新エース選びに20数本打ち比べて、今の短尺仕様RS Fにたどり着いた
2017年10月の日本オープン。小平智のエースドライバーに亀裂が入った。3日目からスペアに切り替え、3位に入ったが、そこから新しい”エース”を探す試行錯誤が始まった。
エース候補となるクラブを20数本打ち比べて、これならと思うものを見つけても、試合中に違和感が出た。ウェートで重心位置を調整したり、ヘッド内部の重心配分を移動させたりと、微調整は続いた。その間、飛距離アップの可能性も探り、シャフトを軽くし長尺化にトライしたりもした。
「身長の低い僕はタテ振りなので、短い方がシャープに振り抜けていいですね。長いとすごく飛ぶときもあるのですが、思った以上に散らばるときもある。短いのに戻して、タテの距離も合ってきて、ようやく狙い撃ちできる感覚が戻ってきました」(小平)
ソールの接地面を広めにとった、こだわりアイアン
プロギアがクラブ工房用に開発した”チェーン”シリーズのアイアン「01CB」。これを選んだ小平は……。
「少しグースがあるので、アイアンはつかまりやすさを感じます。つかまるとわかっていると逃がすのは簡単なので、左右に曲げやすくて、いろんな球でピンを攻められるようになりましたね。それと、米ツアー参戦前にソールを少し削ってもらったんですが、アメリカの粘っこい芝でも抜けがよくなりました」(小平)
上げる、狙う、飛ばすを1本でまかなえる
『iD ナブラ ブラック』の5番ウッドは、プロギアと契約以来まったく換えていない。
「これは小細工やいろいろなことができるから手放せないんです。もともとボールを上げやすくつかまえやすいクラブなので、低く打ち出して距離を出したり、高く上げて止めたり、ティショットで刻みたいときも使えるし。すごくいいんです」(小平)
ウェッジは真ん中がへこんで見えるほどのフラットソール
ウェッジにも小平流こだわりが満載だ。
「片山さんの使っていたウェッジがいいな、と思い、同じものを作ってもらいました。ソール幅は狭めですが、真ん中はへこんで見えるくらい真っ平。きっちりバウンスもきいて、毎回同じように打てるようになりました。今は少しリーディングエッジに丸みを持たせて、アメリカの芝で少し沈んだボールも拾いやすくしました」
パターは完全な小平仕様のキャメロン手削り
ウッド同様、パターもまったく替えていない。
「ヘッドの角がしっかり立っているのでストレートのイメージが出しやすく、狙いがボケないで構えられる。打感も少し音が出る感じで距離感が合いやすい。しっかりつかまえて、狙ったところに打ち出せるんです」
ドライバーは短く44.25インチ
PHOTO/Hiroaki Arihara
月刊GD2018年7月号より