男子ツアープロへミニ調査
みんな「右足の粘り」を意識していた!
星野陸也プロ「右足を伸ばすとヘッド加速するんです」
「スウィングタイプによって右足の使い方は変わると思います。自分は背中側の筋肉を使って振っているので、切り返した後に左にシフトしながら右足を伸ばすように使います。ややかかと重心で体が前に倒れないように意識しています。この『右足が伸びる』ことが粘りだと思います」(星野陸也プロ)
「右足のかかとが浮いて右ひざが前に出るとクラブの通り道、手を通すスペースがなくなります。結果、詰まったインパクトになってしまいます。ダウンは加速感が強くなるので、どうしても右足かかとが浮きやすくなるので、それを粘って我慢させています」(北村晃一プロ)
「右足は確かに粘らせているイメージはあります。スウィングタイプ的に静かに振りたいので、右足で蹴るみたいな動きはありません。ただし、その場で体を回すために右足は粘らせる必要はあります。下が安定することで大きなパワーを生むことができるんです」(時松隆光プロ)
「蹴ることはしないです。地面に向かって重心を下げるイメージです。重心が高くならないように、ひざの高さを意識しながらスウィングしています。その結果、右足は粘った状態になっているはず。粘れていれば、力がボールに伝わるので飛距離が伸びます」(市原弘大プロ)
熊渕善太プロからアドバイス【粘る右足のポイント】
「まずは意識改革です! ‟回転”ではなく‟ジャンプ”をイメージ!」
【指導】熊渕善太プロ
1979年生まれ兵庫県出身。岐阜県のコパン各務原でレッスンを行う
「右足を粘らせるために大切なのが、スウィングイメージを変えること」と熊渕プロ。
「バスケットボールのジャンプシュートは一度ひざを曲げて伸ばすから高く飛べますね、要は同じです。ジャンプしようとすると誰もが自然に足で地面を踏むはず。これが右足を粘らせる動きにつながるんです」
「スウィングを回転だと考えると、重心が高くなり、下半身が浮きやすくなります。右ひざが左に流れたり、前に出やすくなったりするわけです」
「それを防ぐには。スウィングイメージを"ジャンプ"に変えること。回転ではなく縦の動きを使うことで地面からの力を使うことができます」
なるほど、回転は意識しなくても自然に起こるもの。地面の力を使えれば、簡単に飛距離を伸ばせるということですね。
【粘る右足・会得ドリル】
右足かかとの後ろにボールを置き、ボールを真後ろに飛ばしてダウンスウィング!
「回転の意識をもったまま地面を蹴ろうとすると、右足かかとが浮いて右ひざが前に出やすくなってしまいます。この蹴り方では粘れません」と熊渕プロ。
「右足のかかとの後ろ側にボールを置いて。それを真後ろに飛ばしてください。背中側に力を働かせることで右ひざを伸ばす感覚がつかめるはず。この蹴り方ができると、体を回転させる意識が消えて、胸の開きが抑えられます」
「蹴る方向を背中側にすることで、地面に圧をかけられるので軸が左右にブレることも防げるようになります」
右足の粘りに"強さ"をプラスする。『つま先上げて、お尻は後ろ!』
ジャンプの動きを取り入れる際に本当にジャンプしてしまうと当然ボールは打てない。そこで実際にボールを打つために必要な右ひざを伸ばすためのコツを教えてもらいました。
「アドレスした状態で真上に飛べる人はほとんどいません。理由は前側に重心があるからです。意識がボールに向いているので自然と前側になっているケースも多いでしょう」
「ポイントは背中側です。具体的に言うと脚の後ろ側。ジャンプしてひざを伸ばすと脚の後ろ側に張りができると思いますが、これがスウィング中にも必要。かかとをつけたまま、つま先を上げながらクラブを振ってみてください」
つま先上げドリルの注意点
1.頭の位置は変わらない
2.フィニッシュは体に巻き付くように
3.必ず両つま先を上げる
【チェックドリル】 『屈伸打ち』
ハーフスクワットの姿勢でトップ、右足を伸ばしてインパクト
最後に右足がちゃんと粘れているかチェックする方法を教えてもらいました。
「右足をベタ足で打とうとしてもできない理由は、どうしても右から左への『横の動き』が入ってしまうから。そこで思い切ってトップで両ひざを落として、ダウンスウィングからインパクトで伸び上がるスクワットを、回転は一切意識しないでやってみましょう」
「とにかく屈伸です。足を伸ばす動きに引っ張られてクラブが振られます。まっすぐ飛ばす必要はありません。手が返って左に飛べばOKですよ」
熊渕善太プロのスウィング
週刊GD2018年9月11日号より