プロモデルに異変あり。秋モデルから小ぶりヘッドが姿を消した!
3回に分けて分析してきた「秋の新作ドライバー」も今回で最後となります。性能分析をしてくれた伊丹大介プロは、9モデル10本の新作モデルを見て、プロモデルの異変に気が付いた。
「これまでタイトリストやブリヂストン、スリクソンなどのいわゆるプロモデルには、体積の小さい小ぶりなツアーモデルが用意されていましたが、今回はすべて460ccの大型ヘッドとなっています。近年はプロでも重心距離が長く、重心の深いクラブを使って、高打ち出し、低スピン弾道を打つようになったためだと思います」(伊丹)
クラブを操り技術で飛ばすことよりも、高い弾道でスピン少なめの方が、結果飛んで、曲がらないということがPGAツアーに浸透したことが、2018年の秋モデルに形となって出てきている。
「技術で飛ばすよりも、やさしく飛ばす。プロとアマチュアの使用するクラブがグッと近づいた感じがします。ここまで飛びが研究されている以上、もはや飛ばないドライバーはないといっていいでしょう。しかし、スウィングによって合う、合わないはあります。重心距離が長く、重心深度が深くなれば、その傾向は強くなると思います」(伊丹)
今回は参考記録として高島早百合プロの飛距離ランキングを記載しましたが、その差は「ない」といっていいほどの僅差。しかし、高島プロのコメントからは飛距離以上にフィーリングの差を感じて
いることがわかる。飛ばすなら、やっぱり気持ちよく飛ばしたい。この記事を読んで、そんなドライバーと巡り合えるヒントになればいいと思います。
【プロギアRS】
「構えたときにやさしく見えるヘッド形状。重心が深くヘッドがブレにくい。出球は高いのにスピン量が適正だったことが、飛距離が伸びた要因です」(高島)
●フライトスコープによる弾道データ
【プロギアRSF】
「左に行かない安心感があるので思い切り叩いていけます。しかも叩いてもスピンが増えないところが凄い。打球がねじれない綺麗な放物線弾道で飛んでくれました。ちなみに今回試打した10本のうち一番飛んだのがRSFでした」(高島)
●フライトスコープによる弾道データ
【テーラーメイド Mグローレ】
ツイストフェースなどMシリーズのテクノロジーを搭載した日本専用モデル。「中弾道のバランスのいい球が打てました。ヘッドスピード40m/s以下の人が飛ばせる設計だと思います」(高島)
●フライトスコープによる弾道データ
【ヤマハ インプレスUD+2】
「セミグースとフックフェースでつかまり性能をアップ。右へのミスをとことんなくす設計です。ボールをつかまえて飛ばそうという意図がはっきりわかるドライバーです」(高島)
●フライトスコープによる弾道データ
2018年秋の新作ドライバー「参考」飛距離ランキング
1位249.3ヤード/プロギアRSF
2位248.1ヤード/タイトリストTS3
3位247.1ヤード/プロギアRS
4位246.3ヤード/スリクソンZ785
5位246.2ヤード/タイトリストTS2(クロカゲ)
6位245.5ヤード/ツアーB XD-3
7位245.4ヤード/Mグローレ
8位245.3ヤード/スリクソンZ585
9位245.2ヤード/タイトリストTS2(スピーダー)
10位239.5ヤード/インプレスUD+2 (※赤文字は「第3回」登場モデル)
試打はゴルフ倶楽部成田ハイツリー1番ホールで行い、使用ボールはテーラーメイドTP5X。弾道計測はフライトスコープ。5球計測し一番飛んだ打球と一番飛ばなかった打球を除く、3球の平均値を取りました。
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