米ツアー初優勝を挙げた試合でも、ピンそばにビタビタ寄せるほどの、誰もが認めるショットメーカー。歯が立たなかった全米オープンのリベンジへ、カーヌスティの全英オープンに出場する。多彩なショットを放つ小平プロのキャディバッグの中身を覗いてみた。
画像: こだいらさとし。東京都出身の28歳。2013年ツアー選手権で初優勝。15年日本オープンも優勝し、その後17年に2勝を挙げ賞金ランク2位に。18年にはマスターズに初出場して、翌週のRBCヘリテージではスポット参戦ながらプレーオフの末、米ツアー初優勝を挙げる快挙を遂げた

こだいらさとし。東京都出身の28歳。2013年ツアー選手権で初優勝。15年日本オープンも優勝し、その後17年に2勝を挙げ賞金ランク2位に。18年にはマスターズに初出場して、翌週のRBCヘリテージではスポット参戦ながらプレーオフの末、米ツアー初優勝を挙げる快挙を遂げた

新エース選びに20数本打ち比べて、今の短尺仕様RS Fにたどり着いた

2017年10月の日本オープン。小平智のエースドライバーに亀裂が入った。3日目からスペアに切り替え、3位に入ったが、そこから新しい”エース”を探す試行錯誤が始まった。

エース候補となるクラブを20数本打ち比べて、これならと思うものを見つけても、試合中に違和感が出た。ウェートで重心位置を調整したり、ヘッド内部の重心配分を移動させたりと、微調整は続いた。その間、飛距離アップの可能性も探り、シャフトを軽くし長尺化にトライしたりもした。

画像: プロギアRS Fドライバープロトタイプ 「ロフトは10.5度と大きめでつかまえやすいけど、かぶらずにスクェアに見えるから構えやすい。打ち分けがラク」(小平)

プロギアRS Fドライバープロトタイプ 「ロフトは10.5度と大きめでつかまえやすいけど、かぶらずにスクェアに見えるから構えやすい。打ち分けがラク」(小平)

「身長の低い僕はタテ振りなので、短い方がシャープに振り抜けていいですね。長いとすごく飛ぶときもあるのですが、思った以上に散らばるときもある。短いのに戻して、タテの距離も合ってきて、ようやく狙い撃ちできる感覚が戻ってきました」(小平)

ソールの接地面を広めにとった、こだわりアイアン

プロギアがクラブ工房用に開発した”チェーン”シリーズのアイアン「01CB」。これを選んだ小平は……。

「少しグースがあるので、アイアンはつかまりやすさを感じます。つかまるとわかっていると逃がすのは簡単なので、左右に曲げやすくて、いろんな球でピンを攻められるようになりましたね。それと、米ツアー参戦前にソールを少し削ってもらったんですが、アメリカの粘っこい芝でも抜けがよくなりました」(小平)

画像: プロギアチューン01CBプロトタイプ 前後を面取りされたソールをさらに削り込んで微調整し、アメリカ仕様に仕上げた(写真左)、マッスルバックよりは大きいが、キャビティとしては小ぶりサイズ。小平が求める操作性と適度な優しさを兼ね備えている(写真右)

プロギアチューン01CBプロトタイプ 前後を面取りされたソールをさらに削り込んで微調整し、アメリカ仕様に仕上げた(写真左)、マッスルバックよりは大きいが、キャビティとしては小ぶりサイズ。小平が求める操作性と適度な優しさを兼ね備えている(写真右)

上げる、狙う、飛ばすを1本でまかなえる

『iD ナブラ ブラック』の5番ウッドは、プロギアと契約以来まったく換えていない。

「これは小細工やいろいろなことができるから手放せないんです。もともとボールを上げやすくつかまえやすいクラブなので、低く打ち出して距離を出したり、高く上げて止めたり、ティショットで刻みたいときも使えるし。すごくいいんです」(小平)

画像: 『iD ナブラ ブラック』は2012 年発売モデル。小平が契約当初からのお気に入りだ(写真左)出っ歯で重心角が大きすぎず、重心距離も長め。左へのミスなく高く打ち出せる(写真右)

『iD ナブラ ブラック』は2012 年発売モデル。小平が契約当初からのお気に入りだ(写真左)出っ歯で重心角が大きすぎず、重心距離も長め。左へのミスなく高く打ち出せる(写真右)

ウェッジは真ん中がへこんで見えるほどのフラットソール

ウェッジにも小平流こだわりが満載だ。

「片山さんの使っていたウェッジがいいな、と思い、同じものを作ってもらいました。ソール幅は狭めですが、真ん中はへこんで見えるくらい真っ平。きっちりバウンスもきいて、毎回同じように打てるようになりました。今は少しリーディングエッジに丸みを持たせて、アメリカの芝で少し沈んだボールも拾いやすくしました」

画像: フォーティーンRM-22 バウンスは13度と大きめ。(写真左)トウとヒール方向にも丸みのあるソールを平らに削ることで跳ね方や抜け方が安定する(写真右)

フォーティーンRM-22 バウンスは13度と大きめ。(写真左)トウとヒール方向にも丸みのあるソールを平らに削ることで跳ね方や抜け方が安定する(写真右)

パターは完全な小平仕様のキャメロン手削り

ウッド同様、パターもまったく替えていない。

「ヘッドの角がしっかり立っているのでストレートのイメージが出しやすく、狙いがボケないで構えられる。打感も少し音が出る感じで距離感が合いやすい。しっかりつかまえて、狙ったところに打ち出せるんです」

画像: スコッティキャメロン プロトタイプ 名匠スコッティ・キャメロンが小平のために自ら削ったヘッド。見た目は非常にシンプル(写真左)、ヘッドのエッジ部分がしっかり角ばっているため、スクェアに合わせやすい(写真右)

スコッティキャメロン プロトタイプ 名匠スコッティ・キャメロンが小平のために自ら削ったヘッド。見た目は非常にシンプル(写真左)、ヘッドのエッジ部分がしっかり角ばっているため、スクェアに合わせやすい(写真右)

ドライバーは短く44.25インチ

画像: ドライバーは短く44.25インチ

PHOTO/Hiroaki Arihara

月刊GD2018年7月号より

This article is a sponsored article by
''.