確実にフェアウェイをキープするドライバーショット。いまや日本ツアーを代表する曲げないショットメーカー時松隆光のスウィングを、プロコーチ・井上透が分析した。
【時松隆光】
ときまつりゅうこう。1993年生まれ。週刊GD連載「みんなの桜美式」でおなじみのベースボールグリップを武器に戦う。賞金ランキングは現在3位。フェアウェイキープ率4位、平均ストローク6位(9月19日時点)
「左右の重心移動がとても少ないから曲がらない」by井上透
時松選手のスウィングを見てまず気づくのは、左右の重心移動が非常に少なく、前傾角度が崩れない点です。これはどちらも方向性を安定させるポイントで、時松選手はそのふたつの要素を兼ね備えた曲がらないプレーヤーであることがわかります。
注目したいのは、クラブを立てながらバックスウィングし、ループを描くようにしてクラブを倒しながら下してくるところ。
これは池田勇太選手や青木功選手などにも見られる動きですが、この動作によってクラブが低いところから下りてきます。
打ち急がずに、ゆっくりループさせるからクラブが低いところから下りる
その結果、クラブの入射角度はゆるやかになり、無駄なスピンが抑えられるため方向性が安定しやすいのです。
安定したループ軌道を描くには、切り返しを急がず、ゆっくり行うことが大切。
それが時松選手のゆっくりとしたリズムとテンポを生み、強振を防いで、彼の正確性をより高めているのでしょう。
【解説】井上透
プロコーチ。東大ゴルフ部監督。日本のプロコーチの代表的存在。現在は成田美寿々、穴井詩、川岸史果らのコーチを務める
週刊GD2018年9月18日より