タイガー・ウッズの復活を決定付けた「全英オープン2018」を振り返ってみると、難コース、カーヌスティ対策に持ち込んだユーティリティ(海外では「ハイブリッド」も名称)が吉と出た。ティショットの精度が求められる「魔の18番」を4日間をパーで切り抜けことができたのは、FWとロングアイアンの飛距離のギャップを埋めるために作られたその名も「ギャッパー」(GAPR)の活躍なしには難しかったと思う。全英オープンではティショット用にユーティリティ(ハイブリッド)を入れる選手が多いが、それを機に「ギャッパー」人気はPGAツアーでも急上昇。松山英樹は実戦投入。ダスティン・ジョンソン、トミー・フリートウッド、パトリック・リードらも積極的にテストしているという。

実物見ましたが、「カッコいい!」です。スコア主義ならHI(ハイ)の4番、5番を入れたい

画像: 実物見ましたが、「カッコいい!」です。スコア主義ならHI(ハイ)の4番、5番を入れたい

タイガーと言えば、長い番手はFWとロングアイアンという組み合わせを続けてきたが、カーヌスティでついにユーティリティ(ハイブリッド)をバッグに入れた。魔物が棲むと恐れられる18番ホールで、テーラーメイドの新ハイブリッド「ギャッパー」(GAPR)をティショットで駆使し、4日間パーで切り抜けることができた。

このクラブは文字通り、FWとロングアイアンの飛距離の「ギャップ」を埋めるためのもので、低い強弾道で飛ばしたいなら「LO」(ロー)、高い弾道なら「HI」(ハイ)、その中間でライへの対応力に優れる「MID」(ミッド)と、プレーヤーの好みに応じてヘッドを選択することができる。

ヘッド内部には「スピードフォーム」という充填剤を入れ、反発を維持しながら打感、打感を向上させている。すでに、「カスタム限定」で10月5日からオーダーがはじまっている。価格は1本32,000円(税別)~。装着シャフト、グリップ等によって価格は変動します。

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タイガーは「LO」の2番を使用。PGAツアーの人気もやっぱり「LO」。でも・・・

今回試打をお願いしたスイング碑文谷内の「クールクラブス」のフィッター平野義裕さんによれば、「LOはパワーがいります。やさしく飛ばしたいならHIがおすすめ」とのこと。LO(ロー)は「打ち込んでも吹き上がらずに前に飛ぶぶん、ヘッドスピード45m/s以上ないと性能は生かせないでしょう。しっかり目のカーボンシャフトと相性がいいと思います」

それならMID(ミッド)? 「スピンが少なめで強い球が打てます。ややグースがあるので、安心して構えられますね」。3つのヘッドの中ではもっともFWに近い形状のHI(ハイ)は?「楽に200ヤード飛ばしたいなら断然HIです。シャフト次第では強弾道も期待できますよ」。試打はいずれも4番を使用。

キャッパーってどんなクラブ?

1:ウェートビスで最適な重心位置を確保できる

2:フェース下部でのヒットに強い「スピードポケット」をGAPRにも採用

3:ネック調整機能でロフトとライを可変できる。表示ロフトを基準にプラスマイナス「1.5度」の範囲で12通りのポジション選択が可能

画像: キャッパーってどんなクラブ?
画像: ネック調節機能付き

ネック調節機能付き

4:タイガーも「これならOK」。オレンジ色の「スピードフォーム」が打感を実現

画像: 【What’s スピードフォーム】 ヘッドは中空構造。中空は反発が高い反面、打感に難が出やすい。「ギャッパー」(GAPR)は反発性能を維持しつつ、打感を向上させるため「スピードフォーム」をヘッド内部に充填した。スピードフォームは半永久的に柔らかさを維持するので、ソフトな打感が変わることがない

【What’s スピードフォーム】 ヘッドは中空構造。中空は反発が高い反面、打感に難が出やすい。「ギャッパー」(GAPR)は反発性能を維持しつつ、打感を向上させるため「スピードフォーム」をヘッド内部に充填した。スピードフォームは半永久的に柔らかさを維持するので、ソフトな打感が変わることがない

GAPR LO(ギャッパーロー)

アイアンからの流れがいい、やや薄めのソール

パワーのある中上級者が低弾道、中弾道で飛距離を稼ぎたいときに使いたい。狭いホールでのレイアップ等で威力を発揮する。

画像: #2/ロフト17度/ライ角60度 #3/ロフト19度/ライ角60.5度 #4/ロフト22度/ライ角61度

#2/ロフト17度/ライ角60度
#3/ロフト19度/ライ角60.5度
#4/ロフト22度/ライ角61度

GAPR MID(ギャッパーミッド)

中間サイズでさまざまなライに対応できそう

中弾道で飛距離をキープしつつ、方向性も兼ね備えられている。あらゆるライへの対応力も期待できる

画像: #3/ロフト18度/ライ角59.5度 #4/ロフト21度/ライ角60度 #5/ロフト24度/ライ角60.5度

#3/ロフト18度/ライ角59.5度
#4/ロフト21度/ライ角60度
#5/ロフト24度/ライ角60.5度

GAPR HI(ギャッパーハイ)

「ドロップクラウン」で高い球が打ちやすい

ヘッドのクラウン(上部)をへこませることで重心を下げている。ボールが楽に上がる構造となっている

画像: #3/ロフト19度/ライ角60度 #4/ロフト22度/ライ角60度 #5/ロフト25度/ライ角61度

#3/ロフト19度/ライ角60度
#4/ロフト22度/ライ角60度
#5/ロフト25度/ライ角61度

画像: GAPR Loでショットするタイガー・ウッズ

GAPR Loでショットするタイガー・ウッズ

画像: 【解説】平野義裕 スイング碑文谷内の「クールクラブス」のフィッター。あらゆるクラブをテストしているギアの目利き

【解説】平野義裕
スイング碑文谷内の「クールクラブス」のフィッター。あらゆるクラブをテストしているギアの目利き

月刊GD2018年10月号より

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