現在はパットした球が差してある旗竿(人に付き添われていない場合)に当たると「ストロークで2打」の罰則が課せられますが、2019年からは無罰になります。
実際のパットにはどんな影響があるのでしょう。
江連忠ゴルフスタジオ山梨校の開地真裕プロを交え、様々なパターンで検証してみました。
[検証テスト1] さまざまな状況でランダムに実験
カップの正面だけでなく、曲がるラインでカップの左右からカップインする場合をテスト。
結果、通常と同じタッチであれば、ボールがピンに弾かれることはなく、問題なく入るケースがほとんどだと分かりました。「ピンを抜かないことのデメリットは感じませんね」(開地プロ)
[検証テスト2] ピンに当たって入る強さの上限を計測
ボールを毎回同じ強さで転がせる装置を作り、通常であればカップの縁を飛び出して1メートルくらい転がってしまう強さで転がしました。
結果、ピンを差した状態では、ほぼ100%に近い確率でカップイン。「これまでより強めでも、正面からピンに当たれば入りますね」(開地プロ)
[結論] ピンを差したままは、「強めに打てる」安心感が高まる
「ピンに真っすぐ当たれば、かなり強めに打っても入ることがわかりました」
「通常、『カップの向こう側の縁に当てるくらいのつもりで』と言われても、そこまで強く打てないものですが、ピンが立っていると安心感が強く、しっかり打てます。カップインの確率が上がると言っていいでしょう」
「たとえば強い下りでは、ピンにぶつかって止まることも考えられます」
「とはいえ、いくらピンがあっても、ピンに当たらないカップの縁を通過すれば、強く打ったぶんオーバーしてしまいます。メリットはあくまでも正面からピンに当たるケースです」
ロングパットについては「ピンがあったほうが距離感をつかみやすくなると思います。それに、当たってもいいと思えると、ピンがない時より積極的に狙っていける感じがします」
ピンを差したままパットする4つの目安
1 下りのラインは有利
2 ミドルからロングパット
3 真っすぐに差してあること
4 スロープレーにならないか
ところで、そもそもこのルール改正の趣旨は、4人のボールがそれぞれ別々の場所にあっても、誰かがピンに付き添う必要をなくすことで、プレー時間を短縮することにある。
メリットのあるショートや下りのパット、ロングパットだけピンを差して、あとは抜くというような抜き差しを繰り返すと、スロープレーになってしまい本末転倒。
ルール改正の趣旨に反してしまわないように気をつけてプレーしましょう。
週刊GD2018年06月26日号より