに音がちゃんと聞こえる。それもキーンという金属音ではなく、なんというか物体と物体が衝突した感じというか、この音はなかなかないと思います。この音は皆さんにも体験してもらいたいですね。今までのパッティングの感覚が変わると思います。

── ヘッド形状にもこだわりが感じられます。

吉田 最高の打感を得るには、形状も近づけるべきという気持ちがありました。たまたまお付き合いのあるゴルフショップさんが、タイガーモデルのパターを販売していて、それは何百万円もするので打つことはできませんが、しつこく通ってあらゆる角度から研究しました。

吉田 何度も何度も試作を重ねて、納得のいくヘッド形状になりました。素材はもちろんジャーマンステンレスですし、ほぼタイガーが感じている打感だと言っていいと思います(笑)

画像: (PHOTO/Takanori Miki)

(PHOTO/Takanori Miki)

価格は9万7000円(税別)
できるだけリーズナブルな価格に抑えたかった

── 気になるのはお値段ですが…

吉田 そもそもジャーマンステンレスを私自身が体験したかった。そして体験したからには広めたい。みんなに使ってもらいたいと思い始めました。だから、ジャーマンステンレス製パターとしては世界一手に取りやすい価格にしています。正直、商売としてはどうなんだというのはありますが(笑)

吉田 コレクションとして眺めるのではなく、カートのパター差しに突っ込んでどんどんコースで使ってほしいし、とにかくジャーマンステンレスを実際にコースで味わってほしいですね。

普段ピン型を使っていても、いなくても、「最高の打感を感じてみたい」「上手くなれるパターが欲しい」という人はぜひ手にとってみてはいかがだろうか。

よしだかずたか。1977年生まれ。高校卒業後アメリカにゴルフ留学、帰国後JGTOツアープレーヤーとなりチャレンジツアー参戦、2004年よりレッスン活動開始、独自にスウィング理論の研究を始める。2004年ドラコン日本選手権5位、2005年3位、2006年4位、プロコーチとして田中秀道プロなどプロゴルファーのレッスンやジュニアゴルファーのレッスンを行い全国大会優勝者も輩出。グランディスタ主宰

※グランディスタ・マックイーンパターは完売しました
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