今泉健太郎プロ
いまいずみけんたろう。筋トレをせずに記録404ヤードのドラコンプロ。研修生時代の故障を機にセオリーとは違った飛ばし術を自ら編み出す。そのウワサを聞きつけ、遠方からも生徒が来訪。大阪府内で今泉ゴルフスクールを開催中
【生徒】鈴木健さん
西武とヤクルトで189本のホームランを打った元スラッガー。ドライバーの引っかけに悩み、今泉プロの門を叩く。身長187センチ。今泉プロのレッスンを受け始め、チーピンが消えてフェードが続けて出るように…
体重移動せずに「体を右に向けるだけ」 軸がブレないテークバックのコツ
今泉 (鈴木)健さんは、テークバックをどのような意識でしていますか?
鈴木 野球のバッティングでは、右股関節のところにギューッと力が溜まるように右足に体重を乗せて、そのパワーをボールにぶつけるように打ちます。ゴルフも似たイメージでテークバックしています。
今泉 なるほど。ゴルフのスウィングも一般的には、右に体重をしっかり乗せて振り上げ、ダウンスウィングからは左にウェートシフトと言われます。
鈴木 はい、そのイメージです。
今泉 でも、ゴルフのスウィングは止まっているボールを打つスポーツですよね。軸をブラさずに回ったほうがミートできる確率は高くなるのはわかりますよね。
今泉 ボールの位置は自分から見て12時の方向(第1回参照)にあります。テークバックで右足に体重を乗せて、今度は左に戻して打とうとすると、上体もそれにつれて右と左に動くわけです。これって、12時方向にあるボールが動いているのと同じことだと思いませんか?
鈴木 確かに。体が右に移動したら、12時の位置にあるボールは11時や10時の方向に移動しちゃいます。
今泉 スウィングの軸を背骨だとしましょう。その軸を中心に体を右に向ければ、体の重心も右に動きますよね。それがテークバックだと考えています。そこから軸を中心にダウンスウィングからフィニッシュへ回っていけば、重心も勝手に動いていきますよね。
鈴木 なるほど。では、その軸を固めるために、両足はどうすれば?
今泉 スタンスは広くても狭くても構いませんが、軸を中心に振っていってどんどんスピードが出るようになると、遠心力が強くなります。遠心力に引っ張られて軸がブレないようにするには、スタンスは狭いよりも広いほうが安定するはずです。
今泉 ただし、ワイドスタンスで構えると、股関節がもともと硬い人や年齢で股関節が硬くなってくると、体の回転が浅くなりがちです。
鈴木 そうなんです。私も体が硬くなってきています。
今泉 その対策として、右つま先を右に向けて構えます。こうすると、テークバックで右に回りやすくなります。
鈴木 軸がブレないようにスタンスは広め。右つま先を右に向けて体を回しやすくしておく、ということですね。
今泉 ここがポイントですが、体重を右に乗せようとしないで、「体を右に向けるだけ」です。右を向けば体の重心も自然と右に移動していますから。そこから、ボールを叩いて体が回っていけば、体重は左に移っているように見えていると、解釈したほうがいいですよ。
鈴木 結局、我々アマチュアは自分で体重移動しておきながら、無理に回そうとしているから当たらないんですね。そうではなく、軸をブラさずに回れば勝手に重心は移るし、ミート率も上がって、スピードも出るということですね。第3回目、ありがとうございました。