5メーカーのアイアンから選んだ、ミズノJPX900ツアー
2016年のダンロップフェニックスで日本ツアー初優勝を飾った時は、ドライバー以外は契約先のナイキのクラブで揃えていたケプカ。だがナイキのクラブ事業撤退に伴い、契約フリーに。
直後のフェデックスカッププレーオフの間に、アイアンは5メーカーのモデルを試した結果、ミズノ『JPX900ツアー』に替わった。
少しヒール目に集中する打痕は日に日に濃くなる
ジュニア時代にミズノMP-32を愛用していたケプカ。
以前にケプカが契約していたタイトリストとの期限が切れる頃に、ケプカに使ってもらうことを想定し、ミズノが形も色も性能もケプカ好みに合わせたモデルが、このJPX900ツアーだった。
その狙いは見事に的中し、5メーカーのアイアンテストを経てケプカのバッグに入ることになった。
顔良し、抜け良し、打感良し! さらに飛びざまにゾッコンしたという
ヘッドは市販と同じ。ライ角のみ0.5度アップライトに調整している。
サイズはコンパクトで操作性が高い。太陽光の反射を防ぐサテン仕上げ加工もケプカ好み仕様。
そして、2017年と2018年の全米オープン連覇。「アイアンはフィーリングが何より大事です」(ケプカ)
M3 460は理想のスピン量が出せる
ドローで2200回転、フェードで2800回転
ドライバーはプレーヤーズ選手権から、テーラーメイド『M4』から『M3 460』に。
「ドローとフェードが打ち分けやすい。特にフェードがかかりすぎて右に行かないのがいい。しかも向かい風でも吹き上がらず安定して飛びます」
『M3』は2つのウェートをスライド移動できるが、両方とも最大限後方にセット。
「以前使っていた『M2』(2016年モデル)と同じような感じになり、平均飛距離が高い」(ケプカ)
ディープすぎないので上がりやすい
ウェートを前方に動かせばスピン量を抑えてさらに飛ばせるはずだが、ケプカは〝安定したコントロール性〞を重視。
ドローで約2200回転、フェードで約2800回転がケプカの理想のバックスピン量であり、『M3』はそれがほぼ完璧だという。
ロフトの大きなウェッジほど開きやすいソール形状に!
タイトリストの『ボーケイウェッジ』シリーズを長く愛用。現在は『SM7』の52度(Fグラインド)、56度(Sグラインド)、60度(TVD、Mグラインド)をバッグに入れている。
ユニークなのは、バウンス角とソール形状。ロフト52度のバウンス角12 度に対し、56度は10度、60
度は8度と減っている。さらにソール形状も、ロフトが大きいほど開きやすくなっている。
ロフトを起こしながらスピンをかける、ケプカの技術力を引き出す仕様といえる。
米ツアーで初優勝したときの縁起のいいパター
構えやすさがお気に入り
米ツアー初優勝時に使用。ナイキのパターからこれに戻し、好調を持続。
ティショットでもセカンドでも使う中空ヘッドの3番アイアン
ユーティリティと呼んでもいい中空構造ヘッドのアイアン。3番のみ使用中。
ロフト多めで打ち出し角の高いM2ツアー
3番のHLモデルはロフト16.5 度。「スピンが入って、ゆるやかな着弾なのがいい」(ケプカ)
シャフトの長さロフトもノーマル使用
PHOTO/Hiroyuki Okazawa
TEXT/keiichi togawa
月刊GD2018年9月号