秋の新作ドライバー打ち比べ「第2弾」は、打倒! テーラーメイド、キャロウェイに闘志を燃やすタイトリストの2モデル「TS2」と「TS3」です。全米オープンの前週にいきなりPGAツアーでお披露目するや、選手もテストを重ねることなく即実戦投入した。それはある意味、迷うことのない性能の高さを証明するものだ。そんなTS2とTS3をヘッドスピード45m/sの高島早百合プロが人間試打マシーンとなり徹底検証。性能分析には伊丹大介プロが加わった。

【試打】高島早百合
2011年プロテスト合格。恵まれた体格と持ち前の飛距離を武器に2010年東北ジュニア優勝などジュニア時代から活躍

【解説】伊丹大介
わかりやすいレッスンが定評。クラブにも精通し、1球打てば、そのクラブの性能がほぼわかる試打のスペシャリスト
9シリーズの後継ではない。劇的に進化したタイトリストTS
「2018年秋の新作ドライバーで一番変わったなと思ったのがタイトリストです。とにかくやさしくなって、いい意味で『タイトらしさ』が薄まりました。上級者だけでなく幅広いゴルファーが気持ちよく飛ばせるドライバーになりました」(伊丹プロ)
タイトリストは2011年の「910」で、これまでの「飛ばないタイトリスト」のイメージを一新した。キャッチフレーズは「タイトリスト史上一番弾くドライバー」。この進化に世界中のゴルファーが「ナインテン」の虜になった。
その後、913、915、917とタイトリストらしい正当進化を遂げてきたが、ライバルのテーラーメイドとキャロウェイがここ数年、革新的なテクノロジーを導入しタイトリストに水をあけたのは周知の事実。

重心深度が41.1mmと深く、高慣性モーメントによるスウィートエリアの広さを重視した設計。フェースの開閉が少ないスウィングに向いている

ヘッドの返りがスムーズで、ドロー、フェードともに打ちやすい。低重心・低スピンに加えて、初速の速さが特徴なので最大飛距離アップが目指せる
「タイトリストの前までのモデルは打感の硬さが気になりましたが、TSは柔らかく、気持ちがいい。シャフト次第でいろんな人が使えると思います」(高島)
今回ニューモデル、TS2とTS3はいずれも460㏄に統一。TS2がややシャローでソール後方にウェートがひとつ。TS3はややディープで重心調整機能を装備している。
「やさしいけれど球が高すぎるわけでなく、ロフトなりの弾道がでるので、ヘッドスピードが遅めの人はロフト10.5度のチョイスがいいと思います」(伊丹プロ)
【タイトリストTS2】

TS2には「クロカゲ」と「スピーダー」のタイトリスト純正シャフトがラインナップされています。「クロカゲは、ある程度ヘッドスピードが必要ですが、ストレートに打ちやすく、出球が安定しました」(高島)
「スピーダーはシャフトがしなってボールを弾いてくれるので初速アップが期待できます。タイミングがとりやすく一発の飛びが期待できます」(高島)

【TS2 試打スペック】
ロフト9.5度/フレックスS(タイトリスト・クロカゲ/タイトリスト・スピーダー)/ヘッド体積460cc/長さ45.25インチ(弊社調べ)
●フライトスコープによる弾道データ(タイトリスト・クロカゲ)


●フライトスコープによる弾道データ(タイトリスト・スピーダー)


【タイトリストTS3】

「ヘッドが大きいのに操作性のよさに驚きました。PGAツアーの選手が即持ち替えた理由がわかります。叩いても左に行かない安心感と操作性」(高島)
「打感も917までのものと比べると格段に柔らかくなっています。インパクトでボールがつぶれているような手ごたえから、フェースやクラウンのたわみでボールを押し返してくる感じがあります」(高島)

【TS3 試打スペック】
ロフト9.5度/フレックスS(タイトリスト・ツアーAD)/
ヘッド体積460cc/長さ45.25インチ(弊社調べ)
●フライトスコープによる弾道データ

2018年秋の新作ドライバー飛距離「暫定」ランキング
1位248.1ヤード/TS3(ツアーAD)
2位246.3ヤード/スリクソンZ785
3位246.2ヤード/TS2(クロカゲ)
4位245.5ヤード/ツアーB XD-3
5位245.3ヤード/スリクソンZ585
6位245.2ヤード/TS2(スピーダー)※「9モデル中6本」試打終了時点
試打はゴルフ倶楽部成田ハイツリー1番ホールで行い、使用ボールはテーラーメイドTP5X。弾道計測はフライトスコープ。5球計測し一番飛んだ打球と一番飛ばなかった打球を除く、3球の平均値を取りました。

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週刊GD2018年9月11日号より