アルファロメオの歴史上、初めてとなる本格SUVが「ステルヴィオ」だ。スポーツセダン「ジュリア」に次ぐ新世代アルファロメオのフラッグシップモデルとして登場。たしかに見た目はSUVだが、その走り、ハンパない。

ステルヴィオってどんなクルマ?

アルファロメオは今年で創業108年。第2次世界大戦前から、さまざまなレースカテゴリーで活躍したスポーツカーを製造してきた歴史あるブランドだ。戦後は紆余曲折があったものの、近年はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)傘下で、「華のある高級大衆ブランド」という立ち位置になっている。そして、今年からスイスのザウバーF1チームと組んでF1レースに復帰するなど、アルファロメオの真髄といえるレーシングスポーツ魂は、いまも変わることはない。

そんなスポーツカーブランドのアルファロメオから、長い歴史上初めて本格SUVが登場したのだから、もう期待しないわけにはいかない。

全長は4690mmと「プレミアムD-SUV」と呼ばれるクラスにセグメントされる。ここにはレクサスRXをはじめ、ボルボXC60/メルセデス・ベンツGLC/BMW X3/アウディQ5/ジャガーFペイス/ポルシェマカンなど、そうそうたるライバルが揃う。日本だけでなく、いま世界中の市場で人気のクラスだ。

画像: 試乗車のボディカラーはストロンボリグレー。Cd値(空気抵抗係数)は0.30とクラス最高

試乗車のボディカラーはストロンボリグレー。Cd値(空気抵抗係数)は0.30とクラス最高

ステルヴィオは、4ドアFRセダンのジュリアにも用いられる「ジョルジオプラットフォーム」を採用。2820mmのホイールベースは共通としながら、最低地上高はジュリアよりも65mm高い。

実際に運転席に座ってみると、着座姿勢はまさにジュリアと同様の自然なポジションになる。ただし190mmもアイポイントが高いため、窓の外の景色はジュリアとはまったく異なって映る。

画像: フラッグシップFRセダン、ジュリアのプラットホームを使用。日本は2017年9月に発表

フラッグシップFRセダン、ジュリアのプラットホームを使用。日本は2017年9月に発表

画像: 質感も高く、妖しい雰囲気さえ漂う室内。8.8インチの車載インフォシステム「Connectシステム」を搭載する

質感も高く、妖しい雰囲気さえ漂う室内。8.8インチの車載インフォシステム「Connectシステム」を搭載する

ワインディング路での走りはまさにスポーツカー

スタートボタンを押しエンジンを始動、走り出す。

搭載するエンジンは2L直4ターボ。「こんな大きなSUVなのに、2Lエンジンで大丈夫なの?」と思う気持ちもわかる。だがパワーは280ps、トルクは400Nmもあるので、力強さは感じることはあっても非力さはまるでない。また低回転からのトルクの盛り上がり方が自然で、止まる/走る/止まるが多い一般道での走行でも、違和感なく走ることができる。

ステルヴィオが活き活きとするのは、やはりワインディング路だった。小さいコーナーが連続する場所でも、ロール感を伴わずクリアしていく様子は、まさにスポーツカーのそれ。ドライバーの視点が高めのSUVを運転しているとはどうしても思えない。スポーツカーブランド、アルファロメオの真骨頂だ。大型のパドルシフトを積極的に使って、マニュアル感覚でずっと走っていたくなる。

画像: 全高は1680mmあるが、コーナリング中ロール感を伴わない。運転していてもスポーツカーを操る感覚だ

全高は1680mmあるが、コーナリング中ロール感を伴わない。運転していてもスポーツカーを操る感覚だ

ハンドリングも相当クイックに設定されている。こぶしひとつぶんハンドルを左右に動かすだけで、クルマの向きがピッピッと変わっていく。

日常のドライブでもワクワクできるSUV

ロール感が伴わないコーナリング、と表現したからといって足まわりをがちがちに固めて無理くり踏ん張っている感じでもない。たとえば、日曜の昼下がり、コストコなどに買い物ドライブに行く街乗りでも、リアシートに座る家族や仲間から「乗り心地が悪いよ!」などの言葉が出ることはない。

ゴルフ場へ向かうワインディング路はもちろん、高速道路の走行でも、高速に乗る手前の一般道でもワクワクする、そんなドライビングプレジャーの演出がなされている。もしかすると「ドライブは平常心でどこまでも走って行きたい」という人には向いていないのかもしれない。クルマ=ロマン、クルマ=華、を求める伊達男こそ、気に入るだろう。

画像: 高速走行も高揚感に溢れるドライビング。2本出しのマフラーがカッコイイ

高速走行も高揚感に溢れるドライビング。2本出しのマフラーがカッコイイ

最小回転半径が6.0mと、小回り性能がイマイチな点だけは気になったが、室内のイタリアンテイスト溢れるデザインや、真っ赤な本革シートの肌触りとともに、人とは違う選択をしたい人にはオススメのSUVだ。

アルファロメオ ステルヴィオ主要諸元

画像: アルファロメオのフロントグリルの特徴である「盾」を強調するためにナンバープレートは左側にオフセットされる。これは欧州仕様も同様

アルファロメオのフロントグリルの特徴である「盾」を強調するためにナンバープレートは左側にオフセットされる。これは欧州仕様も同様

ステルヴィオ ファーストエディション
●全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm ●ホイールベース=2820mm ●車両重量=1810kg ●エンジン=直4DOHCターボ ●排気量=1995cc ●最高出力=280ps/5250rpm ●最大トルク=400Nm/2250rpm ●トランスミッション=8速AT ●駆動方式=4WD ●車両価格=689万円

今回乗ったのは、日本導入記念限定車「ファースト・エディション」。カタログモデルの「2.0ターボQ4(655万円)」「2.0ターボQ4スポーツパッケージ(691万円)」「2.0ターボQ4ラグジュアリーパッケージ(691万円)」も登場。装備違いで選択ができるようになった。

ステルヴィオ カタログモデルの記事はコチラ

ドイツのニュルブルクリンクでSUV最速タイム!

こちらは年内上陸予定のハイパフォーマンスモデル、ステルヴィオ「クアドリフォリオ」

ステルヴィオは、「さすがアルファロメオ」と言いたくなる記録を持っている。ハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」は、ニュルブルクリンク北コースで量産SUV最速のラップタイムを記録。こちらも2018年内の導入を予定している。

画像: Alfa Romeo Stelvio Quadrifoglio | New Record at Nürburgring www.youtube.com

Alfa Romeo Stelvio Quadrifoglio | New Record at Nürburgring

www.youtube.com

TEXT/Makoto Negishi PHOTO/Mitsuru Tamai

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