寝苦しい夜がつづきますが、睡眠不足のまま仕事にゴルフにとアクティブに過ごす人も多いはず。実はそんな寝不足は、命とりになるケースがあるのだとか。これは危ないと、さっそく対策を専門家とプロゴルファーに聞きました。

お話を伺ったのは、
医学博士・梶本修身氏
大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長

‟寝なくても平気”が危ない!「睡眠負債」と「隠れ疲労」

ほぼ徹夜でコースに行っても、大好きなゴルフをしているときは疲れなんて感じない。という経験をしたことがある人も多いのではないだろうか。

実はその状況、かなり危険なんです。

「遊びのワクワク感や高揚感が勝って、疲労が認識できなくなることがあるんです」と梶本博士。

この本人が認識できない疲労が「隠れ疲労」。この状況がつづき、疲れが蓄積されていくと、最悪のケースも……というから恐ろしい。

そもそも「疲れ」って何?
「脳の自律神経が活発に働くことによって、脳内にある自律神経の中枢で疲労が生じます」。つまり、疲労とはエネルギー不足や筋肉にたまった乳酸が……ということではなく「心拍や呼吸、体温調節を制御する脳内の自律神経が疲労した時、それ以上、自律神経を酷使させないために、防御的に興されるもの」、それが疲労感の正体。

疲労した自律神経を回復させる唯一の方法、それが睡眠。

疲れてしまった自律神経を回復させるためには、質の良い睡眠が必要。

ただいくら長時間横たわっていても、それだけでは「寝ているのに疲れが取れない」となり、集中力も低下してしまいます。

自分に何時間の睡眠が適してかについては個人差もありますが、目覚ましをかけずに自然に起きた時間がひとつの指標になるんだとか。何度か繰り返して平均値をとると、ある程度の目安がわかるはずです。

自然に起きた睡眠時間と普段の睡眠時間に2時間以上の差があるなら、睡眠不足が蓄積した「睡眠負債」の状態かもしれません。

睡眠上手になろう! ぐっすりに導く4つのポイント

1.夕食は就寝の3時間前までに済ませる
床についても消化のために自律神経が働くようでは良くない。

2.酒・タバコ・カフェインの覚醒作用に注意
たばこは1~2時間、カフェインは4~5時間も覚醒作用がつづく。

3.夜は‟明かり”に気をつける
夜遅くにスマホなどの明るい光を浴びると睡眠ホルモンの分泌が抑制される。

4.風呂はタイミングと温度に気をつける
熱い湯に入ると交感神経の働きすぎで疲れてしまう。ぬるめでリラックスを。

5.寝る前の”儀式”を決めてしまう
パジャマに着替える、白湯を飲む、ストレッチなど‟やること”を決める。

参考に! 猛暑でも戦うツアープロの快眠テクニック

画像: 夏場のトーナメントは猛暑との闘い。万全の体調管理が求められる

夏場のトーナメントは猛暑との闘い。万全の体調管理が求められる

就寝前3時間は酒を飲みません。寝る前はテレビを見ながらストレッチを習慣に(高橋勝成)

プロになってからずっと同じ形の枕を使っています。エアコンは27度か28度で(堀琴音)

九州出身で暑さには強いほうですが、部屋では無理せずエアコンをつけます。体調を崩すという人もいますが、寝苦しいよりずっといいです(時松隆光)

部屋が静かだと眠れないので、テレビをタイマーで消えるように。熱めの風呂と冷ための風呂に交互に入った夜は、深く眠れるような気がします(永野竜太郎)

お風呂にサッと入り、ちょっと汗をかいて寝るとぐっすりです。ツアー中は10時までには寝て、起きるのは5時くらいです(渡邉彩香)

PHOTO/Hiroyuki Okazawa

週刊GD2018年7月24日号より

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