バンカーショットが苦手で、「アゴが高い状況など高い球が必要なときに、高さが足りずに出ないことが多いんです」とは、とあるアマチュアの声。きちんとフェースを開いて構えているのに何故かうまく出ない……という人も必見、米国仕込みのインストラクター、小暮博則プロが答えます。
画像: 【指導】小暮博則プロ 72年生まれ。埼玉県出身。12年「スタック&チルト」理論の生みの親、M・ベネット、A・プラマーから直接指導を受ける

【指導】小暮博則プロ
72年生まれ。埼玉県出身。12年「スタック&チルト」理論の生みの親、M・ベネット、A・プラマーから直接指導を受ける

画像: 【教わる人】永野雅俊 65歳、ゴルフ歴20年、ハンディ21

【教わる人】永野雅俊
65歳、ゴルフ歴20年、ハンディ21

「バンカーショットはオープンスタンスでフェースを開いて、上から打つ」を実践しているのに、ボールがうまく上がらないという永野さん。一見では、セオリーに忠実なことをしているように見えるが……。

「バンカーは上から打ち込む」という永野さんのスウィング

永野 ちゃんとオープンスタンスにして、カットに売っているのに、どうして球が上がらないんですか?

小暮 バンカーショットは、そもそもオープンスタンスにする必要がないんです。それに、上から「打ち込む」というのも必要ありません。

永野 ええっ!? 「上からドスンッ」じゃないんですか?

小暮 上から打とうとすると、大抵の場合は“刃”から入ってしまい、むしろヘッドが刺さって、うまく出ないことが多いんです。

小暮 永野さんみたいに、アップライトに上げる人はなおさらです。通常のアプローチみたいに構えて、普通にインサイドインで打つ方が、入射角が浅くなってソールが上手く働いてくれます。

アップライトに上げると入射角が鋭角になる

画像: 「永野さんはクラブ軌道をアップライトに上げすぎです」と小暮プロ

「永野さんはクラブ軌道をアップライトに上げすぎです」と小暮プロ

インサイドに上げて、インサイドから下ろすと砂が薄く取れ、球が上がりやすい

画像: 「バンカーは上から打ち込む」という永野さんのスウィング

小暮 「オープンスタンスでカットに打つ」と、「上から打ち込む」というのがバンカーショットの『2大勘違い』。これが球を上げづらくしているんです。

永野 知らなかった……。でもフェースは開くほうがいいんですよね?

小暮 バンカーでボールを上げるには、フェースを開いて構えるのではなく、スクェアに構えておいて、「開きながら」上げるといいです。たとえばフェースで砂をすくって、テークバックの動きで砂を背後に飛ばせれば、開きながら上がられた証拠です。一緒にやってみましょう。

画像: (左)フェースを開きながら上げたトップ (右)オープンスタンスでアウトに上げたトップ

(左)フェースを開きながら上げたトップ (右)オープンスタンスでアウトに上げたトップ

フェースを開きながら上げれば、高い球になる

フェースに乗せた砂を自分の背後に飛ばせるかな?

画像: フェースで砂をすくってフェース面に砂を乗せる

フェースで砂をすくってフェース面に砂を乗せる

画像: カットに上げる砂は自分の前に落ちてしまう

カットに上げる砂は自分の前に落ちてしまう

画像: 砂が背中のほうに飛べば、正しいバックスウィングだと判断

砂が背中のほうに飛べば、正しいバックスウィングだと判断

画像: 左)インから下ろすとヘッドが抜けて砂が薄く取れる、右)上から入れすぎるとヘッドは刃から入り潜る

左)インから下ろすとヘッドが抜けて砂が薄く取れる、右)上から入れすぎるとヘッドは刃から入り潜る

フェースを開いて上げるバックスウィングを確認しながら、バンカー内で素振りを繰り返す永野さん。ヘッドが深く潜らずに薄く抜ける感覚をつかんだ様子。

ボールが高く上がった!

画像: ボールが高く上がった!

永野 インサイドイン軌道でソールから接地させられるようになったら、高さが出るようになりました。砂も薄く取れています。小暮プロ、ありがとうございました。

TEXT/Daisei Sugawara

月刊GD2018年10月号より

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