2018年2月22日にジャガーのブランニューモデルとして日本デビューしたEペイス。400万円台〜という戦略的な価格帯や、Fペイス譲りのスポーツ感など新たなジャガーファンを生みそうだ。

ジャガーのスポーツ性と、ジェントルな静かさも持つ

ベイビージャガーことジャガー Eペイス。全長は現在のラインアップの中でもっとも短い4410mm、ホイールベースもFペイスより約200mm短い2680mm。搭載するエンジンだって4気筒のみので、ベイビーというニックネームはよく似合う。

しかし、“EペイスはFペイスのコンパクトモデルではない”とジャガーは公式に発表している。じゃあ誰のベイビーなのか?とツッコミたくなってしまうが、それでもボディ後端へ向かって低められるスタイリッシュなルーフラインや涙滴型のサイドガラス、リアフェンダーの盛り上がりなどはFペイス(父親?)の血を濃く引き継いでいる証だろう。

もちろんエクステリアデザインだけでなく、乗り込んでも走りに卓越した血統を感じさせられる。とくに、コクピットとパッセンジャーシートを仕切るセンターコンソールの大きさや、助手席側に設けられたグラブハンドルなどが“このモデルはドライバー主体である”ということを強く主張してくるのだ。

スポーツカーとSUVのクロスオーバー

このEペイスには大きく分けて3つのグレードがあり、搭載するエンジンがそれぞれ異なる。どれも2L 直4ターボという点では同じだが、180psのディーゼル仕様が「D180」/249psのガソリン仕様が「P250」/300psのガソリン仕様が「P300」となっている。

SUVモデルの車両価格はベースモデルより高いというイメージを持っていたが、このEペイスに限っては当てはまらない。D180で451万円〜という設定は、ベースとなっているセダンのXEと並んで最安値なのだ。しかも、ディーゼルモデルの方を低価格に設定していることも驚きである。これまでジャガーを購入対象として見てこなかった、新規ユーザーが増えそうな予感がする。

画像: アイポイントが高いく見晴らしもいいため、1900mmという全幅は大きなデメリットだとは感じなかった

アイポイントが高いく見晴らしもいいため、1900mmという全幅は大きなデメリットだとは感じなかった

今回試乗したのは、ガソリン仕様(249ps/365Nm)のP250。1890kgという車両重量を見ても特別スゴいスペックではない。しかし、エンジンを始動して走り出せば、やっぱりスポーツカー一族の一員であると納得させられる。

ジャガー初採用の9速ATは多段化によるシームレスな乗り心地を実現する一方、ワインディングでは的確なトルクバンドを捉えて小気味良い加速を楽しませてくれる。しかも、ロールをよく抑えたフラットライド感覚で、このキビキビとした走り味はベイビーというよりもむしろ“ヤンチャ坊主”の方があっている印象だ。

これだけ愉しいクルマだ、パッセンジャーはさぞかし疲れたことだろう。と、試乗に同行したカメラマンを労わると「なに言ってんの?逆に眠たくなるくらいだ」と思いがけない言葉が返ってきた。もちろんゆったりクルージングしていたつもりはないのだが、それでも快適と感じたのだからイギリス車らしいジェントルな乗り心地をも内包しているということだ。

朝早くから家を飛び出して山を駆け回り、食事の時間だけ帰ってくるようなヤンチャ坊主だと思っていたら、高級ホテルのレストランに連れて行けばテーブルマナーを実践する躾の行き届いた御令息だったわけだ。

試乗車の主要諸元表 ジャガー Eペイス Rダイナミック SE P250

●サイズ=4410×1900×1650mm ●ホイールベース=2680mm ●車両重量=1890kg ●エンジン=直4 DOHCターボ 1995cc ●最高出力=249ps/5500rpm ●最大トルク=365Nm/1300-4500rpm ●駆動方式=4WD ●650万円

TEXT/Yohei Kageyama PHOTO/Mitsuru Tamai

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