2019年1月1日から施行される新ルールで認められるカップにピンを差したままのプレー。ゴルファーにとってどんなメリットがあるのか、検証してみました!

現在はパットした球が差してある旗竿(人に付き添われていない場合)に当たると「ストロークで2打」の罰則が課せられますが、2019年からは無罰になります。

実際のパットにはどんな影響があるのでしょう。

江連忠ゴルフスタジオ山梨校の開地真裕プロを交え、様々なパターンで検証してみました。

解説/開地真裕プロ
一般のアマチュアからプロを目指すジュニアまで幅広い指導経験を持つ。江連忠ゴルフスタジオ山梨校(ETGS)のチーフインストラクター

[検証テスト1] さまざまな状況でランダムに実験

カップの正面だけでなく、曲がるラインでカップの左右からカップインする場合をテスト。

結果、通常と同じタッチであれば、ボールがピンに弾かれることはなく、問題なく入るケースがほとんどだと分かりました。「ピンを抜かないことのデメリットは感じませんね」(開地プロ)

画像: ピンがない状態と同じタッチで打つ限り、入るべきパットがピンに弾かれることはなかった

ピンがない状態と同じタッチで打つ限り、入るべきパットがピンに弾かれることはなかった

[検証テスト2] ピンに当たって入る強さの上限を計測

ボールを毎回同じ強さで転がせる装置を作り、通常であればカップの縁を飛び出して1メートルくらい転がってしまう強さで転がしました。

結果、ピンを差した状態では、ほぼ100%に近い確率でカップイン。「これまでより強めでも、正面からピンに当たれば入りますね」(開地プロ)

画像: 1mオーバーする強さでも正面から当たれば入ってくれる

1mオーバーする強さでも正面から当たれば入ってくれる

[結論] ピンを差したままは、「強めに打てる」安心感が高まる

「ピンに真っすぐ当たれば、かなり強めに打っても入ることがわかりました」

「通常、『カップの向こう側の縁に当てるくらいのつもりで』と言われても、そこまで強く打てないものですが、ピンが立っていると安心感が強く、しっかり打てます。カップインの確率が上がると言っていいでしょう」

「たとえば強い下りでは、ピンにぶつかって止まることも考えられます」

「とはいえ、いくらピンがあっても、ピンに当たらないカップの縁を通過すれば、強く打ったぶんオーバーしてしまいます。メリットはあくまでも正面からピンに当たるケースです」

ロングパットについては「ピンがあったほうが距離感をつかみやすくなると思います。それに、当たってもいいと思えると、ピンがない時より積極的に狙っていける感じがします」

画像: ピンの有無で視認しやすさには雲泥の差。ピンがあることで遠近感もつかみやすくなる

ピンの有無で視認しやすさには雲泥の差。ピンがあることで遠近感もつかみやすくなる

ピンを差したままパットする4つの目安

1 下りのラインは有利
2 ミドルからロングパット
3 真っすぐに差してあること
4 スロープレーにならないか

ところで、そもそもこのルール改正の趣旨は、4人のボールがそれぞれ別々の場所にあっても、誰かがピンに付き添う必要をなくすことで、プレー時間を短縮することにある。

メリットのあるショートや下りのパット、ロングパットだけピンを差して、あとは抜くというような抜き差しを繰り返すと、スロープレーになってしまい本末転倒。

ルール改正の趣旨に反してしまわないように気をつけてプレーしましょう。

週刊GD2018年06月26日号より

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