米PGAツアーのトータルドライビングで堂々の1位(2018シーズン)。飛んで曲がらないスウィングの持ち主、ホアキン・ニーマン。世界アマチュアランキングに長く1位に君臨し、プロ入り後にはまたたくまにシード権を獲得。フォロースルーで頭がさらに沈みこみ、両目のラインが"タテ"になる、規格外のスウィングを石井忍プロが解説。
ホアキン・ニーマン(Joaquin Niemann)チリの首都サンティアゴ出身。アマチュアで23勝を挙げ、世界アマランクで長らく1位。今季プロ転向後8試合でシード権獲得。19歳(10/5時点)
タテとヨコの"ふたつの屈曲"で効率よく飛ばす!(石井忍'sポイント)
毎回ほぼスクェアヒット! ドロー、フェードも自由自在
上の写真でふたつの屈曲が見られると思います。
ひとつは状態の前傾が深まる正面の屈曲(4コマ目)。もうひとつは側面の屈曲(3コマ目)です。
スプリングを想像してもらえるとわかるかもしれませんが、正面の屈曲で縮んだバネが回転することで横に移動します。フリートウッドやダスティン・ジョンソンも同じタイプですが、共通するのは腕の自由度が低いこと。
つまり腕で操作せずに体のパワーを生かしてレートヒットさせているのです。
これならヘッド軌道、入射角が安定し、効率よく飛ばすことができます。
屈曲をうまく作る肝は骨盤。トップまでは骨盤が前傾を保ちますが、切り返しから後傾し、ここで左股関節のリミッターが外れ、左腰を目一杯切ることができるんです。
バックビューも驚異のカタチ
両ひざが平行になったポジション(3コマ目)で左腕がまだ高い位置にあるのが凄いですね。抜群の柔軟性と股関節の広い可動域を活かした、腕に頼らない高効率スウィングです。
【解説】石井忍
プロコーチ。薗田峻輔、安田彩乃らのコーチを務める。週刊GDで『考えないショートゲーム』連載中
PHOTO/Tadashi Anezaki
月刊GD2018年11月号より