ストレスを味方にする訓練が必要
ゴルフは、考える時間が多く、自分の意思で始動するスポーツなので感情が乗りやすい。だから、ストレス(刺激)が入りやすい。
また、ゴルフには、動かないハザードと動くハザードがありますが、どちらも自分ではコントロールできないもの。それに対して嫌な経験がインプットされると、ストレスになり脳が覚えています。
ストレスがたまっていくとと苦手意識となり、筋肉が緊張したり、リズムが早くなったりしてミスが出ます。
人間が本来持っているストレス反応の行動パターンには『逃避』『戦う』『フリーズ』があり、フリーズがイップスの状態ですが、『逃避』も『戦う』も自分をコントロールできていない状態に変わりはない。ですから、ストレスを味方にする訓練が必要なんです。
プラス思考、切り替え思考のクセを日頃からつける
ストレスを味方にするとは、まず、そのストレスをどう評価するかから始めます。
ストレスに対して、それをどう認知するかで体の反応が変わるから、その認知を変えていくしかない。要は、いかにマイナスな感情をプラスに置き換えるかというところからやるべきです。
難しいと思う方も多いでしょうが、日常生活やラウンド中など、常にやるクセをつければ、そうなるものです。『大丈夫!』とプラスの言葉を思うことや、太陽を見たり、お尻を叩いたり、何かで体に刺激を与えることを切り替えのスイッチにすることは有効です。
ストレスがたまると体にもよくない。ストレスは“損”になると考えて取り組みましょう。
[状況別ストレス対処] 欲は2つ以上持たないこと
朝イチティショットでは、得意なクラブを持つ、「必ずボギーで上がろう」などそのホールの目標を持つ
「飛ばしていいところを見せよう、が目標ならそれでもOKですが、加えていいスコアを出したいと思うと二重の欲になります」
アゴの高いバンカー、初心者はアンプレヤブルもアリ。後ろや横に出す。大きく振り抜く
「一発で脱出したいけど変な所にいったら嫌だ、と考えるのは二重の欲。振りが小さくなって余計出なくなります」
狭くてトリッキーなホール、自信がないのにチャレンジするのはすでに二重の欲
番手を落として打つ、70%成功する確率のあるクラブを持つ、得意クラブを持つ。「ドライバーでチャレンジすのるも自信をつけるには大事ですが、自信がなくてチャレンジするのに結果も望むのは二重の欲。上手くいったらラッキーと思えば全部を受け止められます」
池越えのショット、はとにかく越える番手を持つ
避けるルートを考える、とりあえず越える得意番手を持つ、2番手くらい大きな番手で打つ。「グリーンをオーバーしたらどうしようと考えるのは二重の欲です。近いストレスから解消して、次のストレスはまた後で考えていくようにしましょう」
感じの悪い同伴者には、密かに楽しむ対策を立てる
「自分はそういうふうに思われる人間でなくてよかった」とか、その人の言動を予測して「ほら、当たった!」と密かに楽しむなど、対策を立てる。「その人の言動は変えられない。自分でコントロールできないものにイライラしても、メンタルバッテリーを浪費するだけです」
週刊GD2018年2月27日号より